上京銭湯日記___1_

上京銭湯日記。 ~第八回 豪徳寺 鶴の湯~

今回は、私が住んでいる世田谷区。家の近くにある民家と隣り合わせにある素敵な銭湯のお話です。

豪徳寺駅から徒歩4分ほどのところにあるこの銭湯は、昔ながらの雰囲気は残りつつも地元の若い人も来るような空間です。

癖が強そうな番頭のおばちゃんが切り盛りしている銭湯ってなんかすごく好きで。この雰囲気のまま残ってきて、これが地域の顔になって文化になっているんだろうなぁと思うわけです。
こんなエモい感情になりながら、文字を紡いでいます。
いいのが書けそうです。

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内装は水色のタイルが壁に所狭しと並んでいて、富士山の絵は僕らを包み込んでくれるほど大きく尊い。うん、最高。
照明も白くてキンキンしている感じ。

このさ、昭和の銭湯!って雰囲気が本当に好きで。昔から通いつめていたとかではないんだけど、ここにも流れがあって、この形が残ってるんだろうなぁとか考えるといい気分になるんですよ。
ああ、鶴の湯また行きたい。

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続いては浴槽のご紹介。湯船は水風呂、白湯、露天風呂の3つ。
うん、この必要最低限しかないかもしれないけど抑えている感じ。
すごくいい。
来ている人も地元の老夫婦や子供連れの家族はもちろんですが、若い子たちも友達同士で来ていたり一人で来ていたりとみんながいい距離感で楽しんでいます。
この黄金比に名前をつけたい。

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水風呂も白湯も特別良いとかそう言うのはないのだけれど、なんかすごく暖かくて心までリラックスできるこの瞬間最高です。
銭湯って何でこんなに心豊かになるんでしょうか。

基本僕は仕事で疲れたり、少し気分が落ちている時に行くことが多いのですが、銭湯で時間を過ごすだけで嫌なことを忘れ、考えていることも整理できてしまう銭湯が神すぎるんです。

銭湯は僕の中では大切な心の拠り所で、大切にしたい場所なんです。
少しだけ心が苦しいなぁって人はサクッと入ってみてください。

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少し狭いのですが、露天風呂もございます。
ぬる湯なので長くゆっくり入れるのがポイント。

僕が行った日は少し雨が降っていたのですが、屋根が少しかかっており、雨を防ぎつつ空を眺めながらゆっくり入れるのがいいところ。

ここの露天風呂はすごく風情があって、このまま時が過ぎて夢を見ながら眠りにつきたいと思ってしまほどの心地よさ。
天国とは言い過ぎかもしれませんが、久々に実家に帰って落ち着きながら眠りにつく。そんな気分になれますね。

なお、僕の実家は厳しいので布団の中だけが天国でした。以後お見知り置きを。

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家から近い銭湯いいですよね。
なんかすぐに遊びに行ける幼馴染の家のような感じがしてすごく心地いい場所の気がしています。
僕はよく一人呑みをするのですが、銭湯に行く時と同様で自分のことを全く知らない人と話すことができるのがいいところかなと思っています。

僕はよく人と話すことがすごく好きなのですが、自分のことを知らない人と話すと社会からのプレッシャーから解放された気がして心が空っぽの状態で話せるんです。

お話しした人とは一緒にご飯に行くでもなく、各々帰りまた銭湯で再会する。街中で会っても気づかないけれど、銭湯なら気づいてお話しすることができる。
服装や年齢、体系や髪型。何にも気にしないで全てをさらけ出した状態で対話する人間たちは嘘なんかなく、生まれたての人間みたいに無垢で純粋なんだなぁと勝手に思っちゃってます。

銭湯で過ごす時間に後悔はないと個人的に思っています。


本日も、上京銭湯日記に来ていただきありがとうございます。

最近はそばにはまっている筆者ですが、これからは日本酒と嗜んでいきたいななんて思っております。
悪しからず。