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BIAに登場する廃棄物を理解する

皆さんこんにちは、B Corp認証の取得支援をしている菱田です!
B CorpやISO14001、27001などの企業認証分野でコンサルタントをしています。


日本とアメリカで違う廃棄物の定義

先日お客様とBIAを進める中で、廃棄物の定義が日本の定義と違うことに気がつきました。
(廃棄物については、Environmentの「Land & Life」というセクションで登場します。会社の規模や業種により内容は異なります。)

B Corp認証における廃棄物の分類は「Waste Reduction Programs」という設問を見ると分かりやすいです。
この設問では
hazardous, universal, and/or non-hazardous waste
という3種類の廃棄物があることが示唆されています。
日本語にするなら、
・有害廃棄物
・普遍廃棄物(日本の"一般廃棄物"とは違うので、仮に"普遍"と表記します)
・非有害廃棄物
でしょうか。

Does your company have a formal program to evaluate how to reduce its generation of hazardous, universal, and/or non-hazardous waste?

B Impact Assessment
Waste Reduction Programsの設問より

B Corp認証はアメリカ発の認証ですので、アメリカの廃棄物の分類方法を調べてみたところ、米国環境保護庁(EPA)のサイトに定義を見つけることができました。

有害廃棄物(hazardous waste)

こちらのリストを見ると何が有害廃棄物かは分かるようです。https://www.epa.gov/hw/defining-hazardous-waste-listed-characteristic-and-mixed-radiological-wastes#listed

”簡単に定義すると、有害廃棄物とは、人の健康や環境に有害な影響を及ぼす危険性や可能性のある性質を持つ廃棄物のことである。有害廃棄物は、工業製造工程廃棄物から電池に至るまで、多くの発生源から発生し、液体、固体ガス、汚泥など、様々な形態がある。”(DeepLによる翻訳)
Simply defined, a hazardous waste is a waste with properties that make it dangerous or capable of having a harmful effect on human health or the environment. Hazardous waste is generated from many sources, ranging from industrial manufacturing process wastes to batteries and may come in many forms, including liquids, solids gases, and sludges.

Learn the Basics of Hazardous Waste | US EPA
https://www.epa.gov/hw/learn-basics-hazardous-waste#hwid

"廃棄物は、連邦規則集(CFR)のタイトル40のパート261に記載されている4つのリスト(F、K、P、Uリスト)のいずれかに明記されている場合、有害廃棄物と判断される。”(DeepLによる翻訳)
A waste is determined to be a hazardous waste if it is specifically listed on one of four lists (the F, K, P and U lists) found in title 40 of the Code of Federal Regulations (CFR) in part 261.

Defining Hazardous Waste: Listed, Characteristic and Mixed Radiological Wastes | US EPA
https://www.epa.gov/hw/defining-hazardous-waste-listed-characteristic-and-mixed-radiological-wastes

普遍廃棄物(universal waste)

”連邦規制は、ユニバーサル廃棄物として管理できる物質の5つの特定のカテゴリーを特定する:電池、殺虫剤、水銀含有機器、ランプおよびエアゾール缶。”(DeepLによる翻訳)
The federal regulations identify five specific categories of materials that can be managed as universal wastes: batteries, pesticides, mercury-containing equipment, lamps and aerosol cans. 

Universal Waste | US EPA
https://www.epa.gov/hw/universal-waste#types

「Hazardous Waste Disposal」の設問で「This includes batteries, paint, electronic equipment, etc.」となっているのは、きっとこれらが普遍廃棄物にカウントされるケースがあるせいですね。
普遍廃棄物は有害廃棄物の一種と考えられます。

非有害廃棄物(non-hazardous waste)

こちらの定義は見つけられませんでしたが、有害廃棄物及び普遍廃棄物以外の廃棄物を指すと考えられます。

日本の枠組みで考えるなら

これまでなんとなく日本の廃棄物処理法の枠組みで考えてましたが、結構違うことが分かりました。
日本の廃棄物処理法の枠組みで考えるなら、
有害廃棄物、普遍廃棄物=産業廃棄物
非有害廃棄物=産業廃棄物&一般廃棄物
になりそうです。

有害廃棄物と普遍廃棄物については、100%産業廃棄物ですので、廃棄物処理法に適正に対応している会社ならマニフェストの発行履歴を遡れば計測可能です。(恐らく毎年6月末までに行政への実績報告のため1年分のとりまとめ作業は行なわれているはずです)

非有害廃棄物には一般廃棄物が含まれるので、完全に数量を把握してないケースが多いと思います。これを機に一般廃棄物の計量をしてみてもいいかもしれません。

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廃棄物の世界は本当に複雑ですが、少し詳しくなると楽しくなる世界でもあります。
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廃棄物の体系図(https://ea21.14001.jp/iso14001/iso14001-209/)
産業廃棄物の具体例(https://ea21.14001.jp/iso14001/iso14001-209/)
事業所から排出される代表的な廃棄物の分類(https://ea21.14001.jp/iso14001/iso14001-209/)

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【ISO14001・EA21・KES共通】環境法入門 | 博士と環太のEA21/ISO14001

B Corpの旅にチャレンジするみなさんのお力になれれば嬉しいです。
ご質問があればコメントで教えて頂ければとできるだけ回答していきます。
ではでは~!

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