梅の湯

上京銭湯日記。~第二回 田端 梅の湯~

JR田端駅から徒歩15分ほどのとこにある銭湯「梅の湯」。
訪問時は田端に住んでいたため一度は行きたいなと思っていた場所。
最近リニューアルされてすごく綺麗の整えられた内装は少しばかり寂しさを感じる。

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ここの1番の魅力は、と言ってしまうといいとこが一つしかないように聞こえてしまうが追加サウナ料金がかからないのは外せない。サウナ室は暗めで無料ともあって使う人は多いイメージ。サウナ室の温度は下がってしまうけれど各々が皆マナーを守っている印象で、なんか愛があるなって感じる。
水風呂ももちろんあって少しぬるめだがその分長く入れてしまう。地下天然水を使っているので本当に気持ちいい。

そして高濃度水素風呂が最高なのだ。10人は優に入れる浴槽は子供からお年寄りまで気持ちよさそうに浸かっている。なんで銭湯に入ってる時の顔ってみんな幸せそうなんだろうね。各々のプライベートのこと話したり、たわいもない話ししてたり、どこからか恋バナ聞こえてきたり。いいねこの感じ。居酒屋でも話している内容は変わらないかもしれないけれど、銭湯で話しているということだけでなんだか可愛く見える。
僕は山がたくさんある地方組なので温泉には小さい頃から結構行っていた。厳しい父親の下で育ったけど今考えると父親はお風呂に一緒に入ってる時は少しだけ優しかった気がする。

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駅からのアクセスが少し悪いこともあってか集まるのは家族や老夫婦と言った地元の人ばかり。雰囲気は第1回にも連載した宮下湯と似ている。お風呂後にくつろげるスペースは大きめで子供を連れている夫婦はここでゆったりしつつ子供たちはきゃっきゃしている。この感じも好きだ。

銭湯が好きなのは色々あるけれどその中の1つとして自分以外の生活を覗けるところだ。いやらしい意味ではなくね。みんな各々が頑張って、各々が楽しんで、各々が素敵な日を生きている。銭湯は素敵な毎日を生きている人の心が裸になる場所。
これだから銭湯はやめられないのだ。