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それぞれのよいところを見つけて伸ばすということ

宅配ボックスがわりに使っている場所に届いていたのにしばらく気がつかなかった小包。開けてみたら、白くてすべすべした貝殻がたくさん入っていました。

最近の活動の根幹を築いてくれた恩師

送ってきてくださったのは、私が二十代にイラストレーションの学校に二年間通った後も、ずっと心の支えになってきてくださっている恩師の先生。

散歩をされていた逗子の浜辺で、ふと「そうだ、澤さんに送ってあげよう」と思い付いてくださったとのことで、手作りの小さな小さな段ボール箱の中に、貝殻たちがそっと詰められていました。

思えば、私が「陰の部分も陽の部分もそのまま受け入れて、自分をまるごと愛してあげてほしい」と思って最近活動している根幹の部分は、この先生に築いていただいたものでした。

ひたすら褒める。クローンは作らない。

イラストレーション塾での先生の指導法はとてもシンプルなものでした。

いいところを見つけてひたすら褒める。

新しい試みには、どんなに陳腐に見えるものであっても「いいね、どんどんやりなさい」と背中を押してくれる。

最初のうちは、自分の進むべき方向が見定められず、もっと厳しく指導してくれたらいいのに、と物足りなさを感じてもいたのですが、今ならその凄さがわかります。

自分の好き嫌いで意見を言うのは簡単です。でも先生は、時間をかけて、それぞれが自分で答えを見つけられるよう、私たちを根気強く育ててくれました。

イラストレーションの指導は、先生によっては自分のカラーに導くことで先生のクローンが大量生産されてしまうこともあります。

しかし、この先生のクラスからは、今をときめく大人気のイラストレーターの友人たちや、海外でも大活躍の美術家の友人、はたまた私のように被り物を作って変身する人間、表現スタイルも平面から立体など、見事なまでにバラバラの個性を持ったメンバーたちが巣立ちました。

先生に教わったことを繋げていきたい

二十代、三十代と、私はずっと自分のやるべきことが見つけられず、人からの評価に怯え、活躍し始めた友人たちと比較をしては、いつもその悶々とした思いを長文の手紙に書き連ねては先生に送りつけていました。

しかし先生は、毎度同じの堂々巡りの手紙にも、いつも丁寧に

「あせらず あまえず あきらめず」

というような素敵な言葉を綴って返信してくれました。


あれから20年近く。ようやく私は心の幹とも軸とも言えるものを見つけました。

いつも私のターニングポイントとなる瞬間に、このような素敵な有形無形の贈り物をくださる先生。

SNSをほとんど使われていないので最近の私の活動をご存知ないはずなのですが、先生が身をもって教えてくださったことを、今度は私が繋げていこうと決意を新たにしました。

あせらず あまえず あきらめず、一歩一歩進んで参ります。


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