樽本哲

弁護士、フィランソロピー・アドバイザーとして、様々な業種・規模の企業や非営利組織(公益…

樽本哲

弁護士、フィランソロピー・アドバイザーとして、様々な業種・規模の企業や非営利組織(公益法人、学校法人、医療法人、NPO法人など)の経営上の法的課題と、寄付や社会的投資などの善意の資金循環を促進するための仕組みづくりに取り組んでいます。

最近の記事

日経新聞に遺贈寄付と基金設立の記事が掲載された話

 こんにちは。弁護士の樽本哲(たるもと さとし)です。  10年近くに渡って、非営利・社会貢献分野のガバナンス、コンプライアンス、ファンドレイジングと倫理といったテーマを掲げて、仲間たちと非営利分野における活動を続けて来ました。しかし、それが社会にどれだけポジティブな変化を起こせたのかと問われたときに、自信を持って答えられない自分がいました。  そんなもやもやを、10月23日(日)の日経新聞朝刊24面のマネーのまなび欄の「社会貢献、広がる裾野」という記事が吹き飛ばしてくれまし

    • 東京マラソン2020の参加料と寄付金の不返還問題から考えたこと

      こんにちは。弁護士の樽本哲です。 東京マラソン2020の参加料の不返還問題について、非営利や寄付に関わる仕事をしている弁護士として解説しないの?とある人から言われたので、遅ればせながら、少し調べてみました。 主催者の説明主催者である一般社団法人東京マラソン財団が、2月21日にウェブサイトで参加料についての説明をしています。 参加料に関するご質問について 「2 月 17 日にお知らせしましたとおり、東京都内において、新型コロナウイルス(COVID-19)の複数の感染者が

      • 私たちが株主優待寄付の仕組みを立ち上げた理由(後編)

        株主優待品の社会的活用プロジェクト(通称:優活プロジェクト)は、2019年1月から5月にかけて、企業が保有する他社株式にかかる株主優待品の寄付を受けて、複数の社会貢献団体に寄贈するトライアルを実施した。 株主優待寄付に参加するパートナートライアルにご協力いただいた企業は、社名公表の許可をいただいた日本たばこ産業株式会社のほか、大手飲料メーカーと証券会社各の3社。いずれも業界大手の上場企業だ。検討チームのメンバーの紹介で実現することができた。 寄付の受け皿になるのは公益財団

        • 私たちが株主優待寄付の仕組みを立ち上げた理由(中編)

          前回(前編)では、私たちが2017年8月頃に株主優待品の社会的な活用について、仲間と議論を始めた経緯を紹介した。 ほぼ月イチで10回近く続いた検討会では、株主優待品の活用を検討している企業、信託銀行、CSRのコンサルティングファーム、証券会社、子どもの教育を支援するNPO、ファンドレイザー、大学生、大学院生、税理士、弁護士など様々な分野の専門家やボランティアが集まり、株主優待の寄付に関する期待や課題、解決法などを語りあった。そこで意識したのは、株主優待の寄付を1対1の支援で

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        • 東京マラソン2020の参加料と寄付金の不返還問題から考えたこと

        • 私たちが株主優待寄付の仕組みを立ち上げた理由(後編)

        • 私たちが株主優待寄付の仕組みを立ち上げた理由(中編)

          私たちが株主優待寄付の仕組みを立ち上げた理由(前編)

           2019年1月8日、株主優待品の寄付を受けてそれを必要とするNPOなどに寄贈する株主優待の社会的活用プロジェクト(通称:優活プロジェクト)のトライアルが始まった。 【プレスリリース】  私は、野村證券の岸本和久さんとともに、優活プロジェクトの事務局共同代表を務めている。このプロジェクトとトライアルの目指すものについて、ここに記しておきたい。 優活プロジェクト 優活プロジェクトは、企業が発行する株主優待品を寄付として受け取り、社会貢献に取り組む民間非営利団体等に寄贈して

          私たちが株主優待寄付の仕組みを立ち上げた理由(前編)

          何かに熟達するために必要なこと

          初めての道は歩いているだけで色々な発見があるものだ。信号待ちの交差点、日陰のある場所、入ってみたいカフェなど、周囲を見回しながら歩くとそれだけで楽しい。近道や回り道を試してみたりもする。それだけで脳の認知機能が活性化するのを感じる。 しかし、慣れてくるとそれが日常となり、徐々に新鮮さが失われてくる。繰り返し歩くことで、頭の中に通勤路がトレースされて、考えなくても自然と危険な場所や人込みや日差しを避けて歩けるようになる。すると今度は、脳が別の機能を発揮するようになる。 ひと

          何かに熟達するために必要なこと

          樽本哲について

          はじめまして。樽本哲@スタートアップ、非営利組織界隈の弁護士です。note初投稿です。 私は都内で企業や非営利組織向けの法律事務所と法律関連サービスを提供する企業を経営しています。15年前に弁護士としてのキャリアをスタートさせた当初から、世の中にまだ存在しない価値やプロダクト、解決方法を生み出すようなチャレンジに、プレイヤーとして参画することを目標にして、いくつかの企業に資本参加しながら法律顧問や社外役員として企業の成長を支援するということをしてきました。 2011年の東

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