私は音楽メイン？なXのアカウントをやっているんだけれども、色んな人が色々音楽に対しての意見を述べている。

私は70年代のオリジナルパンクと80年代初頭までのポストパンクを偏愛しているんだけども（その他のジャンルも聴くけど、パンクやポストパンクほどのめり込んでいないのは事実。まぁ、アーティスト単位ではなく曲単位で死ぬほど好きな曲はあるけどね）。

で、ちょっと気になるのが
「色んなジャンルを等しく好きじゃないのは音楽好きとは言えない」って発言。
それに準拠するなら私は音楽好きじゃないってわけだ。まぁ、個人の意見だしどーでもいいっちゃいいんだけど。

けどさ、不思議（？）なことに、たとえば私は若い頃海外旅行をしてたわけだけども、ほぼ欧州ばかり。けど同じく旅行好きの人に
「それは海外旅行好きではなく、欧州好きってことだよ」なんて言われたことはない。
海外旅行にも色々目的があるだろう。日本では手に入らない品物や日本より安く買えるものがあるってんでショッピングだけが目当てで海外行く人ってのもいたわけだけども、その人たちが「観光やらグルメなんて二の次、ひたすら買い物だけしたい、もし日本でも買えるならわざわざ海外なんて行かないっての！」ってならそれは海外旅行好きというのではなくショッピング好きって呼んでもいいと思うのだけど。

私は下手くそだけど編み物をする。けど、これまた
「編み物だけやるんじゃ、手芸好きとは言わない」って言われたことは一度もない。

まぁ、旅行や手芸は音楽と違って思想が絡んでないってのはあるかも知れないな。
じゃぁ、これはどうだ！？私は絵画鑑賞が好きだ。絵画ってのは主義主張が強めの芸術じゃん。時代やきわめて個人的な感情が作品に反映されている。私が特に好きなのは世紀末芸術や後期印象派、そして表現主義。けどゴシックにもバロックにもフォーヴィズム…etcにも好きな画家、作品は沢山ある。つまり「色んなジャンルの絵画を愛好してる」ってわけだ。けどね、
「○○派を偏愛してるとか、特定の画家が好きなのは絵画好きとは言えない」って発言を聞いたことないんだよ。どうしてだろう？
「画集だけ見てるんじゃだめだ、本物を美術館で観なよ」って発言も聞いたことがない。まぁ、機会があれば本物を観てみてね～とは思うんだけど。
私は一応、専門は西洋美術だ。美学の学位も持ってる。音楽よりずっと絵画の方が詳しいと思う、多分。

音楽やその他芸術に優劣なんてない。それは私もそう思う。けど、好き嫌いってのはやっぱりあるんだよね。この世の芸術作品すべてを等しく愛でるなんて出来ない。優劣より個人的な好き嫌いが優先されるのはそんなにいけないことだろうか？芸術は好きに鑑賞すればよろしいってのが私の意見。音楽に関して言えば、ライブに行かずただ家でレコードを聴くのもありだし、好きなアーティストの音源をバージョン違いで集めるのも良しだし、バンドのメンバーや背景など知らんけどとにかくこのバンドが好きなんだ！ってのもありだし、フィジカルでは持ってないけど、サブスクで楽しんでるってのもあり。自分はこだわりあってもいいけど人に押し付けたり、こうするのが正しいって意見するのは違うよね。

「本当の音楽好きとは言えない」らしい私は今日も好きなパンク、ポストパンクを聴いてるよ。