この前久し振りに寄席を観たのよ。

何の変哲もない、ネタを見るだけの。
トークもなければ、終わったあとに全員集合もないやつ。

これがめちゃ熱だった。

関東に住んでる割には、東京、埼玉から微妙に距離のある場所に住んでいる私にとって配信は神様。
東京も埼玉も、仕事終わりにちょっと足を伸ばしてなんて出来ない距離だから、配信ありがとう、配信Forever❤なんだけど…やはり配信があると哀しいなってなるのは…出囃子ね。

出囃子って本当に大切。

その日もお目当てはちゃんと居たわけなんだけど…
その人達の出囃子を聴くのが初めてだったこともあり、劇場までの車内では大興奮の私。
友達が聞いてようが聞いてまいが、延々と話し続ける私。

「今日ってさ、ラクーンで○○観るの初だよね！○○を前回観た時は前説だったよね？今日って配信なしよね？って事はさ…出囃子聴けるよね？ね？」

出囃子って何であんなにココロオドルんだろね。

当初の到着予定時刻を過ぎても一向に進まない日曜日の渋滞。
そういう時に限って進む度に引っ掛かる信号の憎さ。

「ねぇ、多分○○トップバッターだよね？ね？出囃子間に合うんかな？ねぇ間に合わなかったらどうしよう…💦車降りたら走ろうね！ね！走れば間に合うよね？ね？」

とか言う会話をしていたが、走ったのは最初の10秒位（笑）
ぜぇーぜぇーしながら席に着く。
間に合った。

予想通りトップバッターで出てきたその人達の出囃子が聴こえてきた時は、隣の友達を肘でつつきまくり、こっそりひっそり大興奮。(変態っぽい)
もう漫才を観る前からふわふわ状態。

うん。今日も決まってる！
うん。今日も外ハネで可愛い！

よし、集中。

って思うのに…私の悪い癖。

御年配の方達の反応を気にしてしまう…

一回目の公演での席はどセンターでめちゃ良席❤

斜め前におばあ様達が座っていた。

漫才を観つつ、おばあ様達の反応も見つつ…
目がキョロキョロしてしまってちょっと酔いそうになりながら。

私はきっと、このおばあ様達のようなおばあさんになるんだと思う。
日曜日の昼間に、お友達と待ち合わせて、今をときめく新進気鋭の若手芸人さん達を見てウフフフと笑う。
そんな歳の重ね方って素敵だな…とか思いながら。
(結局集中してないのか)

「最近の若い子達の話には着いていけないわよね。何が面白いのかさっぱり」的なおばあ様にはなりたくないのだなぁ…

2公演目のお席は、先程よりちょい右寄り。
でも良席。
私の右隣にお爺様が2人。

あ…ダメだ…気になる…
お爺様来たら気になるよー

私のお目当てのコンビは2公演目もトップバッター。
ちょっと渋めの出囃子に「ふふふ」って笑ってたお爺様。
長尺のツッコミで拍手笑いしてたお爺様。
長尺ツッコミ聞いて「ほぉ～！ハッハッハ」て笑ってたお爺様。

ねぇ、お爺様、もう夢中じゃない！

私がその芸人さん達の知り合いだったらスグに知らせるよ！
「お爺様もおばあ様もめちゃ笑ってたよ！」って。
だから何だ？って言われると思うけど…何か嬉しくなった。

最近、自分の中でのお笑いの見方が変わってきたなって、しみじみ思う。
舞台に立っている芸人さんと、自分の歳が近かった時は、ただただ笑い、時には「カッコイイ～❤」となっていたのに…

今じゃすっかりお母さん目線である。

仕方あるまい。
あのコンビも、このコンビも、そのコンビも、どのコンビも…皆私より年下なのだから（笑）

ウケたら自分の息子がウケているようにホッとする。
めちゃくちゃキレキレの時は「うわー頑張ってるぅ」と、息子のサッカーの試合を応援してる様な気持ちになる

オチが綺麗に決まった時は、自分の息子が逆転満塁ホームランを打ったような気持ちになる。

なんだそれ、って思うけど…本当に。

あっという間にお目当ての芸人さんのネタは終わり、拍手と共に去って行く。
残ったのは「あ～皆笑ってたなぁ。幸せだなぁ…。」という気持ち。

これだからお笑い好きなんだよな。きっと。

その昔、ルミネの当日券を慌てて買って、立ち見で見た公演があった。
立見席から見える光景は、幸せそのものだった。

沢山の人が笑っていて。

隣の子と、苦しくなるまで笑ってる女の子。
好きな芸人さんが出てきたのか、目をキラキラさせながら(いや後ろ姿だけど)「は～❤」と友達と手を握り会う女の子。
最初は女性の中で背筋をピンと張って、「俺は笑わねぇぞ」と言う雰囲気だったのに、いつの間にか爆笑してる男の子。
ご夫婦で来ているのか、お隣の旦那様をバシバシ叩きながら笑っているおばあ様。

皆が笑っている光景を、1番後ろから眺めて「は～❤幸せだ。」って感じる私は、支配人か何かですか？

話が逸れた。

日曜日の寄席も、本当にそんな感じだった。
派手な演出などない。
言葉で、演技で笑わせるだけ。

芸人さんかっけぇ～～～～っ！！！！！

って言う感想で締め括るのもどうかと思うが。
日曜日の日記として書いておきたかった。

少し肌寒い日曜日。
私は間違いなく、関東イチ熱い日を過ごしていただろう。