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言葉のことばかり【こいのぼり】

主役は子供でしょ

こいのぼりって
昔は一匹だけだったんだそうだ。

そりゃそうだよな。
ありゃ鯉が滝を登ってく姿を模していて、
それに子供の成長を願うキモチを
重ねるわけだから、
泳いでる鯉は子供じゃなきゃヘンだ。
そうじゃなきゃ子供の日にやる意味ないし…。

それがいつの間にか親がしゃしゃり出てきて
大きいのはおとうさんだとか言う。
子供の試験についていく親みたいで
なんだかなあ…。

やっぱり親としては、
ちょっと離れたところで
応援してたいと思うぞ。心配だけど。

こいのぼりがファミリーで
カラフルになったのは意外に新しく、
布製になったのも昭和30年以降らしい。

家族のイメージは歌の影響もある。
「🎵 屋根より高い〜」ですね。

ところがこの歌は昭和初期からある。
そのころから屋根より高いとこで泳いでた
ってことだよね。ちょっと矛盾してる。

こいのぼりの歌はもう一曲ある。
「🎵 甍(いらか)の波と〜雲の波〜」
大正時代にできた歌なので
今の子はたぶん知らないんだろうな。
僕が子どものころは教科書に載ってたな。
個人的にはこっちの方が好きでした。
歌詞がいいです。

「鯉のぼり」作詞:不詳/作曲:弘田龍太郎
甍(いらか)の波と 雲の波
重なる波の 中空(なかぞら)を
橘(たちばな)かおる 朝風に
高く泳ぐや 鯉のぼり

歌詞がいいと言ったら作詞者不詳でした。
ちなみに「🎵 屋根より高い〜」の方は
作詞は近藤宮子さんという方なんですが
(チューリップの作詞もこの人)
作曲者は不明らしい。

わからんって、どういうことだ?

こいのぼりの行先

そもそもこいのぼりは漢字で書くと鯉幟。
幟はヒラヒラする旗みたいなやつ。
そもそも鯉登りじゃないんだよね。
ダジャレか…。いや、ダブルミーニングだね。

改めて、ひらひらと空に泳がせるのは
ナイスアイデアですね。
青空だと本当に気持ちがいい。

だからなのか、こういう風習みたいのは、
なくなりそうで意外になくならない。

都会じゃ幟なんか立てられないから
ほとんど見ることない。
幼稚園で子どもが作るくらい。
そのぶん地方じゃ異常にデカくなったりする。

サイズが異常に巨大だったり、
数がめちゃくちゃ多かったり…。

どんだけ大家族だよ。

町おこしとか、
動機はただ純粋なわけでもないけど
それでも子どもに対する思いはあるから
残ってくんだね。
それはそれでいいことだとは思う。

子どもに対する思いってことで言うと
実は出世への願いだったりして、
ちょっと世知辛いとこはあるね。

鯉が滝を登って龍になる。って願いだから。
登竜門って言葉もここから来てる。

ちなみに似た言葉で
「うなぎのぼり」ってのもあるね。
人気が鰻登り、なんて言う。

鰻が川を登っていく能力はすごいみたいで、
鯉の滝登りみたいなかっこよさはないけど、
あのヌルヌルで岩の間に入ったりして、
どんどん登ってくらしい。
水から出て地面も登るんだって。凄い。

出世を考えると、鯉より鰻の方が
現実的で効果的だと思いましたね。

次回の言葉は「当て字」です。

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