上京銭湯日記__1_

上京銭湯日記。~第五回 高円寺 小杉湯 ~

このエッセイなのか、ポエムなのかよくわからない書物も今回で5回目となりました。
正直な話こんなに続くと思っていなかったこのエッセイですが、こんな感じでゆるゆると続けていければなと思っています。

第10回にこの銭湯を出そうとしていたのですが、我慢できなくなってしまい今この文を綴っている次第です。

今回紹介させていただくこの小杉湯は、高円寺にある僕の知ってる中で1番のコストパフォーマンスを誇っている銭湯です。
アメニティも他に見ないくらいには整っていて、本当に優秀な銭湯だと思っています。優秀とかマウント取ってる言い方になっているのうざいですね。なんかすみません。

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高円寺駅から徒歩5分ほどのところにひっそりと佇んでいるこの銭湯は、昭和8年創業ということで歴史があり風情がある外見になっています。平成15年にリニューアルをして内装はきれいめで、くつろげるスペースもあってお風呂上がりも永遠とリラックスできちゃうんです。
実はこの銭湯の番頭でもある塩谷さんという方のファンで訪れたのがきっかけなのですが、いたるところに塩谷さんの可愛いイラストがあるんです。
銭湯のルールや、交互浴(暖かい湯と水風呂を順に入ること)の仕方、お湯の効能などイラスト付きで書いているためわかりやすいですし、見られるような工夫がいたるところに施されているんです。
僕の知っているなかで日本で1番有名な銭湯なのですが、行けばその理由がわかります。本当に銭湯愛が詰まった場所です。
心も体も暖かくなる銭湯ランキング1位ですね。

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お湯の種類は、白湯、薬湯、ミルク風呂、水風呂があります。
薬湯は毎日種類が違く、しかも1ヶ月でほとんど同じ種類がないんです!
これ驚き。
ビール風呂だったりコーヒー風呂あったり普段入れないような種類のものばかりで且つバラエティ性もあるなんて。たまらんですわ。

白湯もジェットバス付きで、お腹周りの脂肪が気になり始めた僕にとって嬉しい限りの機能。
重点的に腹部にジェットを当て少しでも、ほんの少しだけでも脂肪が飛んで行ってくれないかなと思っているわけです。(黙ってダイエットしろ)

そんな白湯で体が温まったら、今度は水風呂です。16度がキープされている(利用客が多い場合は別)この水風呂は本当に気持ちい。
お湯全部が自然回帰水を利用しているため、心なしか肌にしっかりとまとまり付いてくれて、体全体をスッと冷やしてくれる感じがするんです。スッと。わかるかな。スッと、ね?(わかってほしい)

お次は小杉湯の中で、いやお風呂で1番好きかもしれないミルク風呂へ浸かりにいきます。このミルク風呂はお肌がすべすべになるのもいいところなのですが、それ以上にお湯が本当にいい匂いするんです、甘い匂いがするんです。匂い嗅いだだけで「美味しい」ってなっちゃうくらいには美味しい。(飲んではない。)例えるなら、生クリームを温めた感じの匂い。ですかね。
わかりづらくてすみません。しかもここぬる湯なので長く入っていられるんです。
もうね、いい匂いを長時間嗅ぎすぎると心地いいを通り越してバキバキに昇天しちゃうんですよ。
もうね、たまんないわけ?わかる??みんなにわかってほしいよ???わかったなら早急に小杉湯へ向かってくれ。今すぐ!!!!

すみません。

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こちら小杉湯には銭湯には珍しい漫画が置いてある休憩場所が存在します。椅子もたくさんあってお風呂上がりの人はみんなそこでくつろいでいます。この時間がなんともいいんですよ。置いてる漫画もとても秀逸で、名作中の名作のキングダムなんて全巻あるんだから!
そんな銭湯聞いたことある?僕はここだけ!こんなのずるいよ!いきたくなるに決まってんじゃん!バカ!!!

個人的に「ゴールデンカムイ」のハマってしまい小杉湯に行く理由がお風呂に入り行くのか、漫画読みに行ってるのかよくわからなくなっている自分がいることを否定しません。
前半でも出しましたが、ここの番頭である塩谷さんが執筆された書籍「銭湯図解」は小杉湯でも読むことができますので、まだ読んだことない方読んでみてください。銭湯がもっと好きになります。まじで。

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こんな感じで突っ走って小杉湯の魅力を伝えてきたわけなのですが、絶対外せない魅力の一つに「番頭さんの人柄」が確実に入ります。
銭湯の番頭さんと仲良くなって常連気分を味わってみたい方は少なからずいるのではないでしょうか。何気ない会話かもしれませんが、お風呂に入る前、風呂上がりの漫画を読み終えお風呂を出るときの会話だけで、「またきたいな」って思っちゃうんです。
人の力ってどこまで行っても偉大ですし、みんな人が大好きなんだなってここに来ると思うわけです。みなさんがどう思うのかは別として、僕の心を鷲掴みにして絶対に離さない小杉湯からもう抜け出せません。抜け出そうとも思ってないしね。

まぁ、何がともあれ1度訪れてみてください。銭湯の概念変わりますから。

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この度も上京銭湯日記をお訪れていただきましてありがとうございます。
今回で第5回目となりましたが、好きになった銭湯をこれからも自分の言葉で綴っていければと。そう思いながらお昼ご飯のそうめんをすすっています。

それではまた。