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偉い人の前でエビ中の話をする

エビ中にハマっている。

あぁ、ハマっているともさ。
最近はモッパン動画を見ながら夕飯を食べるこの頃。

かわいい女の子が美味しそうなご飯を食べてるのを見ながら、炒めたウインナーと目玉焼きと白飯を食べる。これが32歳独身のリアルだ!若者がこんな生活してるのに国は何をしている!にほんにひんこんがないだぁぁぁ!?こっち見ろ!目見て言ってみ!?さあ!ザ・ノンフィクションよ!取材に来い!一緒に日本をひっくり返そうぜ!

ということを思うはずもなく、毎日健全なオタクとして過ごしている。

皆様は、『地獄』を覗いたことがあるだろうか。
どこぞやの健康ランドのごとく多種多様の地獄を鬼が管理しているあの地獄である。

私はある。覗いたというか叩き込まれたというのが正しいだろう。

それは先日のこと。
私は毎日のように業務に当たっていた。私の職種は接客にあたる。
毎日来店されるお客様の対応をしつつ、会社の定める無茶目な数字を追いかける毎日だ。

そんな折り、本社にて研修が行われた。
研修の内容は要約すると『お客さんと楽しく話そう』というものだ。仲良くなった方がお互い楽しく仕事できるしね!その考え方には常々同意である。
そして、それを普段とは違うチームでやるということで第一回目に招かれた。
ここが地獄の受付だ。

第一回目ということで注目度が高い。
更にこの研修はある程度の実力あるものが招かれるレベル高めの研修なので少人数である。
会場に着くと、数人の研修受講者に紛れ弊社の偉い人達がちらほら見えた。えぇ〜聞いてないよ?
と思いながら席につき耳を傾ける。

正直、一般鬼の説法(研修員の解説)はめちゃくちゃ身になった。自分の苦手にしてる部分が緩和できたし、終わってからというもの実践で役に立っている。前よりゲラゲラしながら仕事をすることが増えているのは事実だ。

言うなればこれは蜜。今から行く苦行の餞別として送られる、少なく固くまずい食料。知らず知らずのうちに私は口いっぱいに詰め込む。弊社の親分鬼たち(偉い人達)が見守る中、うめぇ...うめぇ...と詰め込んで我を忘れる。

研修のキモとなる部分はこうだ。

お客さんの要望を聴きながら、そこにあった話を熱量を持ち話してお客さんを話題に巻き込もう。

私は買い物をする時、テンション高くよってくる店員が嫌いだ。服屋とか特に。そして、大変失礼ながら『自分の方がこの件に関しては知識があるのでは?』と思った時点で買いたく無くなる。

ほんとにね。
自分が接客する側だったらマジで嫌な客なんだけど、自分より知識ない人から買いたくないというのが私の本音だ。
だからどの質問が来てもあらかたメーカーの理念とか得意分野とか、お客様がやりたいことに必要な物まで含めて知識で戦ってきたのが私だ。

だからこそ、『熱量持って楽しく』は違ったアプローチの話で面白かった。
確かに話を引っ張り出しながら一緒に楽しんで案内してくれた方が、財布が緩む気持ちも分かる。
優しいインド人のカレー屋さんではトッピング多くしちゃうし、そういうことなのだろう。

『ということで、皆さんが持つ知識をまっさらにするために、好きなものの話を熱量高く話してもらいます!はい!ゆみずさん!』

突如の指名に驚く。

『好きなものなんですか?普段何してますか?』

冒頭に戻ろう。
エビ中にハマっている。それはもう初めて聞いた時からブレることなくハマっている。
しかし、ここでエビ中の名前を出すのはあまりにもリスキーすぎないか?
会場にはお偉いさんたち+受講生たち。
無難にいけ、無難に!

『サウナと写真が趣味で、旅行で写真撮りながらその土地のサウナに行くのが好きです。』

乗り切ったぞ。

『その携帯の裏に挟まってるステッカーの彼女は誰ですか?』

あぁぁぁぁぁぁ
ぬかった!!!

私の携帯の裏にはファミえんで貰ったステッカーと、大学芸会のドリンク特典のえまちステッカーが挟まっている。

こいつがやりました

『ええっと....エビ中の....』

『知らないグループだ』

『私立恵比寿中学というアイドルグループでして』

『好きなの?』

『はい』

『ライブとか行くの?』

『はい』

『握手会も?』

『はい』

『写真撮るために同じCD買ったり?』

『はい』

『1番熱もって話せそうだね?』

『........ンンンンンン.....はい』

『それ、やってみようか』

おまたせしました。
本日の『大観衆!オタク大解剖地獄!』の会場はこちらです。

【第1R】ファイッ

先手鬼側  
なんで好きになったの?

後手オタク
THE FIRST TAKEってご存知ですか?

先手鬼側  
知らないな

後手オタク  
そもそも皆さんの頃のドンピシャのアイドルって誰ですか?

先手鬼側
モー娘!ゴマキ!

後手オタク
(ハロプロの引き出しは俺にない...)

先手鬼側
メンバー可愛い?推しはなんて子?

後手オタク
可愛いです。小林歌穂さんです。
このステッカーの子です。

先手鬼側
なんで推してるの?

後手オタク
歌声が素敵で...

そこまで!

第1Rが終了してみて完全に押されたと感じる。
いや、そもそもオタクが一般人に推しの話する時の壁の厚さよ!無理よ!相手はお偉いさんよ!

総評
熱量感じられませんね
一旦1人で好きに喋ってみる?

1人喋りは複数で会話するより苦手だ。
スペースとか1人で喋ってる人マジですごいと思う。

しかし、私には圧倒的1人喋りアドバンテージがある。
そう、このnoteだ。
エビ中にハマってからことある事にnoteに記し、書く度に自分の向けるエビ中の気持ちを文字として起こし、それをまた噛み砕き、飲み込んでライブを見てきた。
オタクの歴は浅い。1人喋りは苦手だ。
ただ、エビ中という題材の元自由に喋ることにおいて、私は2年前からウォームアップを始めている。
うぉー!かかってこいよ!鬼共!

【第2R】ファイッ

えー、では。
皆様は『自分の中で良い音楽とは?』と考えたことがありますか?
楽しい曲、寄り添ってくれる曲様々あるかと思います。
私はその問いに『ワクワクするけど染みる曲』という結論を出しています。そういう曲が多いのがエビ中です。

そのきっかけになったのが、先程お話させて頂いたTHE FIRST TAKEです。
メンバーの一人安本彩花さんが悪性腫瘍での長期休養からの復帰を務めた動画になります。
しかし、私はそんな前情報を当時は知りません。
それでも、最初に見たジャンプという曲が私の中にひびき、曲展開にワクワクし、それでいて脳みそに染み込み、油断したら泣きそうになりました。たった1度、5分の中でこんなに感情をかきたてられたのは初めてです。

皆様にもうひとつ問います。
『良いボーカリストとは?』これも様々な意見があるかと思います。好きなジャンルによっても答えは変わるでしょう。
私も好きなボーカリストの中に『芯の通った力強い声』の方もいますが、私は『柔らかく長く聞ける声』という答えを出しています。

昨今、AKBを皮切りに様々なアイドルが出てきました。そのアイドルの波の中、お茶の間の市民権を得たのがももクロです。当時ももクロはガムシャラ感がプッシュされ、それに続くように『頑張る』ということに価値が着いたのがアイドルです。そこに音楽性と、Kawaiiという言葉を生み出した日本アイドル独特のビジュアルが絡み合い今のアイドル業界が成り立ちます。

その中で、時代を取ったのがBiSHです。
楽器を持たないパンクバンドと称され、昨年華々しく東京ドームで解散ライブを行いました。
地下に目を向けると反骨精神を表すように、力強いロックを軸にした楽曲主体のグループや、ハキハキとKawaiiを全面に打ち出すグループが盛り上がっている傾向にあります。
そんな、若さが声から溢れるパワーで突き進むグループがひしめくなか、どのボーカリストとも違い、私が耳を奪われたのが先に名前を出させていただいた小林歌穂さんです。

小林歌穂さんの声からは、先にあげたような力強さや若さなどはあまり感じませんでした。
輪郭がふわっとして、優しさで溶けてしまいそうな中に芯が通っている、本来なら共存しない要素を彼女は共存させているのです。
そして他楽曲ではまた表現を変え、メンバーを支える場面もあれば、自ら突きぬける鋭さもあります。
私は中学の頃から音楽を聴き、ジャンル問わず音楽に触れてきましたが初めて聞くタイプの歌でした。
なので、皆さんが想像するどのボーカリストにも似ていない、『小林歌穂』という新たなボーカルスタイルだと言えます。

しかし、彼女の本当の魅力は歌声ではないと私は考えます。
ライブで見るとステージから彼女が消えることがあります。
消えて曲の主人公がステージにいるのです。

表現力。
これこそ、私が現場に足繁く通う要素のひとつです。
皆さんは、指先を見て泣いたことはありますか?
私も彼女を知るまでありませんでした。

彼女の手は心にグッとくるものがあります。
これは何度言葉にしようとしても『泣ける』としか言いようがありません。

『君らしくいけ』と歌う時
彼女の手は優しく差し出され、誰かの心を救うかのように、包むかのように客席に伸ばされます。

『苦しくて切ない』
と歌うとき、彼女の手は祈るように空を切りギュッと固く握ら、前かがみになるほど胸に抱き抱えます。
それは、誰かを勇気づけるためではなく溢れ出る悲しみを自らの中に留めるための手です。

ライブとは、ライトが当たり動きと表情全てを使い表現する場所。
その中で大きな要素である表情が、影になる前かがみの姿勢は一般的なライブでは、褒められた格好ではありません。
しかし、彼女はそれを自然とやりその姿が頭に焼き付き未だに離れません。

ライブ中の私は小林歌穂さんを見ながら、小林歌穂さんではない誰かを重ね泣いているのです。
それは、学生時代の友達だったり、初めて付き合った彼女だったり、あるいは私自身だったり。

これを『演技力』という言葉に閉じこめるのは少々無理があり、体現力。
さらに言うと、私はライブ中の彼女は『曲に憑依されている』と思っています。
どれだけ曲と向き合えばこんなことになるんだろう。どれだけ、真剣に曲と対話しているんだろう。私はその裏側の時間を想像してしまいます。
それほど、曲に向き合っている彼女に背筋が凍る思いを抱きつつ目が離せません。

それが私の推しの小林歌穂さんです。
続きまして、もう1枚入っている桜井えまさんについてですが


一旦ストップで
エビ中って何人ですか?

オタク
10人です


10人今の量で話すつもりですか?

オタク
もう少し詳細に話すことも可能ですが?


分かりました。
一旦ここで総評貰いましょう

えらい鬼①
熱量はあるがコアすぎてよく分からない

えらい鬼②
熱量はある。

えらい鬼③
美味しいラーメン屋を聞いたら、すごい熱量で材料の産地と農家さんの話を聞かされた。


はい、熱量は凄かったです。
熱量は


オタク
(お前らがやらっていったんやんけー!!!!)

『大観衆!オタク解剖地獄』

~完~

ということで、大恥かいて帰ってきました。
皆様も推しの話する時は気をつけましょうね!

ちなみに、この後ライトな感じでサウナの話をしたら『汗だくのおっさんがギュッと詰められて、その後おっさんが水に漬かりに行くの見てるからサウナ嫌い』という一撃必殺を喰らいました。

どっちの話題でも地獄だったじゃねえか!

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