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編集・ライター養成講座でいただいた質問/71問67答アップします

先週の編集・ライター養成講座では、100人弱の受講生のかたにお話させていただき、いま、その時いただいた質問に答え終わったところです。

で、このタイミングで、今回ではなく、半年前の講座でお戻しした質問に対する回答をアップしますー(今期の方々にも参考にしていただきたいため)。



毎回思うのですが、期によって質問されることが全然違って面白いし、毎回質問されることにも、答えることが違って、私自身も楽しいです。

こんな質問にお答えしました。

【取材、ライティングに関する質問】
【仕事環境やスケジュールに関しての質問】 
【仕事の獲得、企画に関する質問】
【キャリアに関する質問】
【編集業や編集者さんに関しての質問】
【ギャランティ関係の質問】
【プライベート関係の質問】
【そのほか】

【取材、ライティングに関する質問】

●情報の整理とストックの仕方を教えてください
→体が弱いこともあって、いつ倒れてもその資料がどこにあるかわかるように、プロジェクトごとに資料をファイリングするようにしています。紙ものの資料はどんどん増えていくので、雑誌や書籍が発売になったあと、2週間たったら破棄するようにしています。
インタビューの音声やテープ起こしなどのデータ資料は、プロジェクトごとにEvernoteに残してあります。

●インプットする際の材料(書籍や、サイト、相談する人など)があれば教えてください。企画フェーズ、取材フェーズ、執筆フェーズ、それぞれのフェーズで教えてください。
→書籍や雑誌、ウェブなどで読んだものを元に企画を立てる事はほとんどありません。たいていは、どなたかからか聞いた話や、おしゃべりからヒントをもらって発想することがほとんどです。
ただ、この企画が面白そうと思ってからは、ネット上でそれについてどのような議論がされているか、類書がないかどうかなどをチェックすることはあります。

●書評書く時どのくらいの速さで読みますか速く読めるコツはありますか
→一般的なスピードだと思います。数時間はかかります。速読の技術はありません。

●ふところへの潜り込み方
→私、こう見えて意外と初対面の方に対しては礼儀正しく接するほうなので、いわゆる、ふところに潜り込む的なことができる人は羨ましいです。
ふところへ潜り込むのは苦手ですが、潜り込んでもらうのは比較的得意でして、なるべく裏表なく、自己開示するようにしています。

●具体的に日々できる文章力アップの方法がありますか
→的確に指摘をくださる編集さんと組んで、赤字をもらうのが一番早い気がします。赤字がなくて「さとゆみさんの原稿、良かったですよ!」と言ってくださる編集さんにも「あえて、注意すべき点があるとしたら?」と食い下がったら、ボロボロ指摘が出てきます(結構凹みます・笑)ので、聞いてみるといいと思います。
自分でできることとしては、なるべく類語辞典を使うようにしています。

●アイデアはどういう時に浮かぶのですか。工夫があれば教えてください。
→ほとんどの場合、人と会って話をしている時です。私の場合、書物や、映像から何かを発想するという事はあまり無いように思います。

●ビジネス書を書くときにどのように知識を蓄えていますか。知識量が強みと言われていたので気になりました。
→関連書籍の棚にいってざっと傾向をつかみ、売れ筋の本を3、4冊読みます。ビジネスに書に限って言うと、「週刊ダイヤモンド」や「東洋経済」、「プレジデント」などの雑誌(ウェブではなく)の特集はわかりやすいので、アマゾンでバックナンバーを買って読むこともあります。(例えば「いまさら聞けないAI特集」など)。

●紙とウェブの書き方の違いは
→紙(特に雑誌)は、文字数の制限(キャプションだと100文字程度がよくあります)がはっきりしているので、その制限の中での情報の取捨選択を意識します。また、雑誌の場合、例えば10枚の写真に対して、20文字×5行のキャプションが10本あるなら、最後の1文字まで書いて、ビジュアル的にも文字が綺麗に並ぶように整えることも意識します。(これを箱組〜はこぐみ〜と言います)
雑誌やムックの大型企画の場合、ライターが分担して数ページずつ書くこともあります。その場合は、自分のページだけではなく、前後の企画がどのような企画で、自分のページがどんな役割を求められているのかを把握して書くことも大事だと思います。
自分が編集者で、ライターさんに企画をお願いする時にも、前後の文脈をお伝えしてどのような役割を担ってほしいかをお伝えするように意識しています。
一方で、ウェブサイトの原稿は、1本で完結するものが多いので、それ1本で成立するように、特に構成を一番意識します。また、微力でも、拡散にご協力できるように告知します。

●取材をするときに、場を盛り上げるコツはありますか
●取材現場を盛り上げるとは……?
→前提として、場を盛り上げるというのは、面白おかしく笑いが起こるということでは無いと考えています。
取材相手の方が、今まで聞かれたことがないことを聞かれてワクワクしたり、新しいコンテンツが世の中に出そうだと思ってワクワクしたり……そのような環境になっていることを「取材現場が盛り上がる」と定義します。
それを実現するためには、「この企画や書籍に、どんな新しさがあるのか」「あなたの言葉を伝えることで誰の人生がどんなふうに変わるのか」といったことをお伝えして、「どうしてもあなたに話してもらいたい」という想いを伝えながらコミュニケーションするのが大事だと思います(ただし、この仕事は基本的に編集さんが主導するべきことだと思っているので、編集さんがちゃんとそれをしてくださっている場合は口出ししません)。

●相手に興味を持つコツはありますか
→質問をいっぱいすること。

●ゆるっとふわっとくるりんぱを平坦にかけると言う事でしたがどうやってその域に達したかもう少し詳しく教えてください。わからないことがその場で逐一聞いたり実践で見せてもらうことを重視しているんですか
→すごく良い質問だと思いました。感覚的な言葉で言われた時は、数値に置き換えられるか、もしくは、誰もがわかる例え話に置き換えられるかを意識して、質問します。
この手法は具体的に、東洋経済オンラインの「イラっとさせられる文章」に共通する3大NG。結局何が言いたいの?と言われる原因はこれ」に書きましたので、よければ読んでください。


●佐藤さんが思うよい文章とはどんな文章ですか
→よい文章の定義が難しいですが、誰かに態度変容を起こさせるような文章は、力がある、読まれる価値のある文章だと思います。最後にお話した「私がいた世界といなかった世界とのギャップ」ですね。
ライターの古賀史健さんはこれを「読後のホイッスル」と表現されています。
(古賀さんのnote)


●子どもや親、身内のネタってどこまで許される?
→あくまで、私個人のルールですが、本人に読まれても大丈夫なもの、以外は書きません。友人から聞いた話などは、本人に断りを入れてから書くか、本人にもわからないくらいデフォルメして書きます。(ノンフィクションの場合は、デフォルメしません)

●noteを使う時に注意することはありますか?
→いえ、とくには。強いて言えば、(noteだからじゃないですが)褒める時は具体的な名前をあげるけれど、批判する時は固有名詞は書かず、仕組みや体制、もしくは自分を批判するように気をつけています。


【仕事環境やスケジュールに関しての質問】

●書くときは在宅ワークですか?仕事場は確保していますか
→比較的いろんな場所で書きます。取材がない日は家で書くこともありますし、コワーキングスペースで書くこともあります。出張先のホテルで書くのも好きです。

●執筆にあたり、執筆しやすい環境作りとしてやっている事
→上記同様ですが、基本的に、どこでも書きます。ちなみにこれは今、地元の公園で書いています。
書籍のライターになってからは、雑誌時代よりも、人と会話する機会が極端に減ったので、月に何回かはライター仲間と一緒に書く日を作っています。

●書くときに使っているもの
→MacBookと、それに接続するモニタ。20インチ以上のサイズであれば、A4を2枚横に並べられるので、作業効率が上がると思います。
ものによっては音声入力も使います。ちなみに、この一連の質問への回答は、iPhoneのメモ帳に音声入力してからパソコン上で微調整しています。

●1ヵ月当たりどのくらい仕事をしますか
→どのように定数化すれば良いかちょっと迷ったのですが、1ヶ月にならすと、ウェブ連載が4〜5本、ウェブ記事が1〜3本、書籍が1冊、講演が2〜3本、取材を受ける方(テレビ、雑誌、ウェブ)が2〜3本くらいでしょうか。

●1日の稼働時間を教えてください
超バラバラです。平均すると、仕事してる時間(移動時間も含め)は、1日6時間くらいかなと思います。

●紙とウェブの仕事の比率は
現在は、仕事量(拘束時間)的には半々位でしょうか。


【仕事の獲得、企画に関する質問】
●企画段階で著者とのコンセンサスはどのぐらい必要ですか
→講義でも話しましたが、著者(候補)さんには書籍化や企画化を前提に打ち合わせをします。企画書を書いた時点でいちどチェックしてもらい、どの版元さんにアタックしようと考えているかを、著者さんに伝えます。

●企画書を作るときのアドバイス(コツなど)
→書籍の企画に関しては、編集さんからの受け売りですが、これを貼っておきます。
誰もが常識だと思っているけれどプロから見たら非常識なこと
誰もが非常識だと思っているけれどプロからみたら常識なこと
昔は常識だったけれど今は非常識になりつつあること
昔は非常識だったけれど今は常識になりつつあること
などに、企画のヒントがある気がします。

●アイディアや企画を思いついた時に忘れないようにするためにしていること
→いやー、結構忘れますよね(笑)。これ、ブログのネタにしようと思うようなことや、書籍タイトルにどうだろうと思った時などは、自分にメールを送ります。

●自分がインタビューしたい有名人がいる場合はどうすればそれが実現できるでしょうか
→私なら、その人をインタビューする必然性のある媒体で書けるようにするかなあ。

●取材をなかなか受けてもらえない時はどうしますか
→取材を受けていただけない場合は、相手にメリットがないということなので、相手のメリット設計を考えます。
ネックになっているのが、媒体の知名度なのか、ブランディングなのか、スケジュールなのか、ギャランティなのかなどを見極めることも大事だと思います。

●アイディア(企画)の出し方の工夫。企画内容を考える時、新しい視点があったほうがいいと思いますが、多くのターゲットがいて、かつ新しさを感じるものの発想の仕方が知りたいです。
→私も知りたいです(笑)。ただ、最近思うのは、完全に新しいものというのは多くなくて、大抵のイノベーションは既存の知の組み合わせでおこっているということです。ですので、私は一番大事なのは、いろんな人と会うこと、そこで違う業界と違う業界の発想を組み合わせること、などのセレンディピティではないかと思います。

●出版業界に何のつてもつながりもないのですが、どこにまず企画を持ち込むいいか教えてください。
●本の企画は飛び込みでできるんでしょうか。ある程度知人の紹介などが必要ですか。
→編集ライター養成講座に通っている時点で、すでにつてはあるのではないでしょうか。

●自分の企画や作品を仕込みに行く時はどのようにするのですか。アポの取り方。アポなしでいきなり行ってもいいのか。
●アポなしで行く場合は良い時間帯や曜日あるのか
→アポなしはありえないと思います。私は、名刺交換した方以外には、持ち込みしたことないです。

●これまでの企画や原稿に自分らしさ、オリジナリティーがあったら教えて下さい
→私が今までに作った企画の中で、一番オリジナリティがあったなと思うのは、「カットだけでかわいいヘアカタログ」(主婦の友社)シリーズです。こちらはヘアカタログというトレンドものなのにもかかわらず、爆発的に売れました。
これは「パーマをかける人は2割程度しかいないのに、世の中のヘアカタログは、巻き髪やパーマ設定ばかりで使えない」と思って、全スタイル、カットだけで変身するヘアカタログを提案しました。
詳しい説明はここでは省きますが、このヘアカタログが売れたことで、後続企画がたくさんでき、それまでヘアカタログといえば、かわいい女の子をヘアメイクする(アイロンでスタイリングする)だけが主流だったところを、ちゃんと切ってヘアスタイルを提案するという(本来当たり前ですが)流れを作れたと思います。
私が世の中に一番影響を与えた、と言える企画はこれじゃないかなと思います。

●友人つながりで仕事になるケースがあるとおっしゃっていたのですが友人の作り方のコツはありますか
→仕事のために友人になろうとは思わないです(笑)。仕事相手作るより、友人作る方が、ハードル高いですよね。
あ、ただ、いろんなグループで飲み会やイベントをするときなどは、なるべく幹事を引き受けるようにしています。幹事をすることによって、ただ参加するよりも、参加者への理解が深まります。

●友人と仕事をするときに注意することは何か。揉めないか。
→講座でも少しお話ししましたが、あのあとさらに考えました。友人との初めての仕事の時ほど、ギャランティー等の条件面ははっきりさせたほうが良いと思います。


●自分のホームページのアクセスをあげる工夫はどんなことをしていますか?
→Twitterのフォロワーは増えるといいなと思っていますが、ホームページに関しては、とくにアクセスをあげようとは思っていません。アクセスをあげる必要はあまりないので。(検索された時にちゃんとヒットして、仕事依頼のページにたどり着けば良いだけだと思うので)
と思って、今、検索したら、グーグルのトップページから落ちかけていたので、対策します。

【キャリアに関する質問】
●ライターとして初めて受けた仕事はどのようなものでしたか。内容、依頼、ギャラなど
→「Cawaii!」というギャル雑誌で、読者からのアンケートを見て、ランキングをつけたりまとめのコメントをつける企画だった気がします。たしか4ページくらい。ページ2万円。

●ライターや編集者との人脈の作り方
→講座でも話しましたが、人脈とは、こっちが相手を知っている状態ではなく、相手に知られている状態にしか機能しません。今すでにお付き合いがある人たちとの付き合いを大事にすることが、一番だと思います。

●講座の同期とのつながり方(仕事面で)
→編集ライター養成講座の同期は、一人しかつながってません。(当時も今も)。たまたまその方(ミネシンゴさん)と、業界が近かったので、その後も何度かお会いすることになって一緒に本を出すことになりました。

●卒業制作を出さなかった理由はありますか。
→すみません。通常業務に流されました。すみませんすみませんすみません。

●今までの仕事での最大の失敗があったら教えて下さい
→大阪での講演の開始1時間前に、六本木のペットショップにいたこと。新大阪の駅に迎えにきてくださった主催者から「今、どこにいらっしゃいますかー」と電話がきて青ざめました。(日程を1週間勘違いしていた)

●一番楽しかったもしくは一番きつかった仕事はなんですか
→楽しかったのは、自著の『道を継ぐ』を書いたときに、ゾーンみたいな感覚に入った時でしょうか。ずっと書いてきて、初めて「書くのってこんなに面白いことなのか」と感じました。
きつかった仕事も同様で、自著の『道を継ぐ』を書いたときに、取材した191人の中に、「この原稿は気に入らない、自分のコメントは落としてくれ」とおっしゃった方がいらしたときでしょうか。お2人いらっしゃったのですが、最終的には、承諾してくださいました。

●自分の個性、魅力を引き出す、見つけるために、自己研究はどのようにしましたか
→よくよく考えてみたら、ノートに書き出すなどの自己研究はとくにしていないような気がします。ただ、ライターになってすぐに、書くのが速い、と言われたので、それを強みにするためにはどうすれば良いかは、早い段階で考えた気がします。

●病気を患っているとの事ですが、それをどのように強みに変えましたか
→私の病気は、骨の病気なのですが、健康系の著者さんの仕事をするときに役立ちました。

●よっぴーさんやはあちゅうさんには及ばないとおっしゃっていましたが、その流れで引退をしなければならない時期が来る可能性はありますか
→まず、よっぴーさんやはあちゅうさんはライターではなく、作家だと思っています。ですので、違う職業だと思っていますという意味で、及ばないという表現をしました。そのうえでの回答になります。
いつか引退する日は来ると思いますが、それはよっぴーさんやはあちゅうさんとは(だけではなく、他のどの書き手の方とも)関係ないと思います。というのも、ライターの仕事は、日本で一番にならないと仕事が来ないといったような性格の職業ではないからです。隣の誰かがあなたの仕事をとっていくから、あなたに仕事がこないという事はありません。
年間4万冊の書籍が出ているとして、そのうち半分にライターが入っているとして、2万冊の需要があるわけです。年間10冊書く人ばかりでまわしたとしても(そんなに書いている人は少ないと思いますが)、少なくても2000人必要な計算になります。
これがウェブだとしたら、さらに数は多いのではないでしょうか。自分がよっぴーさんやはあちゅうさんでなくても、食べていけますし、よっぴーさんやはあちゅうさんがいくらよい仕事をされたとしても、それが私の仕事の増減には直結しません。

●就活はどこにしましたか。どうやって決めましたか。テレビ業界に入った理由はなんですか。
→就活は出版業界を中心に受けるつもりだったのですが、最初に説明会を聞きに行ったテレビマンユニオンという会社で是枝裕和監督に出会い(その年の採用責任者でした)、絶対に是枝さんと働きたいと思って(おもに脚本やノベライズの案件など)、就活路線をテレビに変更しました。
テレビマンユニオンの前期試験は落ちたので、後期試験に受かるように、ひたすらテレビ局とテレビ制作会社ばかり受けました。制作会社2社と、地元北海道のテレビ局2局、吉本興業(笑)、宝島社の内定をもらったところで、テレビマンユニオンの後期の試験を受けて内定もらいました。

●副業としてライターはできますか
→業務規定にひっからなければ、できるんじゃないでしょうか。もし副業規定が厳しくても、ギャラをもらわないという手もあります。
国税局勤務からライターになった上阪塾の同期の友人がいますが、副業禁止だったので、ノーギャラでウェブ記事を書かせてもらっていたようです。彼は、例えば私と同じテープ起こしを読んで書籍の構成案を考えるといった筋トレをされていまして、独立後すぐに仕事をもらっていました。

(彼の独立話はこちらにあります)


●会社に勤めておけばよかったと思うことありますか
→3年弱ですが、勤めました。2つの理由で勤めてよかったと思います。
ひとつは、多くの読者は会社勤めをしているので、その読者の方々の生活が、曲がりなりにも少しだけ想像できること。
2つ目は、会社での仕事がきつく、お風呂に入れるのは週に2日くらい。一度会社に行ったら1週間は帰れないといった生活が日常だったので、今のライターの仕事をまったく辛くないと思えること。

●ライターになって良かったと思う瞬間は
→一生懸命考えたのですが、あまり、「瞬間」という単位では思わないかもしれないです。この仕事をしていると、自分が話を聞きたいと思う人に、実際にお目にかかって話を聞くことできるのがいいなと思います。

●文章書く仕事をしたいと思ったきっかけはなんですか
→今回この質問が、一番考えました。
振り返ると、学生の頃から感想文を書いたり論文を書いたりするのが得意だった気がします。それを明確に仕事に結びつけようと思ったのは、やはり是枝さんと出会ってからのような気がします。(つまり就職活動中)
ものを読んだり映像を鑑賞したりする側ではなく、作る側になった方が面白いんじゃないかと、是枝さんの話を聞いていて思ったのです。
あとは、講座でも話しましたが、書く仕事は、「考えること自体がお金になる」職業のひとつではないかと思ったからです。

●無一文になったら何をするか
→書店でバイトしたいです。もしくはベンチャー企業の友人たちを日替わりで手伝いにいきたい。


【編集業や編集者さんに関しての質問】

●どんな編集に売り込みに行く?
→その人が作っているページや、書籍が、面白いと思う方。

●ライターから見て、どんな編集者が仕事しやすいですか?
→心理的安全性を担保してくださる方。

●良い編集者と出会う方法(コツ)
→良い編集者、悪い編集者というカテゴリーは無いような気がします。自分にとっての良い編集者(相性のいい編集者、自分を育ててくれる編集者)という意味でしたら、いま出会っている編集者さんとの関係を良くすることが早道ではないでしょうか。

●良い編集者はどんな人ですか?いくつか知りたいです
→上記に絡むのですが、私にとっての良い編集者さんは、コンテンツを良くするために、ナチュラルにディスカッションできる人。

●仕事一緒にしたくない編集ってどんな人
→コンテンツに対して情熱のない人。

●一緒に仕事したい人はどんな人
→一般論ではあまり回答を持っていません。具体的に言うと、文響社の谷綾子さん。サンマーク出版の小元慎吾さん。

●怖いライター、苦手なライターと付き合うコツ
→その人のことを好きになること。好きになるためには、その人のことを知ること。その人のことを知るためにはいっぱい質問すること

●編集者のエピソードを教えてください(面白いものや、変わっているもの)
→えー、それだけで一冊になっちゃいます(笑)。
でもやはり、若くしてお亡くなりになった編集者さんのことはよく覚えています。いつでもこれが最後の仕事かもしれない(自分にとっても)と思ってあたっています。


【ギャランティ関係の質問】
●執筆以外の収入の割合は?現状と今後
→現状は執筆以外の収入は3割ぐらいだと思います。この先もそのくらいで推移させていければと思っています。

●ウェブの原稿料はどのタイミングで上がりますか
→これは、値上がりを提示するタイミングと言う意味合いでしょうか。
一度お引き受けしたお仕事のギャラが途中で変わる事はあまり無かったように思います。新しい媒体の仕事をお引き受けする際の交渉の段階で、1本あたりの単価を決めることが多いような。
ただし、スタートしたばかりの媒体等は、仕事量が確定していないこともあるので、その場合は、暫定的に原稿料を決めて頂いて、何本かお手伝いした後に適正価格をご相談する時もあります。

●一番高かった仕事と一番安かった仕事は?
→物理的な時間対費用だけでいうのでしたら、
・一番高かった仕事→400字のコラム3本で20万円
・一番安かった仕事→取材に1年かかった書籍1冊で13万円
でも、凸凹はあったとしても、最終的な帳尻は合うような気がします。


【プライベート関係の質問】

●子育てと仕事の両立はどのように行っていますか
基本的に両立しようとはまったく考えていません。この辺の感覚は今までうまく説明できたことがなかったのですが、この方の文章を読んで、これこれ!私が考えてるのこれ!ってなりました。よければぜひ。
「仕事と家庭の両立なんて、無理に目指さないほうがいい」(石角 友愛)
(現代ビジネス)


●子どもがフリーランスを目指したらどうしますか
→特にどうもしないと思います。彼(息子です)の人生は彼の人生なので。
ただ、彼は現在小学1年生ですが、この世代の子どもたちが大人になるときには、多かれ少なかれ、企業に所属するという仕事の仕方より、プロジェクト単位でアサインするというような(つまりフリーランス的な)働き方が主流になるのではないでしょうか。

●子育てしながらライターをするの大変ですか
●子持ちでフリーランス。やりやすい部分、やりにくい部分をそれぞれ教えてください。
→会社員として子育てをしたことがないのでそれとの比較はできないのですが、子育てにおいて、フリーランスだから困ったことなどは特にありません。
逆に、フリーランスだと、学校行事等には参加しやすいです。
保育手当みたいなものが出る人はいいなぁなどと思ったりします。


【そのほか】

●普通の人が意外と知らない髪型やヘアケアのこと
→『女の運命は髪で変わる』という本に6万字分書きました(笑)。一番勘違いしてるのは髪の乾かし方かなあ。

●最近感動した本
→『自分の小さな「箱」から脱出する方法』
書評書きましたので、よろしければ。
「あいつにムカつく理由が、私のほうにあったなんて」(telling,)

●上阪さんのブックライター塾、著者ゼミ、さとなおラボのどれが一緒に残っていますか?オススメは?
→どれがなかったとしても、今のわたしは存在しないので、甲乙つけられません。
ブックライターになりたい人は上阪さんの塾に、自分の書籍を書きたい人は著者ゼミに、世の中の流れやコミュニケーション分野のことが知りたい人はさとなおラボが良いのではないでしょうか。
サンマーク出版の著者ゼミは、現在は開催しておりませんが、そのゼミのトップだった方(タカトモさんこと高橋朋宏さん・ブックオリティ)が著者ゼミをしております。ここ以外にもいろんな著者ゼミありますが、玉石混交。
さとなおラボは募集人数が少なく希望者が多いので、入るのは大変です。私は3回落ちて、4回目でやっと入れました。

●書く事はとてもエネルギーを使うと思いますが、どこから沸くのでしょうか
→エネルギーは基本的に取材相手からもらっていると感じます。物理的に、書く意欲がわかないときは、取材音声を聞きます。

●これにはお金をかけていると言うものはありますか
→ネイル。原稿を書くときに一番目に入るので。

●今後の目標は
→時間、場所にしばられない、自由な生き方をしたい。


(さいごに)

たくさんの質問をありがとうございました。

ライターの仕事の核は、書くことではなく、聞くこと、だと私は思っています。
何を書くかも大事ですが、何を問うかのほうが10倍くらい大事だと思っています。

このような質問をいただき、私自身もいろいろ振り返るきかっけになりました。感謝しています。
少しでも皆さんのお役に立てば嬉しいです。

私にとって、皆さんはライバルではありません。
それは、私が皆さんよりも先輩だからとか、優れているからとかではなく、書いて生きていこうと決めた人たちは多分、助け合うことはあれど、足を引っ張り合うことはないと思っているからです。

講義の冒頭でお話しましたが、私は、惜しみなく自分の気づきを後輩に伝えてくれる先輩がたに育てていただきました。なので、聞かれたことには、常にタブーなく、できるだけ真摯にお答えできればと思います。

一緒に、書いて、生きていきましょう。


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