高宮聡

小説家です。インターネットという”路上”に立つ、ストリート作家。|Twitter→https://twitter.com/satalonade |ネット書店のようなもの→https://note.mu/kabasbooks |ご依頼→sat.takamiya@gmail.com
固定されたノート

小説『煙が漂う街の中で』PV第二弾

イラスト:上の森 シハ
BGM:「ネオンライト」kabosnikki(TEMPLIME)

ラブホ男の黙祷⑪

ジョージはついに地面に座り込んでしまった――。
「なんでこんな時に恰好がつかない星のめぐりなんだろう。カナダに移住してからというもの、大体は自然と戦っている。人間なんかより自然の方がよっぽど怖い」
 一見至極当たり前とも思えることを口にし息を整えている。小川が見える場所で棒立ちになっているだけなのだが、なぜが震えが止まらない。さっき川の上流から白いふわふわとした物体が次々と流れてくるのを見てからだ

もっとみる
毎度あり それから一年 マイマイを 見ることはなく 雨の夕
16

ラブホ男の黙祷⑩

前日に引き続き六井が頭を悩ませていた。バンガローの集客についてだ。しかし、傍から見ていたマックスの目にはこう映っている。

 ――――いっそのことラブホテルにしてしまえばいいのに。

 テレパシーでも習得したのか、崎岡も心の中でこうつぶやく。

 ――――ラブホテルだったら人気だろうなぁ、この古典的木造住宅。いやいや。いまでも北欧では主流だろうから、森の中でのびのび暮らしたい人にはもってこいだろう

もっとみる
毎度あり それから一年 マイマイを 見ることはなく 雨の夕
23

ラブホ男の黙祷⑨

バンガローの番人、六井はどうやら悩み事があるらしい――。崎岡がマックスから聞いたのはそれだけで、詳しい話は管理室の中で聞くからと言い残し近所のコンビニに行ってしまった。野良猫はちゃっかり住み着いている。エサ代をどこから捻出するかが問題だと独り言を続ける傍ら、彼は山陵方面から風で飛んできた麦わら帽子に目を奪われた。
「あんなものが飛ぶんだから……。飛行機が飛ぶのも今じゃ普通だけど」
 「にゃあと鳴け

もっとみる

ラブホ男の黙祷⑧

居心地の悪さを感じ通気口から抜け出した。崎岡が何度も通ったためアルミの円筒内部は綺麗に磨かれていた。「なんでもやってみるものだな」と何のことだか、マックスがボトルの栓を抜いた。
 この二人は今、悠々自適にワインを飲んでいる。それも何年物か解らない数十万の代物だ。この状況にも関わらず秘密結社は裏で動いているらしい。筒抜けな内部機密。秘密でも何でもない。酔いが回って来たのか、呂律の回らないマックスは愚

もっとみる

『煙が漂う街の中で』を書籍化しようとしていますが、同時に短編アニメーションも製作したい。Help me!!

僕の今現在の画力↓