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アメリカ人に英語で道を聞かれた時の対応【完全マニュアル】

日本を旅行中のアメリカ人に道を聞かれたことはないだろうか?日本人の英会話力はお世辞にも高いとは言えない。スマートに教えることができず、ささやかな無力感を味わった経験の一つや二つ、誰にでもあるだろう。私もこれまで何度もアメリカ人に道を聞かれてきたのだが、その際、気になることがあった。どうも鼻につく態度のアメリカ人が少なくないのだ。

道を聞いてくるアメリカ人には3種類の人がいる。

1.「チョット、イイデスカ?」(日本語で聞いてくる人)

これはウェルカムである。言葉の異なる人間に対して道を聞くのだから、相手の母語で話しかける。礼儀正しい姿勢だと思う。他国の者に対するリスペクトも汲み取れる。だいたいの場合、日本語が不得手で、このあとは英語で道を聞いてくることになるのだが、こちらも懇切丁寧に道案内したい気持ちになる。

2.「エクスキューズ・ミー?」(英語での道聞きを申し訳なく思いながら聞いてくる人)

これは振る舞いを見れば一目瞭然で分かる。日本語を全く知らないことは何も悪いことではない。1の人と同じく、時間の許す限り対応したい。国同士の相互理解というのは、こういった草の根の交流から始まるのだから。

3.”Excuse me? I wanna go ............” (まるで「ここはアメリカだよね」というような態度で英語だけをまくし立ててくる人)

今日メイントピックに取り上げたいのは、この人たちだ。彼らの中では、なぜか、私たち日本人が全員英語ペラペラ前提にされている。英語で返答してくれることを当たり前だと思っているのだ。態度も高圧的なことが多く、人にものを聞く姿勢がまるでなっていない。

外国人が日本に来てやっぱり英語通してたら腹立つもんね(有吉弘行)
いやそうそう。頑張ってさ、スミマセーンって言ってる人見ると、ね、「何が欲しいの?」ってこっちが逆に思うじゃん(マツコ・デラックス)

(『マツコ&有吉 かりそめ天国』2018年3月8日(木)午前0時30分放送 ABCテレビより)

頑なに英語を貫き通す彼らは、いったい何様のつもりなのだろう。顔をよく見てみると、なるほど、「英語は世界共通語ですけど!?」と書いてある。こんな人を相手にして、英語が喋れない劣等感を覚える必要はない。いつ、英語が上で、日本語が下になったというのだ。英語コンプレックスなんて全くもって馬鹿げている。

そこで今回は、3の人たちに道を聞かれた際の対応マニュアルを作成した。このマニュアルに従えば、今後、英語コンプレックスを感じることなく、何なら上から目線でやり返すことができる。何も難しくないので、ぜひ覚えて帰っていただきたい。

【「英語くらい知っとけよ」的な上から目線のアメリカ人取り扱いマニュアル】

傲慢なアメリカ人が道を尋ねてきます。

”Excuse me? I wanna go ............”

後半はリスニング不能ですが、まずは一発、カウンターパンチをお見舞いしてやりましょう。

「Do you speak German?(ドイツ語は話せるの?)」

思いもよらぬ角度からの質問に彼らは面食らいます。アメリカ人は基本的に外国語を一つも話せません。「2ヶ国語を話せる人はバイリンガル。3ヶ国語を話せる人はトリリンガル。1つしか話せない人はアメリカ人」という有名なジョークもあるくらいです。彼らは「いや、ドイツ語は分からないんだ」と、おずおず答えるでしょう。そこで、わざとらしく残念がって見せるのです。オーバーリアクション気味に手を叩きながら。「ああ、なんだ。ドイツ語は分からないのか…」というような感じです。この時点で、彼らの上から目線な態度は大いに緩和されます。そこにもう一発浴びせましょう。

「Do you speak Chinese?(なら、中国語は話せるの?)」

26個のシンプルなアルファベットしか知らない彼らが、複雑な漢字大国の言葉を使えるはずがありません。これも「いや、分からない」と首を横に振るでしょう。ここまで来ると、彼らのプライドはかなり傷ついています。一つの言葉しか知らない自分に対して、目の前の日本人は三つも言葉を操れるという事実がジワリと効いてきます。実は、アメリカ人の外国語コンプレックスは、日本人の英語コンプレックス以上にひどいものがあります。彼らの英語に対する自信は、ひとつの外国語も話せない不安の裏返しなのです。さあ、このタイミングで道を教えてあげましょう。普段通り、たどたどしい英語で大丈夫です。言外に「いやー、ドイツ語か中国語だったら簡単に教えられたのになー。英語しか知らないのかよ。困るなあ」という心の声が滲み出ているように聞こえますから。もちろん本当は日本語しか話せませんが。

さて、その日の夜、アメリカ人は日本人にやり込められた出来事を冷静に振り返ります。プライドの傷ついた彼らは、自己正当化の気持ちから、心の中でこう言い訳することになります。「ドイツ語はまだしも、中国語なんてアジアの言葉じゃないか。普通に考えたら俺たちアメリカ人が喋れるはずないだろ」。そして、この時、決して馬鹿ではない彼らは気付くのです。今日見た、偉そうな日本人の態度。それがそっくりそのまま自分の姿だったことに。

決して馬鹿ではない彼らは、もう二度と偉そうな態度で道を聞くことはありません。彼らの丁寧な道聞きに対して、日本人も快く道を教えられるでしょう。このマニュアルが日米友好の架け橋となれば幸いです。

今日の悪魔の授業はここまで。

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