見出し画像

国の「手に職」給付制度、すごくいいかもしれない

新年です。今年こそは何かを学ぼう、新しいことにチャレンジしようという気持ちが高まっている人も多いのではないでしょうか。
そんな時にぜひ検討したいのが、厚労省の「教育訓練給付制度」です。20年くらい前には受講料のうち7割負担などとバブっていたのですが、英会話学校などが乱用して問題になったこともあって(それだけではないですが)、一気に受講料の2割にしぼみ、対象講座も縮小してしまいました。ハローワークでの手続きも煩雑で、特に美味しい制度でもなくなっていました。

それが、昨今の国をあげてのリカレント・リスキリング大号令で、予算が大幅増額され、「教育訓練給付制度」も、年々ブラッシュアップされています。

「一般教育訓練給付金」(教育訓練経費の20%〈上限10万円〉)、「特定一般教育訓練給付金」(教育訓練経費の40%〈上限20万円〉)などに分かれており、目指す分野によって、バラエティーに富んだ分野で知識やスキルを身につけることができるようになりました。博士課程で学びたい、TOEICや外国語を身につけたい、専門職大学院に行きたい、といった幅広いニーズにこたえてくれるようになっています。

※雇用保険の被保険者であった期間が一定程度あること、離職期間、過去にこの制度を利用してから数年経っていること、キャリアカウンセリングを受けること……、といった条件はありますので、ハローワークで確認してください。

最高168万円も給付される!

そして、第二の人生、キャリアチェンジにチャレンジしたい、長く働きたいミッドライフ世代が特に注目したいのが、「専門実践教育訓練給付金」

専門実践教育訓練の講座(厚生労働大臣に指定されたもの)を受講し、一定の要件を満たす場合は、本人が教育訓練施設に支払った経費(修了した場合)の50%(年間上限40万円)が最大3年まで、ハローワークから支給されるというもの。修了から1年以内に雇用されるなど、条件を満たす場合は、最大で70%(最長3年間の訓練期間で最高168万円)が支給されるという大盤振る舞い。

社会福祉士、看護師や保育士などの国家資格や、IT系の資格など、2年、3年などの長期間の受講期間が必要な資格もサポートが受けられます。
夜間部やオンライン、通信制のコースを選べば、きついでしょうが、現在の仕事を続けながら資格を取ることもできます。

さらにすごいのが、これまでは講座が修了した後に、ハローワークで申請をして、認められたら支給される、という形でしたが、専門実践教育訓練の場合は、訓練期間中6か月ごとに支給されるために、受講中の負担もかなり軽減されます。

どんな資格があるのかは以下の検索システムで検索できます。政府として、どんな職業の人を求めているのかもうっすらわかるリストでもあります。
希望や適性にマッチしている講座があったらチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
はり師、管理栄養士、調理師、保育士、理学療法士など、手に職系がいろいろあります。

自分の仕事に誇りを持ち、生涯同じ仕事をやり続けたい、と思っている方も多いでしょう。それは素晴らしいことで、心から尊敬します。しかし、時代の変化が激しくなるなかで、つねにスキルアップ、リスキリング、新しいキャリアをonして自分自身をメタモルフォーゼしていくこと……は、常に考え続けていなければならない大事な課題です。

私のいる出版業界も、どんどん書店が減り、市場が縮小しています。自分の大学生、成人の子どもたちを見ても、紙の本はほとんど買っていません。元気がよく見えるS英社も、紙の本より権利ビジネスが経営の柱です。「紙に印刷する」という形式でないコンテンツの伝え方を模索するとともに、自分自身の人生のためにも、多彩なスキルを身につけていきたいと思っています。いくつになっても学び、自分を高め、いろいろな世界と出会うことは、きっと楽しくてワクワクすることに違いありません。


この記事が参加している募集

仕事について話そう

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?