見出し画像

言葉のことばかり【悪役】

かわいい悪役

うさぎって悪役なんだよ。という話になった。

そう言われてみると、
昔話に出てくるうさぎには悪いのが多い。

カメと競走するヤツ。
こんなにチカラの差があるのに
「競走しよう」という根性がまず汚い。

ワニを並べて川を渡ろうとするヤツ。
だまそうとする魂胆が汚い。

で、両方とも結果的にはひどい目に遭う。
どうやら人間の方に「うさぎはずるいから、
ひどい目に遭わせてやりたい」という
キモチがあるようである。これは結構意外だ。

多分うさぎは人間にとって、
畑を荒らす「ヤなヤツ」だったんだろう。

うさぎを一羽二羽と数えるのは、
動物じゃなくて鳥として数えることで、
「喰ってもいい」もの
とするためだったんだそうだ。
まあ、それとこれとは話が違うが…。

あのかわいいピーターラビットでさえ、
キャラはいたずらものとして描かれている。
ヒールじゃないのは、不思議の国で
時計を持って走り回ってたヤツくらいか…。
何考えてるかわからないところは、
いちばん不気味な感じもするんだが…。

カカトは悪役か

悪役のことをヒールと言う。

これはそのまんま靴の踵(かかと)のこと。
かかとくらい底辺にいるヤツ、っていう
アメリカのプロレスのスラングらしい。

下の方にいるから悪いやつって
そりゃないんじゃない、とも思うが、
そういう時代背景だったのかもしれん。

ちなみにいい方の役はベビーフェイスと言う。
こっちはルッキズムかよ。
まあ、そういう時代背景で…。
ほどがある不適切はどこの国にもある。

悪いを演じるひと

で、ポイントは
悪役って「役」だということだ。

怖い顔のプロレスラーが
ホントは優しい人だった、
みたいなのは置いといて、
ヒールもヴィランもそもそも悪役は
悪いを演じる職種である。

時代劇では「悪者」って言うことが多い。
昔のアニメも「悪者」って言ってた。

こっちは悪い者なので仕事じゃない。
ホントに悪人だと思ってみていた。

だがこれがいい方になると
「いい者」になって、

急に「役」っぽくなる。

「善人」とは言わないんだよな。

悪い方はシンプルだけど、
いい方はいろいろ複雑で、
ホントに真っ白ってのがちょっと
嘘くさく感じるのかもしれない。
どうしても役っぽくなっちゃうのかも。

悪の反対語

そういえば悪いやつを
「ワル」なんて言うけど
これの反対語もないよな。

「悪の手先」の反対語は「正義の味方」
これはしっかりある。

こうなるとどっちも
職業っぽいのがまたおもしろい。
「手先」は使われてるブラック企業。
「味方」は応援するクラウドファンディング。

やっぱり悪の方がはっきりしていて、
正義はちょっと曖昧だ。

思い切って「ヒール」の反対語を
「ヒーロー」にしてみる。

語呂的には100点だな。
意味的には何だかなあだけど、
まあヒーローも職業だから
これが正解なのかもしれない。

次回の言葉は「メリハリ」です。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?