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2013年 夏の学会・研究会のまとめ②〔廃刊メルマガ記事より〕(2013年11月6日)

 前回より、夏の学会・研究会のまとめをしています。第2回は、〈国語教育学会全国大会〉の第二弾です。

 大会二日目は、場所を品川区立小中一貫校品川学園に移し、午前中は「校種別分科会」、午後は「テーマ別分科会」に分かれて、発表者の先生方の実践報告を拝聴しました。

 午前中は、「中学校・高等学校分科会」の「読むこと(現代文)」に参加しました。

 神戸大学附属中等教育学校の平松先生のご発表は、多くの生徒にとって(あるいは教員にとっても)、身近で最大の関心事の一つである学校の再編を軸に据えて、高校一年生の一年間の学習を現古漢全てにおいて「自分たちの学校を考える」という一貫したテーマを持たせたというものでした。

 平松先生が東京をご旅行した際に感銘を受けたディズニーランドと学校の共通点を見出し、ディズニーランドを模したプレゼンテーションを中学一年生に向けて行ったという取り組みについては、指定討論者の先生をして“実に楽しそうだ”“私も受けてみたい”と言わせたものでした。このような創造的な授業では評価がいつも気になるところなのですが、プレゼンテーションの評価では、クラスメイト、中学一年生、教員のそれがほぼ一致したというのは、大変参考になりました。

 お二人目の発表者は、埼玉県立八潮南高校の三沼先生でした。就職希望者の多い学校という現状を踏まえ、『山月記』を用いて、漢字等の基礎学力の習得と、「李徴の生き方を通して様々なこと」を考えさせるという明確な目標を持った精力的な実践でした。

 漢字学習については夏休みの宿題とし、それを二学期になって合格するまで小テストを実施する取り組み、そして、本文の展開に沿った詳細な内容理解プリントを作成して、生徒の達成感と理解を深める取り組みは、大変参考になりました。

 お二人の実践は、まさに「地域・学校・学習者の実態に即した実践」、かつ、「教科書からの離陸・指導書からの離陸」という指定討論者の先生の評価の通りのものであり、大いに刺激を受けました。

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