彼らの足跡。

動物と会話が出来ると街で有名だったロイだが理解不能だと追放され、その後は静かに暮らしている。

いくら覗き込んでも見えないじゃないか——。そう呟いたロイの横で交通事故で体がばらばらになったタヌキが転がっている。なぜか血が出ておらず黒い毛皮が乱れ、石畳の上に横たわっていた。

「昨日まではこの子が言っていたことが分かったのに、なんでなんだ」

言葉を話さない動物と気持ちが通じ合うのが当たり前だったロイは急に寂しくなった。説明がつかない不思議な力を持っていたのを誇りに思っていたためなおさら虚しくなっていた。

死んでいるのだから当然だ。そう気付いた時、彼はゆったりとソファに座り満足気に笑った。

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これは投げ銭用の箱です。刺身食べたい。

ありがたき そのスキを焼き 食べる俺
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高宮聡

短編小説集

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