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大切なことは、いつもあとになってから気がつくもの。

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私(佐藤)が体験から学んだこと。知っておいても、損はない。と、思い、ます。
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記事一覧

・私が【起業を決断】した時の話。「荒波を消す方法はないが、乗り越え方はあるかもしれない」

29歳の時、私はそれまで勤めていた塾を辞めて、あたらしく学習塾を始めた。つまり「独立起業」というやつである。 それ以来「起業したきっかけは?」と、幾度となく質問された。時には大学生から「起業した時の話をしてほしい」と依頼を受けて講演をしたりもした。おそらく、そのような質問をした人の頭の中には「起業するってことは、なにか特別な志とか、きっかけがあったのでは?」という気持ちがあるのだと思う。 仕事を辞めて、わざわざ起業するくらいなのだから、きっと何かある、道を歩いていたら占い

【少年のころの夢】 夏を追いかけて、暮らしたい。

小学生のころ、日本が冬の時、オーストラリアは夏であると知った。夏生まれで、夏が好きな私は「これだ!」と思った。 「日本が冬の時はオーストラリアに住んで、オーストラリアが冬になったら日本に帰ってくる。そうすれば一年中、夏のままで暮らせるじゃないか」 別にオーストラリアに行かなくても、東南アジアなど「常夏の国」へ行けば移動せずとも「夏暮らし」が可能なわけだが、それはちょっと違うような気がした。ずっと夏ではつまらない。夏を求めて移動するから楽しいのだ。季節を追いかけていく感じが

【私の仕事】チャンスの女神に、後ろ髪があった話

私が「コピーライター」を目指すきっかけになったエピソードを、お話します。 それまでの私は、教育の仕事に携わっていて(学習塾経営)クリエイティブな仕事はもちろん、自分がコピーライターになれるとは考えてもいませんでした。 切れ味のある言葉も書けないし、文章が得意なわけでもない。賞をもらったこともないし、褒められるどころか「へたくそ」と言われたこともある。そんな私ですから「あのような仕事は、才能がある人が目指すもの」と考えていて、最初から遠い世界のできごとだと考えていたのでした。

「キャッチコピーを書いてください。予算は○円です」

メールが届いた。 そこには「弊社のキャッチコピーを書いていただけませんか?予算は○円です」と書かれていた。 はあ? と思った。 その時わたしは、学習塾を経営していてキャッチコピーを書く仕事はしていなかった。もちろん告知などは一切していない。文字通り、はあ? だった。しかも、記載された金額は想像していたよりも高額である。なにかの間違いだろう。しかし、一応返信だけはしておこうか。 そんなことを書いた。ほどなくして社長本人から返信がきた。そこには、私のメルマガを読んだということ

【私の文章修行】文章力は30代から伸びる【体験談】

「文章力を上げたいけれど、今からでは遅いですよね?」 「文章を書くのが苦手です。国語の成績も悪かったし、才能がないんですよ」 今回は、定期的にいただくこの質問に対して「文章力」について、私の体験談をもとにお話をしてみたいと思います。確かに文章力は一朝一夕で身に付くスキルではありません。しかし、しかるべき実践量と知識を蓄積することで、年齢を問わず伸ばしていけるスキルだと私は考えています。 20代のみなさんはもちろん、40代、50代からでも「自分らしい文章」を書きたいと試みて

私の「冒険心」は「宝島」で、つくられている。 #海外文学のススメ

いままで【佐藤ゼミ】では日本文学作品ばかり紹介してきたので、私(佐藤)は日本文学ばかり読んでいる人という印象があるかもしれない。いや、実は(と、わざわざ強調するほどのことでもないのだが)子供の頃の私は外国文学を読んでいた。正確に説明するならば、実家にはあまり本がなく、本棚に並んでいるなかで子供の頃の私が読めた本が「宝島(ロバート・ルイス・スティーヴンソン著)」だったので、必然的にそれを何度も繰り返し読んでいたのが実際のところである。 初めて「宝島」を読んだのは小学1年生の頃

#忘れられない先生 「読書感想文は、こんな風に書くんだよ」

わたしは今でこそ、文章を書いたり、書き方を教えたりしているけれども、決して文章を書くのが得意ではなかった。小学5年生の時の担任からは「佐藤の作文はつまらない。Tが書いた作文を読ませてもらえ。参考にして書き直せ」などと言われ、提出した作文は赤ペンで真っ赤に染められて返却されるのが常だった。 国語の成績がいちばん悪くて、小学6年生の時に書いた夢は「科学者になりたい」だった。理系関係の仕事について、何かを研究する仕事に憧れていたのだった。最先端の機材に囲まれて、スマートにビーカー

日本人よ「読書」をしよう。(おうち時間を楽しく)

先日「日本人の読書量「一冊も読まない」が47.3%に」といった記事を書きました。文化庁の調査データによると、日本人の半数近い人たちが「一ヶ月に一冊も本を読まない」らしいのですね。 確かに、電車に揺られているとスマホを覗き込んでいる人ばかりで、本を手にしている人はいませんよね。読書好きの私(佐藤)としましては、とてもさびしい。 私(佐藤)の目標のひとつが、みんなで文学作品を読みながら「つづきはどうなるの?」「これって、〇〇ってこと!?」などと、ああでもない、こうでもない、わ

「若さとは、恥を振りまきながら生きること」

基本的に自分は、昔書いた文章を読み返すことはない。関心よりも気恥ずかしさの方が勝るし、書いた内容も忘れてしまうことが多いので、セミナーの後に「〇〇の文章がよかったです」と受講生の方に感想をいただいても「ありがとうございます!」と答えつつも「(そんなこと、書いたかな・・・)」と、ひとりで確認することも少なくない。 書いている時は「あとになって読み返した時に、恥ずかしくない文章を書こう」と、志を持って取り組むのだが、数年経過してから読み返してみると鼻息の強さばかり目立ち、途中で

空っぽの四角い冷蔵庫

大学生の頃の話。大学に合格した僕は、春から一人暮らしを始めることになった。それまで実家で生活をしていて、食事も洗濯も生活にかかわる事は家族任せだった自分が、何の準備もせずに一人暮らしを始めたわけで(もちろん、それを望んだのは僕自身であるわけだけど)今考えると、なかなか乱暴な話だと思う。 その時住んでいたワンルームマンションには、小さな四角形の簡易的な冷蔵庫が備え付けられていた。冷蔵庫の中には当然何も入っていない。空っぽの冷蔵庫を見ていると何となく寂しくなってくるので、とりあ

ある画家との会話 「迷った時に、どうするか?」

ある画家の先生との会話先日、連れの恩師(洋画家)の個展に行った。一通り作品を見せていただいてから、ギャラリーの横にあった椅子に腰掛けて休んでいると、先生がこちらにやってきて私の隣の椅子に腰をかけた。以前に何度かお話しさせていただいたこともあり面識もあったので、質問させていただくことにした。 私は先生に「作品を作っていて、迷った時はどうするのですか」と質問をした。先生は「それはどのような状況についてですか?」と慎重に確認された。私は自分の仕事の状況などを、簡単に説明させていた

「予想した問題が出た!」の裏側にあるもの。

「先生が予想した問題が出ました!」以前、高校生に現代文を教えていた時の話。入試が終わった直後、ある生徒が問題用紙を手にしてやってきました。「先生が予想した問題が出ました!」と満面の笑みです。話を聞くと「文学史」の問題で、私がまとめた「覚えておきたい 作家・作品名」の中から同じものが出題されたとのこと。それが嬉しくて、報告してくれたわけです。 さて、私は「自分の予想した問題が出た」と自慢したい訳ではありません。講師の経験がある人ならば、なおさらでしょう。なぜなら、私は「作家・

meeting → NORTH MARINE DRIVE

以前、どこかで「人生の中で、洋服にお金をかけて『自分を良く見せようと努力すべき』時期がある」と、いう話を聞いたことがあります。 もし、そのような時期があるとするならば、私の場合は10代〜20代前半が、そうだったように思います。今回は、書店で見かけた本を手にとって、思い出した事を書いてみたいと思います。 高校一年生の時、僕はレストランでアルバイトをしていた。秋の気配が深まってきたある日、そこで働いていた一つ上の先輩が、気になるジャケットを着てきた。かっこいい、というのとも違

勝負は「書く前」に、決まっている。

こんにちは コピーライターの佐藤(さったか)です。先日、ある作家さんの個展に足を運んだ時の話。展示されていた作品の中に、一点気になる作品があった。それは一輪の花が描かれているシンプルな作品だったのだけど、目にした瞬間に透明な鮮やかさを感じたのだった。 作家の先生と話をする時間があったので「僕は、この作品がとても気になりました」と感想を述べさせていただいた。すると「このような作品は、描いている時間は短いけれども(描くまでに)考えてる時間が長いんですよ」と説明してくださった。私