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言葉のことばかり【素】

素顔の秘密

女性は、よほど親しくない限り
「スッピンの素顔は見せない」ですよね。

友達同士で旅行に行って、
こっちががんばって早起きしたつもりでも、
そのときにはすでに
いつもの顔が完成していたりして、
女性はたいへんだなあ…と思ったりします。

しかし実は、男性も
おんなじようなことしてるんですよね。
まわりにいないですか?
「いついかなる時でも
 髪型がビシッと決まっている」という人…。

そんな別にいいじゃないか、と思うのですが、
やはり人前では常にベストな状態を…。
ということなんですかね。

最近男性で
「温泉に入ってるときにも髪型を乱さない人」
に遭遇しました。
普段から、あの人髪型が乱れたの見たことない
と思ってた人で、さすがにお風呂じゃねって
思ってたのですが、
お風呂の中でも髪型が決まっていた…。

こうなるとたぶん
「みださない」んではなく
「みだれない」んでしょうね。

形状記憶頭髪に違いない…。

素は「もと」で「しろ」

素顔の「素」って「もと」ですよね。
もともとこうだった。
元素なんて「もとのもと」。
味の素、なんてのもある。

素はスタート地点。
素顔はもともとこうだった顔。
何にも手を加えてない。シンプル。

その割に「素」って漢字はシンプルじゃない。
何でだろう。って思ったのですが、

この漢字「しろ」とも読む。
素人のしろですね。
白も何も手が加えられてない色だから
同じと言えば同じなんだけど、
だったら「白」でいいじゃんと思う。

実はこの漢字の成り立ちに秘密があった。

「素(ス)」という字は糸を染めている様子を描いた象形文字。 染めるときは糸を束状に結び、染め汁の入った鍋に漬けたのですが、結んだ箇所は「もと」の白いままで残ります。その白く残った部分を「素(ス)」といい、「しろ・もと」という意味を表す漢字になりました。

出典:漢字トリビア

染められてない糸、だったんですね。
まあスッピンってことだから意味は同じか。
もとの顔が白いか黒いかはわからないですが。

じゃあ素麺は

「素」とつく言葉はいっぱいありますね。
素直とか素朴とか質素とか
どれも飾り気がないってとこで共通してます。
変わったとこでは素数なんてのもある。

「素」だから白いというわけではないです。

おもしろいと思ったのが素麺ですね。
まあ白い麺と言えなくはない。
それよりはシンプルな飾り気のない麺
って方が納得できる気はします。
最近、複雑な麺類だらけですから
暑くなるとあっさり素麺、最高です。

ところがこれも違うらしい。

出典:島原そうめん史 - 長崎県食品販売株式会社

素麺は索麺だったと。
これがまた縄をなうって意味で
さっきの糸を結んでるのとちょっと似てる。
で、字が変わったのは「白」だからだと…。
おもしろいですねえ。

ちなみに「素面」。
これはそうめんでも、すめんでもなく
「しらふ」です。

お酒飲む前の、
まだ素顔が白いスッピン状態のときですね。

次回の言葉は「晴れ男」です。

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