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母乳育児ワーカーの知られざる苦闘を知って考えた話

こんにちは、菱田(@satoshi817)です。
先日、SNSを見ていたらこんな記事を見つけて興味深く読みました。
考えたことを書いておきたいと思ったので、noteにしてみます。

記事を読む中で、3歳の娘が今年に入るまで授乳していたことを思い出しました。保育園から帰ってきたら毎日30分くらい授乳してたな~とか、その時の安心した顔とか。
娘は保育園に行ってからも強い意志で卒乳せず、2歳半まで授乳が続くという強者でした。

授乳も終わり、満足そうに眠っている娘ちゃん。もはや授乳クッションに収まっていない。

僕、全然覚えてなかった。。。

この記事を読んで、ピヨログの履歴も引っ張り出しながら、改めて妻と当時のことを思い出してみました。
僕と妻の当時の体験の解像度がかなり違っていて、やはり妻も苦労したんだ(そして僕はそれに気がついていなかった)と痛感したわけです。

授乳に助けられたシーンはたくさんありましたが、正直僕は母乳にここまで想いを持っていませんでした。
それに妻は乳腺炎などにはなっていなかったので、そんなに苦労はなかったのかな?とか思ってましたが、実はかなり工夫していましたし、それ以外の悩みもたくさんありました。
鈍感ですみませんでした。

・「短期間のものだから耐えたらいい」、「過ぎたらいい思い出」となるからこの問題はやっかいだよね。
・正解のわからない新生児育児において、少なくとも「母乳を出す」ことは明快な正解に思えた。
・この文章読んで泣きそうになったけど、本当にそうだったわ。母乳が唯一の正解だと思った。
・正解がわからないからネントレにもやっきになったし、とにかく答えがないのに常に正解の選択肢を求められているような重圧が母親という肩書きだけであった。これが唯一の正解だと思ってたから頑張ってた気がする。
・授乳してると褒められるし、豆腐メンタルに頼れるのはおっぱいだけみたいなところはあった。

妻氏の感想より
 保育園に行き始めた頃の授乳回数
最後の授乳。泣いちゃう。

ニシブマリエさんの記事にも下記のような記載がありますが、短期間的な問題であり、本人から言い出しにくいという特徴のあるこうした課題を会社の中でどのように扱っていくかは難しい問題だと思います。

母乳育児は大変だが、永遠に続くわけではない。期間限定のマイノリティというのも、当事者が「今だけがんばればいい」と耐え忍ぶ要因になっているのかもしれない。ただでさえ子育てワーカーは周囲の協力を仰ぐことになりやすい。すでに肩身の狭い思いをしている人が、さらなる要求はしづらいものだ。

母乳育児ワーカーの知られざる苦闘を語りたい | Q by Livesense
https://q.livesense.co.jp/2023/09/21/2250.html

子育てで「2人目ができたけど、お兄ちゃんとは全然違うわ~」というのはあるあるですよね。経験則が役に立つようでそうでもなかったりするのが子育ての世界ではないでしょうか。
母親の状況によっても悩みは様々です。例えばうちは乳腺炎には苦労しませんでしたが、喘息の治療のために薬を飲んでおり、服薬タイミングを授乳タイミングに合わせて調整する必要があるなど、別の苦労がありました。

喘息を押して娘が夜寝た後に残業しようとする妻を止めるため、妻の会社が使っているクラウドサービスへのアクセス制限を実施したのはよい思い出です。(妻はフルリモート勤務。会社がもっと労務管理しろ!)

今まで"子育て"は家庭の中に位置づけられ、”仕事”とは切り離されてきました。
しかし、ライフスタイルが変化した今、"子育て"と"仕事"は切り離すことができない関係に変わっています。

経営陣に多様性が必要だってことなんだと思う

母乳育児に関する事はかなり分かりやすく男女で認識に差がある問題だと思います。男性は当事者になり得ないため、課題に対して実感を持てません。
子どもの有無、子どもの性別の違い、妊活経験の有無、障害の有無などなど、その経験をしていないと分からない苦悩っていうのはたくさんあります。
やっぱりその問題に直面した人でないと大変さは分からないし、”なにが大事なのか”が分からないのではないかと思います。
経営や意思決定を行なう人達の多様性が確保されれば、こうした当事者でないと気がつきにくい問題へスポットライトが当たりやすくなり、働きやすい職場が実現すると思いますし、それ以外に道がない気がします。
当面経営陣だけで多様性を確保できないなら、従業員への満足度調査なんかで補ったりしてもいいかもしれませんね。

最近話題のダンボール授乳室問題も決定権を持つ人の中に子育て中の人がいれば、違った形でスタートしていたんじゃないかと思ったりします。
今回話題になったことで改良が進むんじゃないでしょうか。

ちなみにB Corpにも母乳育児支援に関するトピックがあります

突然の宣伝みたいで文脈がおかしい気もしますが、ぜひ紹介させてください。
B Corp企業が行うB Impact Assessment(BIA)の中でも母乳育児に関する支援はトピックの一つです。
Workersセクションの 「Engagement & Satisfaction(エンゲージメントと満足度)」の中に「What supplementary benefits are provided to a majority of non-managerial workers?(非管理職労働者の大多数に提供されている福利厚生はなにか?)」という設問があり、選択肢として「Policy to support breastfeeding mothers(母乳育児を支援する方針)」が登場します。
※会社の規模や業種により設問は変わります。この設問が表示されないケースもあります
まぁこれはアメリカで育児休業制度が整備されてないって事情が大きいんだと思いますが、育児休業がある日本でも必要としている人は少なくないはずです。
普段コンサルとしてB Corp認証支援をしていますが、それまで自社になかった考え方や角度から自社のあり方を問い直せることも、B Corpの旅に参加する大きなメリットだと感じています。
B Corp認証は面白い認証なのでぜひ知っていただきたく、興味がある方はこちらの記事をどうぞ。

よく見る会社だと、パタゴニアやネスプレッソ、エコリングなんかが取ってます。日本本社の認証取得企業も増えてきて、今は31社!

なんか思ったことをつらつら書いただけでとりとめないですが、こんなことを日々考えています。

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