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麦とパピコ①

麦がお星様になった。
4月27日の事。

※今回は麦へのラブレターnoteとなります。
長くなりますが、興味のある方、読んで頂けたら嬉しいです。

ある日、お腹がちょっと膨れてる?と思った。
抱っこした時「あれ?いつもより体温が低い気がする…」って感じて、次の日に獣医さんへ。

私は、いつだって選択を失敗する。

獣医さんはやれる事は全てやってくれた。 ただ、私の選択が間違っていただけ。
診察中、すごく嫌がっていたけど、一度も獣医さんやスタッフさんの指を噛んだりしなかった。
でもそれは、多分ストレスで噛む力も無くなったんだと思う。
診断結果は腹水が溜まっていたと言うこと。
注射を打ったのだけど、その際出血した。
もともと出血し易い個体だと獣医さんは言った。
確かに、麦の頭部から首は、ピンクと言うより紫っぽかった。
そこも私の選択ミス。
最初に告れば良かった。
獣医さんから帰ってきた麦は、明らかに弱ってしまっていた。
私が外に連れ出さなかったら…
腹水はあったけど、もう少し長生きしてた。
ご飯も食べなくなった麦に、好きな物や、力のつきそうなものを用意した。

2回目の獣医さんはその日から1週間後。
力もなく、体温も低く、毛がポサポサになっている麦に、「ごめんね…」と声をかけるのが精一杯だった。
獣医さんは、腹水は元気になってから治療再開しましょう。今は力のつくものを食べさせて、水分と糖分をって事で、お薬貰って。
診察前にそっと麦の様子を見ようと、麦のそばの床材をどかした瞬間「ガブッ」と噛まれた。
きっと麦の精一杯の反抗だったんだな。
「もうお医者さんへは来たくない!」って。

2回目の獣医さんから帰った麦は、更に力を失い…巣穴から自力で出てくることも苦しそうだった。
出来るだけ部屋を暗くして、暖かくして、カサカサと音がした時にお薬とおろしリンゴやおろしニンジンをシリンジで食べさせる。お豆腐も。
とにかく起きた時に水分やご飯を口にして欲しくて、ゲージの扉を開けたまま。
ベッドに寝ていたけど、布団を床に敷き、ゲージを枕元(少し離して)に置いて寝る。
でも不安で眠れない夜が続いた。
抱っこされるのがあまり好きではなかった麦。
ストレスになると思い、手に乗せたりも極力避けた。ゲージの外から、「麦…ごめんね。嫌な思いさせてごめんね。」と話しかける。
今思えば、もっと抱っこしておけば…
2度目の獣医さんの日から数日経ったある夜、ふと麦を抱っこし、「麦、大好き。大好きだよ。」と話しかける。
その夜、もうひとつの選択ミス。
うっかり寝てしまった。
枕元からカサカサと音がして、見ると麦が頑張っておトイレに行った音だった。
「偉いね、麦。大好きだよ。」と声をかけたのは覚えている。
ふと気付くと朝になっていた。
しまった…寝てしまった…

ハッとして、ゲージの中を見る。
床材の中で丸くなっている麦に「おはよう麦。」と声をかける。
反応がない。
床材を少し動かしてみても…反応は無い。

手に乗せる。
麦の身体から温かさが消えていた。
麦の身体から柔らかさが消えていた。

もしかして…まだ間に合うかもと思い、身体を温めてみる。

でも失われた温かさと柔らかさは戻って来なかった。
約2年。
もっと長生きさせてあげられた。
あの時私が病院へ連れていかなかったら。
そもそも、もっと早く連れて行っていたら…。
あの時私がもっと温めてあげていたら。
あの時私が眠らなければ。
ありとあらゆる「あの時私が…」という後悔。

生き物と一緒に暮らして、家族になって、失った人は絶対に通る道。
全てのことに後悔して、もっと何か出来たはず、と思う。
今まで、沢山の出会いと別れを繰り返した。
でも、後悔しなかった別れはひとつもない。

もっとあの時。
もっと私が。
もっと、もっと。

麦は幸せだっただろうか。
麦は私の所に来て、楽しかっただろうか。

noteに書き綴るのが今日になってしまったのは、心のどこかに、未だに後悔が残っているから。

先に言ってしまうと、麦を失って、私は麦と同じキンクマちゃんをお迎えした。

それは、麦が居なくなって寂しかったのもある。

空になったゲージ。
誰かの為に暖めたり涼しくしない部屋。
夜も煌々と明かりがついてる部屋。
ふとした時に浮かぶのは…最期の麦のポソポソした毛並み。
力無くご飯を食べる姿。
最後に噛まれた指の痛み。
もっと強く噛んで、傷が残ればよかったのに。

思い出しては涙があふれる。

辛かったのもある。

でも、もっと違う理由なんだ。

家に来たばかりなのに、何年も居たみたいにスグに私に慣れてくれた麦。


ハウスを買っても、次の日には破壊していた麦。


部屋んぽ中、カーテンや、シーツ、洋服を齧って穴だらけにした麦。


クルクルに閉じ込められた麦。


ご飯食べる時、まん丸になる麦。

寝起きの顔、寝てる姿が尋常じゃない程可愛い麦。

ガジガジ棒は食べ物。
自分でご飯入れに入れていた麦。

具合が悪くなったあとも、動くのがしんどくても、おトイレだけはきちんと決まったところにしていた麦。
私が仕事から帰ってゲージを覗くと、キュッキュと鳴いていた麦。
いつも眉間に寝癖がついてた麦。


もっともっと。
愛おしい所が沢山。
だから私はnoteに認めたかった。
麦と過ごした日。

その愛おしい日々が楽しかったから、新しい子をお迎えした。

お空で思ってるかもしれない。
「アイツめっちゃ薄情じゃん!」て。

私は麦が、大好きだから、新しい子をお迎えした。
可愛い可愛い麦。

鍵が開いてる事に気付いた顔

忘れたくてじゃない。
忘れないように、忘れたくないから。

後悔ではなく、麦は幸せだったと思いたいから。
だって私がこんなにも幸せだったんだもん。

お空の麦にはきっと、今頃綺麗なお花が降り注いでると思う。
本当に、本当に大好きな麦。

これからも大好きだし、愛おしい存在の麦。
今まで、本当にありがとう。

麦がお家に来た初日の写真






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