見出し画像

人がやりたがらない仕事をするからお金がもらえる論について。

私が会社をやめたいと伝えた時に、上司から言われた言葉。
「人がやりたがらない仕事だから、お金がもらえるんだよ。だから、自分のやりたいことではお金は稼げないんだ」
当時、フリーのライターになろうと思っていた私にとって、なんて絶望的な宣言だったでしょうか。
仕事は「やりたがらないことをやるもの」。それじゃあ、みんな働きたくないわけです。電車に乗って、会社に到着して、「さぁ、はやく帰る時間にならないかな」となるわけです。

会社という組織をやめて、もう5、6年経つわけですが、テレビを観ながら笑福亭鶴瓶さんがいった一言で、突然冒頭の上司の言葉を思い出しました。

「もう46年この仕事をしているけれど、一度もイヤだと思ったことないんよな。現場に行きたくないと思ったことは、一度もないんや」(関西弁は雰囲気ですw)

”わぁ。そんなふうに仕事したいなぁ。”

きっと、そんなふうに思ったのは私だけではないと思うんです。
ちなみに私は、割と今好きな仕事ができています。とはいえ、「行きたくなーい!」と思うこともあります。だから鶴瓶さんの領域にはまだ達していませんね。

とはいえ、思うんです。
「人がやりたがらない仕事だから、お金がもらえるんだよ」論は間違いではないかな?と。
芸能人やスポーツ選手や芸術家みたいに、わかりやすく「やりたいことをやってお金をもらえている人」以外でも、どんどんやりたいことでお金を稼げる時代になるのではないでしょうか。

私は教育ライターなので、「AIで4割の仕事がなくなるんですよ!」という話を教育現場の人が子どもたちにする姿を嫌という程見てきました。教育書の多くにも、そんなふうに書かれています。
でもね、その代替される4割の仕事は「人がやりたがらない仕事」だったらどうでしょう。そうしたら、残されるのは「やりたい仕事」だけなんです。

だから、「AIに仕事が奪われるからな!」と子どもたちを無意味に脅すのではなく、「したいことはなにか」を考えたり、したいことを選び出したりする学びを大事にする方がずっと重要だと思うんです。

だって、もう「したい仕事」しか残らない社会がくるかもしれません。そうしたら、「したいことがない」人は呆然とただただ立ち尽くしてしまう。私たちは、若い人や子どもたちにどんな仕事観を伝えたらいいのでしょう。今、私にできるのは、「これがしたい」と決意した人たちに対して、「どんどんやれ!」と背中を押すことだけかもしれません。

<ツマミにこちらもどうぞ>


いつもありがとうございます!スキもコメントもとても励みになります。応援してくださったみなさんに、私の体験や思考から生まれた文章で恩返しをさせてください。