寿命が足りない
本屋に来ると寿命が足りないと思う。ちょっと過呼吸になる。
著者としてライターとしてときには編集者として、本作りに関わるようになってから
書店に行くと、どの本からも、売れたいです返本されたくないですという悲鳴が聞こえるよううな気がして、病んではないけど、空気圧がちょっとおかしい。
手に取ると、まず、奥付を確認してしまう。初版と重版回数と、スタッフクレジットを見るためだ。
書籍の業界に足を踏み入れた時、一様に奥付から開く編集さんたちが、なんだか不思議で、私はどんなに業界ズレしても、奥付から本を開く業界人にはなるまいと思ったけど、あっさりなったよね。
という感じの今日この頃ですが。
ある本で、京都のガケ書房という書店さんの存在を知って、弾丸行ってみた。
その本の中で、ガケ書房さんはとてもとても大事な本屋として紹介されていて、宝物を扱うように書かれていたから。
行ってみた、というか、京都駅に着く前に場所を調べようとしたら、ガケ書房はホホホ座に生まれ変わりましたと書かれている。
?
閉店?したのかな?
すでに本に書かれた書店に行ってみようという当初の目的から変わっているけれど、店主の方は変わってないようだったので、そのホホホ座を目指してみることにする。
京都駅からタクシーを飛ばし20分。小さな書店だというから30分も滞在時間があれば大丈夫かな、と、1時間半後の新幹線チケット(変更不可)だけ持って、スーツケースはコインロッカーに預けた。
その建物は突然あった。
古い建物。
店内に入った瞬間、空気がぜんぜん違った。陳腐な言い方だな。本が気持ちよさそうに並んでいた。いつも聞こえる、私を買って、みたいな声も聞こえない。(病んでないです)
一番目立つ場所に、かよちゃんの「たたみ方」がどどーんとあって、いいなあ、こんな書店さんにのびのびと置かれる本は幸せそうだなあと思った。
ちょっと嫉妬。(あとでアタシ社さんに聞いたら私の「道を継ぐ」も、いっとき置いてくださっていたそうです)
髪とアタシもある。
相変わらず奥付はきになるけれど、私が知らない版元さんのものや、この本がまさかのメジャー版元さんで?というものもあった。
ゆるゆる心がほどけたところで、時間切れ。
2冊だけハードカバーを買って帰る。
レジのお姉さんに、今週中に、この「たたみかた」の編集長の三根かよこさんのインタビュー原稿がアップされるので、よかったらみてくださいと伝えて店を出る。
気づいたら1時間もいたみたいで、新幹線の時刻が迫っていた。まいったなあ、寿命が足りないなあと思った。でも、いつもと違って、とても幸せな感じだった。
いまから、私がこのホホホ座にこようとおもった本を書かれた方とお会いします。どんな方だろう。初めて会う方だけれど、不思議と緊張してない。
20時スタートなので、今日はここまで。
かよちゃんのインタビューはこちら。
corecolor.jp/?p=1809
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