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✅70代女性【妻が度外れた病気恐怖症】を選択理論でコーチング人生案内#114

「70代の男性。1歳年上の妻の度外れた「病気恐怖症」に困っています。」

ちょっと体調がよくないと、「○○がんじゃないかしら」と心配し始め、不眠、めまい、胃腸障害を繰り返します。かかりつけ医もあきれていて、カルテに「神経質」と書かれていました。めまいで受診した耳鼻科では、真顔で「性格を直しなさい」と言われたそうです。

 私は母でも同様の経験をしました。病弱で暗い性格、加えて自分本位で、小中学時代に家事を担ったこともありました。だから、結婚相手は朗らかで健康な人を望んでいたのですが……。

 妻は、普段は明るく人当たりもよいのですが、ひとたび不調になるとドーンと落ち込みます。私も折にふれて助言しますが、なかなか素直に聞き入れてくれません。一方で、友達の忠告は、うのみと言っていいほどによく聞きます。そこでぜひ、第三者に妻のネガティブな思考回路の改善策についてアドバイスをお願いしたいのです。(神奈川・T男)

(2022年6月2日読売新聞朝刊)

次を参考に「相談者の答え」を引き出す質問を自由に考えてみてください。

【相談者の困りごと、願いごとを考えましょう】


相談者の「困りごと」

・妻が度外れた「病気恐怖症」で、ちょっと体調がよくないと、「○○がんじゃないかしら」と心配し始め、不眠、めまい、胃腸障害を繰り返し、ドーンと落ち込むので、困っている。

相談者の「願いごと」

・妻のネガティブな思考回路の改善策について知りたい。

相談者が満たせていない(満たしたい)基本的欲求
・「力・自己価値の欲求」

【コーチングモデルと選択理論の考え方】

①「変わろうとしない相手に自分が振り回されている
ことに気づきましょう」

②「自分の考え方や見方、行動は、自分が自由に選択
できるし、変えられる」と考えましょう。

③相手の行動を変えられるのは相手本人であって、他
者は助言や情報提供、リクエストができるだけ」と
考えましょう。

④「自分が満たせていない、自分にとって大切なニー
ズや価値観、欲求が何か」を考えましょう。

⑤「相手がこちらにしてほしい行動で、してあげられ
るものがあれば、積極的に協力し貢献しよう」と
考えましょう。

【相談者の困りごとのパターン】を考えましょう

・妻が度外れた「病気恐怖症」で、ちょっと体調がよくないと、「○○がんじゃないかしら」と心配し始め、不眠、めまい、胃腸障害を繰り返し、ドーンと落ち込むので、困っている。
(困りごとのパターン:相手に振り回されているパターン。相手を変えたいが変えられないパターン)
 
以上を参考に、ここで、みなさんのコーチング質問を考えてみましょう。

【心に響く回答者(海原純子さん)の言葉】

病気を心配して不安になることで体調が悪くなり、また心配になるという悪循環を繰り返されていると思います。検査して問題がないのなら不安を手放すことが大事ですが、不安になるのをやめようとしても難しいものです。それよりも、ご自分で集中できること、興味のあることに心を向けたり、体を動かしたりなさるのがいいと思います。

 今、あなたがたご夫婦は、経済的にも不自由がなく、仕事や親戚関係のトラブルも大きな心配事もない状態ではないでしょうか。そうしたある意味穏やかな日常の中で生まれた心の空白のような部分で、不安と心配が生まれたように思えます。

 心の空白は、みたされた充実感で埋めることが必要です。その充実感は、自分の可能性をのばす学びやものづくり、自然とのふれあい、他者へのいたわり、ヨガやボディーワークなどでの呼吸による自律神経の調整などで生まれてきます。今、せっかく夫婦が健康で生活できる時間を、不安によって残念な年月にしないために、自分の心を充実させる努力をなさっていただけることを願っています。

(2022年6月2日読売新聞朝刊)

私は次のような質問を考えました(ご参考まで)

・本人は、「病気恐怖症」を周りの人に発信することで、奥さんご自身も身心の障害を起こして悪循環になっているものの、一方では無意識かもしれませんが、周りからの同情や関心を引くことができたり、医者から早い段階で「大丈夫」というお墨付きを得て安心ができたりと、何かを得ているのかもしれませんね。そうすると、「病気恐怖症」を克服したいかどうかは、本人次第のところがあり、周りからは、アドバイスや情報提供はできるものの、本人がその気にならなければ、本人の思考回路が変わることもなかなか難しいかもしれませんね。

・ところで、今のあなたは、「奥さんの度外れた病気恐怖症」にどのくらいご自身が振り回されていると感じていらっしゃいますか? 「ものすごく振り回されている」を10点、「全然振り回されていない」を1点としたら、今のあなたは、何点くらいのところですか。

・「奥さんの度外れた病気恐怖症」は、それはそれとして、あなたはそれに振り回されず、あなたご自身のしたい生活、したい生き方ができていますか? 

・もし、「奥さんの度外れた病気恐怖症」が、仮に今よりもっとひどくなったとしたら、(本当の病気であったとしたら話は別ですが)、あなたはそれに対して、ご自分は振り回されないために、どんな「立ち位置(距離感)」を維持したいと考えますか?

・そして、そんなご自分の「立ち位置」を決めることができたとしたら、その「立ち位置」をキープして、「奥さんの度外れた病気恐怖症」に対して、具体的にどのように対処するのが、自分も振り回されず、奥さんに対しても「よりよい対応」となりそうですか?

・また、「奥さんの度外れた病気恐怖症」が軽くなろうと、ひどくなろうとそれはそれとして、あなたご自身はその「立ち位置」を守ることができたとして、一方で、あなたご自身は「自分の自由な領域」で、自分のしたいこと、願いごと、自分の生きたい生き方、人生をどのように実現していきたいですか?

・もし、そのようなあなたご自身の望む生活が、近い将来に今よりももっと実現できているとしたら、そのときは、「奥さんの度外れた病気恐怖症」に対して、あなたは、今と違った、どのような態度や対応をとることができそうですか?

・また、奥さんは、そのような「状況に振り回されず、一貫した態度や行動が取れるご主人」をみて、どのように思われるでしょうか?

今回は以上です。上の質問は、自己対話で使うと、セルフコーチングができます。お役に立てればうれしいです。それでは、また次回。


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