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言葉のことばかり【虫の知らせ】

虫はどこにいる?

道を歩いていて突然バカボンの唄が
アタマの中に流れてきたことがあった。

🎵 41歳の春だから〜
バカボンのパパって41歳なのか。なんて
なんとなく思っただけだったのだが、
翌日、漫画家の赤塚不二夫さんが
亡くなったと聞いた。

これってあの「虫の知らせ」
というやつだったのではないか…。
と思ったのだが。

そんなことを
漫画家の鳥山明さんの訃報を聞いて
思い出した。
きっと直前にアラレちゃんと歌とか
鼻歌で唄っててびっくりした人もいるだろう。

自慢ではないが、私はちょくちょく
この「虫の知らせ」というやつを体験した
…ことは全くない。

この虫ってなんなんだろう。

たぶん、なんだか胸がざわざわする
(いわゆる胸騒ぎ)感じのことを
「虫」と表現したのだろうが、
これが虫だとするとそうとう気持ち悪い。

胸騒ぎを起こす虫

この「胸騒ぎ」という言葉も
なかなかにステキだ。

ざわざわする。潮騒みたいだ。
サザンの歌っぽい。

胸が騒ぐんである…。
胸が騒いで驚くのだから、
自分の意志とは関係なく
胸の方が勝手に騒ぐのだろう。

「おいおい、騒いでるよ」という感じか。
そう考えると「虫」と表現したのもわかる。
自分の中にある自分じゃないもの、
を形にするには最適だから。

この場合の虫はインセクトじゃなくて
ワームでしょうね。ちょっとキモいけど。
昔は人の体内にも結構いたからな。
若い人は信じられないかもだけど学校で
「ギョウ虫検査」って普通にあった。

その虫の正体

虫の知らせの由来は道教の「三尸」「三虫」
三匹の虫が頭、お腹、脚にいる。
それが人体から抜け出せる庚申の日
虫が天に昇ってその人の悪行を
閻魔さまに報告するので
その日は寝ないで徹夜で過ごした、
って、かなり面白い風習がある。

先日、大河ドラマの「光る君へ」でも
それで徹夜するシーンがありました。

結局虫は悪さするんだな。
それでそいつらが動くと悪い予感がする。
で、虫の居所が悪いので機嫌が悪くなる。

結構普段の生活に根付いてますね。

一方「胸が騒ぐ」ってのは
単純に動揺すると心拍数が…みたいな
ことなんだろうけど、
気持ちなのに頭じゃなくて胸なのね。
意外に気持ちってのは頭より
体で考えてるところがある。
気持ちを胸とか腹で表すこと多い。

腹は騒がないけど
立ったり座ったりするし
結局、腹の虫は治らなかったりする。
この虫は泣いてばかりいますが…。

胸騒ぎはいいことでも悪いことでも使う。
まあボクの場合はたまに胸が騒いでも、
そろそろ憂鬱な仕事の電話がかかってきそう
ぐらいのことだから…。
そういうのは胸騒ぎとは言わないか…。

胸騒ぎがした後に、
ホッと胸をなで下ろすってのは、
ひょっとして「虫下し」ということか。
うーん。ちょっと違うな。

次回の言葉は「哀愁」です。

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