見出し画像

【おもしろいの正体:3】落語は文字で読んでもそんなにおもしろくない。

落語のおもしろさって。

落語って文字であらすじを読んでも
あんまりおもしろくないです。

そりゃライブの良さなんだから、
演じてなんぼってのはもちろんあるんですが、

ストーリーだけでは完成しない。

描いているのは長屋の風景。
そこにある空気みたいなもの。

同じように小説も内容だけじゃなく、
文体やリズムで面白くなる。
演出ってそういうことかもしれない。

長屋にいるダメな奴
という存在がそこにあること。

それがおもしろい。
ストーリーだけでは成り立たないものがある。

空気感というか、
やっぱり言語化できないものが
そこにあります。

落語の場合特に、
演じる人のキャラクターで
全くおもしろさが変わる。
見るひとは、お話を見てるのに、
実は演じてるその人を見ている。

ちょっとメタ的な構造です。
作り手の存在が面白さを作っている。

愚かな人が
愚かな人を正す間抜けさ。
それが日常

もう一つは落語って
登場人物が全員愚かな人だということ。

人物表現はすごく誇張してるけど、
それがリアルだってことですね。

みんな言わないけど、
世の中バカばっかりじゃないか。
って思ってる。

CM作ってても思うけど、
正論言わなきゃいけないじゃないですか。
それがつまんない。

正論ってカッコ悪いです。

逆に落語の、ぜんぶ間違ってる。の美しさ。
面白さは数値では表せない。
割り切れてるものは面白くない。
本当におもしろいのは愚かな人間。

もともと
人間ってバカだったんだ。
と仮定して考えてみると
すべてが愛おしく見えてくる。

性善説、性悪説、ってありますけど、
性バカ説ってのもあるかと思っています。

で、そう考えると
ちょっと世の中に対して優しくなれる。

みんなバカなんだからしょうがない。
日本人って日本人が優秀だと思ってるけど、
まあそんなわけはなくて、
ホント愚かですよね。

だけどだからこそおもしろいし、
愛おしいんだと思います。

日常、周りを見渡してみても、
ダイエットのためにフィットネスバイクを買った
おばさんがまたがる電動自転車
とか、
一人を愛することの大切さを
教えてくれた歌手の不倫
とか
骨折してる占い師、とか、
(EXIT兼近さんのネタです)

やっぱり一番おもしろいのは人間だって
ホント思いますね。

何にも
考えなくていい
おもしろさ

そう考えると、面白さの本質って、
考えることを必要としないところ
あるのかもしれません。

そこにある、そこにいることを感じること。
それが「たまらんなあ」と思うこと。

これに叶うものはないような気がする。
トップガン(映画)なんてそんな感じですよね。

理屈じゃない。感じてほしい。
だから配信はやりたくない。って
トムクルーズは言ったらしいですけど、
彼の年齢を考えてもそう思ったのはよくわかる。
結果としてこんなご時世に戦争なんて全く無視。
逆にここまで吹っ切ってると誰も突っ込まない。

いろいろ
考えなきゃいけない
おもしろさ

一方で
考えたくてしょうがない人もいっぱいいる。

よくある考察ドラマなんてそうですよね。
もう悩みたくってしょうがない。

結局どっちもあるんですよね。

おもしろさは受け手が作るもの

結局のところ、おもしろいって
見た人が何を欲しがってるのかで決まる。

だから作り手がいくら頑張っても
受け手が感じなければしょうがない。

逆に頑張らなくっても
おもしろいものはおもしろい。

ホント、おもしろいですよね。

いつも「おもしろい」を探してるクリエイターへ

次回は

【おもしろいの正体:4】世の中のすべては、好き嫌いでできている。

何か違うんだよな〜はどうして起きるのか、という話です。


この記事が参加している募集

仕事について話そう

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?