見出し画像

全国水族館の旅㉖NIFREL

学術性とエンターテインメント性を最強レベルで両立した体感型のスーパー水族館。そんな夢のような施設が大阪にあります。
生き物の素晴らしさ、地球環境の尊さを楽しみながら来館者に学んでもらうためには、展示に様々な最先端技術を組み込むことが有効になります。NIFRELでの学びは、人生においてきっと重要なものとなることでしょう。


大阪を飛び出し、地球に触れる!

NIFRELは株式会社海遊館が設立した最先端の大型飼育展示施設であり、来館者が肌で生命を感じることのできる未来型のスーパー水族館です。大阪の学術施設は誠に超絶ハイレベルであり、日本有数の大都市の名は伊達ではないと思い知らされますね。
夢の水族館NIFRELへのアクセスには、大阪モノレールを使用します。大半の旅行者の方々は梅田スタートになると思われますので、まずはOsaka Metro御堂筋線(江坂駅以降は北大阪急行電鉄に連絡)で千里中央駅へ移動しましょう。そこから大阪モノレールに乗り換え、若者や家族連れで賑わう万博記念公園へと向かいます。

大阪モノレールの千里中央駅。吹田市は大都市・大阪の郊外にあたり、とても住みよい感じがします。
大阪モノレールかっこいい。優雅に空から大阪北部の街を眺めつつ、万博記念公園を目指しましょう。
NIFRELの最寄り駅は万博記念公園駅。大阪モノレール、眺めがよくて最高でした!

駅からNIFRELまでは、大型商業施設EXPOCITYエキスポシティの方角へ歩いていきます。
長いスロープの道を下っていくと、すぐに巨大な白亜の建物が目に飛び込んできます。当該施設こそ、究極の次世代型水族館NIFREL。かっこよさと可愛さを併せ持つ建築デザインが秀逸ですね。

雄々しくそびえ立つのは、有名な「太陽の塔」。かつて、この地で歴史的な大阪万博が開催されたのです。
万博記念公園の大型商業施設EXPOCITY。巨大なショッピングモールやレジャー施設、そして大きな映画館も入っています。
EXPOCITY隣に佇む大型飼育展示施設。次世代のスーパー水族館NIFRELです!

これほど大きくて美しい展示施設を目の当たりにしたら、誰もが胸をときめかせることでしょう。さっそく、NIFRELに飛び込んで未来の水族館を覗いてきます。

NIFRELの入口へと続く道。楽しい出会いと冒険が始まりそうな予感がしますね。

無限の地球環境へつながる未来の水族館

体と心で生命を感じる究極の学習体験

入館した直後から、来館者は別世界へと旅立ちます。内装も照明もファンタジー感があふれており、いかにも未来の水族館といった様相です。
そして、NIFRELのキャッチコピーは「生きているミュージアム」。展示空間のあらゆるポイントで、来館者は施設の鼓動を感じることができます。

まるで近未来の美術館にいるみたい! 幻想的な世界での生命との出会いが始まります。
NIFREL最初の展示空間。淡く優しい照明が不思議なムードを演出してくれています。
上の写真との違いにご注目。時間の経過によって、展示空間の照明が変化します。「生きているミュージアム」のキャッチコピーにふさわしい独特な工夫です。

最初の展示空間には円柱型の水槽が広く配されており、来館者はあらゆる角度から生き物たちの姿を楽しめます。照明の幻想的な雰囲気も相まって、落ち着いた心地で観覧することができます。
展示生物の紹介パネルは水槽の中に設置されていて、容易に生体の種類を認識可能です。オシャレな石のインテリアなど、水槽内の装飾にも注目です。

生体と紹介パネルを水槽の中で同時に展示。川柳調の紹介文は趣がありますね。
たくさんのカクレクマノミ。オスの群れの中で、強い個体がメスへと性転換します。
ルリスズメダイとデバスズメダイ。美しい舞に癒されます。
シロボシアカモエビ。見事なほど鮮烈なレッドカラーです。

次なる展示エリアにも、水槽と生き物がいっぱい。ユニークな子や可愛い子が豪華に集結しています。見通しのいい水槽で多様な水棲生物たちを多方向から観察できるチャンスですので、全種類・全個体をたっぷりじっくり見てみましょう。

次なる展示エリアにも水槽がたくさん。こちらも全方位から生き物たちを観察することができます。
サンゴトラザメ。体の模様と顔つきがクールでかっこいい!
グリーンブリトルスター。クネクネ動きの速さはヒトデ界ナンバーワンですね。
ヨツメウオ。空中と水中を同時に目視し、天敵をいち早く発見します。
ヨダレカケ。上方向からも水槽の中の生き物を観察できます。

海遊館の流れを汲むNIFRELは、数々の素晴らしい展示テクニックを有しています。透明な筒で穴居性の生き物たちの全身像を見せたり、映像によって展示生物の生態をわかりやすく解説のしたりと、来館者の理解を助ける工夫が満載です。
さすが海遊館の直系子孫。生体展示のノウハウに関しては随一ですね!

穴の中に棲むニホンウナギ。NIFRELの展示では透明な筒が用いられていて、全身をくまなく観察できます。
穴の中で共生するピンクバーゴビーとニシキテッポウエビ。彼らの共同生活もまた、透明の筒によってわかりやすく見れるのです。
食事中のガンガゼ。ウニがどのようにして摂食しているのか、しかと観察いたしました。
高画質映像によるゴンズイの生態解説。展示生物の実像を深く理解するための資料として機能しています。

本エリアで大人気の目玉展示はテッポウウオです。彼らは口から水鉄砲を解き放ち、頭上の獲物を撃墜して、水の中へと落とします。
そんなテッポウウオの展示水槽の情報には餌の入った「的」があり、その的めがけて強力な水鉄砲を発射してくれます。本物の水鉄砲以上の勢いに、来館者は驚愕必至。また、こちらまで水鉄砲が飛んでくることがあるので、テッポウウオに水をかけられるという嬉しい体験ができます(笑)

テッポウウオことスポッテッドアーチャーフィッシュ。岸辺の浅い海に棲み、得意の水鉄砲で木々の上の昆虫などを撃ち落とします。
水槽の上方には、おいしい餌の入った「的」があります。さて、テッポウウオたちはどうやってゲットするのでしょうか。
「的」めがけて水鉄砲を発射! テッポウウオの必殺技で、命中率はとても高いです。ただ、たまに外れて、来館者に水鉄砲が直撃することもあります(笑)。

テッポウウオにたっぷり水を浴びせられてさっぱりしたら、次のエリアへと進みましょう。
続いては、優しく妖しい闇の世界。ほのかな光が差し込む暗い展示空間の中で、ミステリアスな生き物たちと出会うのです。

優しい光と妖しい闇に満ちた展示空間。ほのかに輝く水槽が星のように見えます。
展示空間の壁面はミラーとなっています。たくさんの水槽が二重に見えてくるので、不思議の国のアリスの世界に入ったような心地になれます。
魚たちの影が水槽の外に映し出されています。妖しくダークな世界を感じさせる演出です。
トランスルーセントグラスキャットフィッシュ。半透明のボディは、淡い照明との相性抜群です。
闇の中を漂うクラゲたち。生物名と川柳(?)は照明で投影されています。

自然と生命、時間と空間が織り成すNIFRELの不思議な世界。次なる展示ホールでは、ファンタジーの物語の中に入ったかのような巨大な球体と対面します。
生命感あふれるNIFRELの大型アート「NEW WONDER MOMENTS」です。直径5 mの球体と、直径8 mの床面スクリーンに、パワフルかつ幻想的な自然界の美が映し出されます。

地球の生命は千変万化。大自然の美をアートで表現しようというNIFRELの取り組みには本当に感激します。人間のイマジネーションと最先端技術によって、自然環境を尊く想う心が表現されていると感じました。

水族館と全ての生命の根源にあるのは「水」。球面と床面には、水をイメージした繊細な映像が流れます。
だんだん、球体が地球に見えてきました。私たちの生まれた星への愛しさを思い出させてくれるような気がします。
2階から見ても圧巻の美麗さ! 巨大な細胞のごとく、生きているように感じられます。未来の水族館の雰囲気にマッチしたアートですね。

大自然と科学の融合技術によって、人々を魅了するNIFRELの空間表現。最高潮に興奮したまま2階エリアの展示へと進みます。
ここでは擬態ーーすなわちカモフラージュが得意な生き物たちと出会えます。自然界の景色に見事に溶け込む彼らの芸は、まさにアートの域に達しています。野生の魔術師たちの擬態に存分に驚かされてください。

2階エリアの観覧開始。こちらには、擬態の得意な生き物たちが展示されています。
葉っぱの裏側にカエル発見。フライシュマンアマガエルモドキというお腹の透けているカエルです。
岩そっくりなオニダルマオコゼ。完璧すぎるカモフラージュです。
クロウミウマ。タツノオトシゴの仲間は海草などに尾を巻きつけ、静かに一体化します。
特徴的な頭が可愛いエボシカメレオン。擬態の達人と言えば、やはりカメレオンですね!

ワクワク全開! 地球の仲間たちと間近で対面!!

擬態生物ゾーンを抜けると、大型動物エリアに入ります。本館のスーパースター、力強く優美なるホワイトタイガーの登場です。大人も子供も、迫力と魅力に満ちたタイガーの一挙手一投足から目が離せません!

続いては大型動物たちとご対面。大きな飼育スペースが複数設けられています。
静かに佇む勇壮なホワイトタイガー。かっこよすぎ!
本個体はベンガルトラの白変種。「ホワイトタイガー」という呼び方はあくまで俗称であり、学術的な効力はありません。

ホワイトタイガーに勝るとも劣らぬ気高きハンター、それはイリエワニです。水辺の最強の捕食者と言われるだけあって、かっこよさとパワフルさは桁違いです。その王者の貫禄には、男の子の女の子も一目惚れすることでしょう。

生態系の頂点に立つ最強捕食者イリエワニ。大型動物を捕食するパワーを有しており、人間を襲った記録もあります
ワニは肺呼吸する爬虫類ですので、たまに立ち上がって息継ぎをします。動きの1つ1つが美しいですね。
イリエワニの顎の力は動物界で最強を誇ります。噛みついた獲物は決して逃がさず、水中へと引きずり込みます。

さて、ホワイトタイガーやイリエワニなど強健なハンターたちのスーパーラッシュが続いたので、ここからは可愛いアイドルたちに癒されましょう。
本館の癒し系と言えば、コビトカバ(ミニカバ)の親子です。我々の知る一般的なカバよりもずっと小さく、第一印象が「可愛い」とよく言われる動物です。昨年に生まれた幼体・ネムネムの成長に注目です。

コビトカバの親子。成体でも体重200 kgほどで、我々のよく知るカバの10分の1程度の重さです。
幼体のネムネム。水族館のアイドルにコビトカバを抜擢したのは、斬新で素晴らしいと思います。
可愛いネムネム。NIFRELのコビトカバファミリーにはずっと元気でいてほしいですね。

本館オープンの朝10時から観覧を始めたのなら、このへんでちょうどランチの頃合いだと思います。
イリエワニの水槽にはピクニックカフェ「EAT EAT EAT」があり、NIFRELにちなんだメニューがたくさん! 水族館観覧の記念に、オリジナルフードを食べて、楽しいランチタイムを過ごしましょう。

ピクニックカフェ「EAT EAT EAT」。NIFRELの生き物たちにちなんだメニューを味わえます。
筆者がオーダーしたのはワニカレー。イリエワニを見た後だったのでノリノリで食べました。とってもおいしかったです!

後ろ髪を引かれる思いで大物スターたちのエリアを抜けると、いきなり壁から巨大ワニの模型が出現(笑)。大阪を代表する古生物、全長8 mに達するマチカネワニです。
世界屈指の未来水族館であると共に、大阪魂を忘れない気高さに感激します。

次のエリアに移った瞬間、壁を突き破って巨大なワニの模型が出現。約45万年前の大阪に生息していた古代ガビアル類、マチカネワニです。
この広大な展示エリアでは、多くの鳥類や哺乳類が放し飼いにされています。タッチはできませんが、至近距離での観察を楽しめます。

本エリアでは、愛らしくユニークな小動物たちが放し飼いにされています。檻もアクリルケースもないオープンな空間にて、ワオキツネザルやパルマワラビーなど普段目にすることのない動物界のスーパーアイドルと対面できるのです。
エリア内には飼育員のスタッフさんが常在されていますので、動物たちが人間に危害を加える心配はありません。安心して、彼らの麗しい姿と行動をじっくり観察しましょう。小さなアスレチックの中で、美しく躍動する生き物の姿に魅了されてしまいます。

放し飼いにされた動物たちと、至近距離で対面。元気な子たちが目の前までやってきますが、ソーシャルディスタンスを保って観察しましょう。
器用に餌をつかんで食べるワオキツネザル。キツネザル類は、マダガスカルに生息する特殊な霊長類です。
パルマワラビー。思わず抱きしめたくなりますが、ハグはNGなので、近くでそっと見つめてあげてください。
頭上の構造物には、オニオオハシなどの鳥類がいます。めったにありませんが、鳥の糞が頭に落ちてくる可能性もゼロではありません。放し飼いの醍醐味と思って許容しましょう。
アナホリフクロウ。なんという可愛さ!

放し飼いすることが難しい生き物たちは、大きく開放的なスペースに展示されています。のんびりしているように見えますが、どの子たちも人間の想像を超える能力とタフネスの持ち主です。
愛らしい姿の中に潜む彼らの力強さを感じてください。きっと、絶大な癒しと活力をもらえることでしょう。

お昼寝中のコツメカワウソ。肉食動物の無防備な姿は最高に可愛いですね!
アメリカビーバー。動物界の建築士であり、巣だけでなくダムも造ってしまいます。
ケープペンギン。実はパワフルなダイバーであり、水深130 mにまで潜ることができると言われています。

動物たちとの幸せな時間を楽しんだ後は、映像展示が待っています。
壁と床のスクリーンに映し出されるのは、壮美な自然環境と地球にあふれる無限の生命たち。違う世界に生きているようであっても、我々は強くつながっているという事実を強く認識させられます。人類を含めて全ての生き物は、地球に生きる仲間たちであると改めて実感いたしました。

最初に投影されるのは大阪の大都市。スクリーンの前はリラクゼーション空間となっており、お子様が寝そべって見ることも可能です。
大阪の街を飛び出し、地球の大自然へ! 大迫力の超ハイビジョン映像です。
とてもたくさんの生き物が登場し、生命の力強い営みを感じることができます。あまりの美しさに息を呑みます。
ドキュメンタリー映画クラスの美を誇るNIFRELの映像展示。地球と生命の素晴らしさを改めて感じ取れました。

NIFREL、すごすぎる!
観覧後は感動で胸いっぱいになり、来館者は「最高以上の最高」を噛みしめるのです。それほどに超超超ハイクオリティな未来の水族館、ぜひ多くの人に見ていただきたいと思います。地球を大切に想う心も育んでくれる施設ですので、筆者は本館を強く推します!!

NIFREL 総合レビュー

所在地:大阪府吹田市千里万博公園2-1

強み:次世代型の水族館のモデルとも言うべき学術性とエンターテインメントの超ハイレベルな結実、デジタルとアナログの融合技術の応用による未来的な水族展示、生き物たちをゼロ距離で感じられる臨場感たっぷりの展示工夫

アクセス面:メインの公共交通機関は大阪モノレールです。Osaka Metro・北大阪急行電鉄・阪急電鉄・京阪電気鉄道などの駅から乗り換えできますので、大阪市内からは1時間以内で到着できると思います。なお、広大な駐車場があるため、車でのアクセスも大いにありです。関西人の方々はぜひ車で来館し、NIFRELとEXPOCITYを心ゆくまで楽しんでください。

全ての面において、未来を先取りした体感型スーパー水族館です。魅力的な生体を観覧できふうえに、全感覚と全身で生命を感じ取ることができます。さらに、最先端アートと融合した生き物たちの展示を楽しめるので、学術性とエンターテインメント性はどちらも究極レベルと言えます。これほど超絶ハイクオリティな展示施設ですので、大人も子供も最上の感動を味わえることは確実です。
もちろん、全体を通して魅力的な生き物たちがいっぱい! PR面においては、ホワイトタイガーやイリエワニ、コビトカバの親子といったスーパースターたちの存在はかなり強いです。大型動物を眺めながらランチタイムを楽しめるという、とっても贅沢な体験ができるのは喜びの極みですね。
改めて申し上げると、本館を表現する言葉にふさわしいのは「未来」です。エキサイティングなワクワク感と優しいリラックス感に満ちた空間、地球と生命を感じさせる壮大な展示内容、活き活きと輝く多種多様な生き物たち。まさしく、万博記念公園に立つにふさわしい次世代型スーパー水族館です。

大阪モノレールの万博記念公園駅も、個人的に好きな癒しスポットです。駅構内に図書スペースがあるので、ゆったり過ごせます。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?