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Punk of meー私の音楽遍歴 23

私を構成する42枚<2>

3.The Only Ones Even Serpents Shine
「あなたの好きなバンド5つ教えて」と言われたら間違いなくオンリーワンズは入れる。10代の頃から大好きなのでこれまた一生、ベスト5の座にいるだろう。
このアルバムは2ndだけど、多分オンリーワンズで一番人気のあるアルバムだよね。名盤と名高いし。
オンリーワンズといえば超名曲の'Another Girl Another Planet'が一番先に挙がるだろうし、私もオンリーワンズで一番好きな曲だ。しかしこの曲は1stに収録されている。ではなぜ2ndを選んだのか?死ぬほど好きな曲が2曲入ってるという単純な理由。オンリーワンズは全部のアルバム大好きなので選ぶのは難しいんだけど。
オンリーワンズの魅力はやはりピーター・ペレットの独特なヴォーカルと暗さと繊細さと浮遊感?なんかドラッグでもやってるような('Another Girl~は立派なドラッグソングなんだが)。演奏力もめちゃくちゃ高いよねぇ。
パンクのコンピによく入ってるけど、ジャンル的にはなんだろね?ギターのジョンは「あえて言うならニューウェイヴだね」ってDOLLのインタビューで言ってたけど。
バンド名が微妙にダサいのもツボ。バンド名だけ聞いたら一体どんな音楽やってるのかって分からんよねぇ。ジャケ見てもどんな音楽か聴くまで分からなくない?なんか暗くて危険な薫り、妖艶な感じがするってことはビシビシと感じるけど。
いつかオンリーワンズをネットで色々調べてたら某掲示板に
「ピーターは狼と猿と豚を従えてるおとぎ話の王子様のようなルックス」って書いてあって、飲んでたワインを吹いた覚えがある 笑。確かにピーターは王子様っぽいもんね(猿と豚がどのメンバーを指してるかは……笑)。ピーターは危険な男、Homme fatalな存在なのは間違いないな。
★このアルバムで特に好きな曲★
Flaming Torch
You've got to pay

あ、オンリーワンズも例のダイクマで何気なく買ったパンクのコンピレーション盤で知ったんだよね!
ていうか、あのコンピ盤こそ「私を構成するアルバム」の1枚ってことに今更ながら気づいた(笑)。あのアルバムは私の半分くらいを構成していると言っても過言じゃない。
ちなみにそのコンピ盤とはこれね。Vol.2もあるよ!権利関係のせいだろうか、なんとクラッシュが入ってない!

これ、選曲がめちゃいいのでパンク/ニューウェイヴ入門にはうってつけ。
知ってる曲ばっかじゃん!って人でも好きな曲しかかからない有線って感じで
BGM的に流すのにもってこいだよ!簡単に手に入るので是非。


4.LAMF Johnny Thunders&The Heartbreakers
説明するのが野暮すぎる超名盤、ロック史上最高峰の作品なわけだが…。
これを初めて知ったのは例のコンピ、ではなく私の初恋の人、会ったこともない文通相手が送ってくれた「パンク入門」と銘打ったミックステープに'Born to Lose'が入っていてね。めちゃカッコいい曲!けど切ないなぁって思ったの。これはただものじゃない!と即行、LAMFを近所の長崎屋(スーパーマーケット)に入ってた小さいレコード屋に行って探して買ったんだ(あの店、なんて名前か忘れたけど結構売れ筋以外のものも置いてあった。スターリンの「スターリニズム」のCDもあそこで買ったなぁ)。
もうね、捨て曲が1つもないどころか全部カッコいいっておかしくね?って思って毎日毎日何度も繰り返し聴いたよ。
私はどうも、中性的で危うくて憂いのある色気あって茶目っ気もあるミュージシャンに弱いらしい。さっき書いたオンリーワンズのピーターもそうだし、ジョニー・サンダースも然り。
これを初めて聴いたのは14歳。91年。この人のことをもっと知りたいと思ってるうちにジョニーは逝ってしまった……。
★このアルバムで特に好きな曲★
Get off the Phone
Born to Lose
Do You Love Me


5.Leave Home Ramones
ラモーンズも大好きすぎるし、どのアルバムもいいのだが、一枚選べと言われたら迷わずこの2ndアルバムだと答える。まず、アルバムタイトルからして泣ける。家出。ニューヨークから西へ西へ、陽光眩しいカリフォルニアにって感じがね、たまらんわ。私が大好きな漫画家、吉田秋生の『カルフォルニア物語』を彷彿とさせるのよ。吉田秋生の代表作といえば少女漫画史、いや、漫画史上に燦然と輝く『BANANA FISH』だが、私は『カルフォルニア物語』がダントツで好きなんだよね。バナナフィッシュも大好きなんだけども、私は吉田作品の神髄は天才や美少年や巨悪は出てこないけど、市井の人々が苦悩しつつも逞しく生きてるような作品だと思っている。『バナナフィッシュ』や『夜叉』より、『カルフォルニア物語』や『河よりも長くゆるやかに』なんだわ。
あ、ちょっと脱線した?いや、そんなことはない。このラモーンズの2ndは西海岸的なカラッとした雰囲気があるけどそこがとてつもなく切ないんだよね。

私は大昔、西海岸(ロサンゼルス)に一度だけ訪れたことがある。本当はアメリカに行くなら2度目のニューヨークに行きたかったんだけど、友達がロスに行きたいって言うんでまぁ、それもいいかなってさ。最初で最後(?)のロス訪問は
「私はやっぱりニューヨークが断然好きだなぁ」という印象で終わったのだが、カリフォルニアのあの日差しや風土に恋焦がれるニューヨーク育ちの人の気持ちが少しは分かったような…

ま、そんな御託は抜きにしてもこのアルバムは泣けるんだよ。夏のカラッとした、日差しも風も強い日、恋人の車のカーステレオから流れててほしい。
「待った?」
「いや、待つのも悪くない」
なんてさ!
そうして海に向けてドライブして……
はい、妄想はこのくらいにしておきます。
★このアルバムで特に好きな曲★
I remember you(ラモーンズの曲の中で一二を争うほど好き)
California Sun