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1キャラクターとしてのVTuber、もしくはアイドル部の新展開についての考察

4月2日、どっとライブのYouTubeチャンネルにこんな動画が公開された。

これだよこれ! 見たかったやつ! こういうの! 嬉しい~~~~~! note終わり!

ではそっけなさ過ぎるのでもう少しだけ書くことにする。

この動画のタイトルは「もこ田めめめ ~全身脱毛の巻~ #001 」。1分40秒ほどのテンポが良い動画で、もこ田めめめさんとその毛を刈る(狩る)北上双葉さん・八重沢なとりさんの攻防が描かれている。ゲーム部プロジェクトの頭のネジが外れた方の動画と言えば分かりやすいと思う。#001と付いていることから、ある程度継続する動画シリーズになるものだとみていいだろう。

これを発見した時、4月1日に投稿されたPrologue動画の意味を知り、同時に.LIVEが本気を出した時は死ぬほど一気に畳みかけることを思い出した。電脳心臓が足りない。

さてこの新展開、実に意外かつ、実に理に適ったものだという印象を僕は抱いたのだ。

・日常動画であることの利点

まずこの動画で嬉しいのは、私立ばあちゃる学園での日常を描写してくれていることだ。アイドル部の活動はゲーム実況・雑談などの配信が中心で、学園での話を知る手段はメンバーの話を伝え聞くくらいしかなかった。電脳少女シロさん・アイドル部のライトノベルと同じく、パーソナリティの深堀りをしてくれるのは既存のファンにとってかなり嬉しい。

そして、新規ファンの獲得にも寄与していくものだと思われる。アイドル部の1時間の配信を基本としたゲリラなし(ここが個人的にすごく大きい)のスタイルは比較的見やすくはあるが、やはりとっつきやすさの面では動画に一歩譲る。ここを動画シリーズが補完できると隙がない。

代わりに動画は制作時間に対する出力時間の少なさに難があるが、アイドル部の中から複数人が出演することでコスパを向上、さらに12人のおおまかなキャラクターや関係性を示すことが可能になっている。ついでに既存ファンは天に召される。召された

上記の動画だけでも、もこ田めめめさんが羊的な存在であること・北上双葉さんはおとなしそうに見えて切れ味が鋭いこと・八重沢なとりさんも一緒に脱毛しようとはしているものの、廊下を走っている2人を注意しているので真面目or風紀委員長のような立場であること……等々は把握でき、なんとなく見られるつくりになっていると思う。
(こればかりは初見の視聴者からの客観的な意見が聞きたいところ)

馬術部・吹奏楽部・飼育委員といった、今まで言及が少なかったメンバーの部活や委員会についても掘り下げがくるものと僕は期待している。#002以降の動画を見ないと断定はできないが、既存ファンも知らない一面を知ることができるかもしれないね。

・短編寸劇形式と12の個性

メンバーの日常を寸劇のようなテンポ良い形式で切り取った動画、というとやはり先述したゲーム部プロジェクトが思い浮かぶし、実際かなり参考にしているであろうことが伝わってくる。動画の再生回数やチャンネル登録者数の高次安定ぶり、アイドル部の特性を鑑みると納得がいく参考元だ。

数秒の見どころを抜粋した動画付きの投稿告知を一斉にツイートするのも、ゲーム部プロジェクトが使う手法の1つだ。数秒の動画を添えた告知ツイート自体が効果的だし、アイドル部12人が毎回メンバーを変えながらツイートするのは、12人という絶妙な人数のグループだからこそできるやり方だろう。12人、やろうと思えば全員応援できるのが恐ろしいよね。

アイドル部学力テストもだが、1人1人の際立った個性があってこその動画企画が成立しているのは凄いことだと思う。初期からコラボ配信を内部ですらかなり抑え、それぞれのキャラクター性を育てていったことが本格的に実りつつあるのかもしれない。

・1個人として「実在」する

今回の動画公開で思い出したのだが、アイドル部のプロデューサーであるばあちゃるさんは、以下の記事で「アイドル部の漫画化・アニメ化」を2019年の目標として挙げているのだ。

漫画はともかく、アニメは動画的な演技力が要求されるのでしばらくはないだろうと個人的に思っていたのだが、それすらも今回の動画シリーズによって覆された。ゲーム部の日常動画を見ると、最近の動画は初期に比べて演技力・迫真さが向上している。アイドル部にも同じことが言えるはずだ。アイドル部の漫画化・アニメ化は実際に見据えている目標なのだろう。

アイドル部は、なんとなくで見られる=事前知識なしでも楽しめるよう、できる限り意識されていると思う。配信ではアイドル部についてのこまめな説明が入り、反対に「ガリベンガーV」ではVTuberについての説明をカットして進行し、「ぴのらぼ」書籍では表紙でも内容でもVTuberを押し出さない。VTuberとして、というよりは、1キャラクター・1個人として扱っているという表現が似合う。

総合して、アイドル部はこれから1キャラクター・1個人として確立されていくと思う。彼女たちの「自分らしさ」、またはばあちゃるさんが度々口にする「魂の輝き」は、今回のような短編動画やさらなる外部展開によって引き出されていくのだろう。どんなワクワクをくれるのか、今から楽しみだ。

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ここまで勢いで書いたので、ついでにアイドル部にまつわる宣伝を。
MoguLiveでアイドル部の紹介記事シリーズを月1~隔月ペースで書いているので読んでいってほしい。MoguLiveでは普段は編集や取材等に携わっているので、ほかの記事も読んでね。面白くて役に立つ記事が揃っているよ。
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以上、バーチャル名探偵・佐藤ホームズでした。


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