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いじめてくる奴に成功体験をさせるな

DVで亡くなった子の問題の派生で、学校でいじめをうけたときの話題がツイッターで飛び交っていた。

私はどちらかというとハブられ系女子だったので、直接物理的ないじめにあう機会は少なかったのだが、一回やらかしたいじめ撃退法の話をしたら、フォロワー=サンが「もうその話有料エッセイに公開したら??w」とおっしゃったので、記事にする。

あんまり褒められた話でもないけど、もしかしたらいじめに悩んでいる誰かの役に立つ可能性が1ミクロンくらいあるかもしれないから、無料の方で公開する。

ちなみに、まだ記事数1個だけど、限界女の限界生活話を見て、100円で憐みの施しができる有料コンテンツはこちら!(酷い自己紹介)

>限界女黙示録


それはともかく、いじめを撃退した話なんですけど。

まず第一前提としてこのいい歳をした私の、中学生時代の話です。

・不良漫画の世界観がまだまだ普通に存在していた時期

・今ほど教師の体罰が問題視されていない

・そもそも限界集落寸前の田舎だったので保育園から中学校卒業までずっと1クラス固定

・基本的に八割が農家の子なので引越しなどで逃亡は不可

という世界観であったことをご理解ください。

保育園に入園し3歳の時点で、中学卒業までの人間関係確定ガチャを引かされるという地獄。(ちなみに高校も半数以上が一番近くの高校に行くし、町中あつめてもせいぜい3クラスなので、ほぼ中学までの人間関係が適用される)

こういう世界観だとどうなるかというと、保育園の時点で決まった人間関係ヒエラルキーを維持したまま、ヒエラルキー下層でいじめターゲットが交代制になります。

で、私はどちらかというとハブられるタイプのいじめられっ子だったので、幼馴染の誰ともあんまり気が合わない(一応所属グループはある)程度のなんとも言えない立場にいたわけでしたが、中学のある日、突然男子から物理的ないじめのターゲットにされた。

男子内は、ガキ大将的なボスのいじめっ子が君臨していて、つねにイジラレ役(要するにヒエラルキー下位)の男子がいる。イジラレ固定が2人いて、うち片方は優しい男の子でどれだけやられても自分がいじめ側に回ることはなかったが、もう一人はいわゆる「パシリ」になっていることが度々あった。

そのパシリ役の男子が、私のシャープペンを隠し、ゴミ箱に捨てる振りをした。

私は多分フリだろうな、と思ったが、返せといって返すわけもないし、仕方なくポーズだけゴミ箱の中を探すことにした。

その時、パシリ男子が「ゴミ漁り女ww」とニヤニヤ笑いながら言いだした。

4時限目が終わった後、教室内には給食用のアルミトレイがあった。

私は泣きもせず、言い返すこともなく、静かにアルミトレイを一枚とって男子をボコボコにタコ殴りした。

パシリ男子はもちろん、ボス男子も、周囲のクラスメイトも、皆この事態は誰一人予測していなかったのである。

いじめの対象がぐるぐる回っていて、特にヒエラルキー下層の男子や、男子に力で劣る女子は、誰もがいじめのターゲットにされたことがあり、しかしその状況でも誰一人として考えたことがなかったのである。

いじめられた側が何の迷いもなく報復にボコり返してくるという事態を。

泣きだすパシリ男子。ボコり続ける私。ビビるガキ大将。

阿鼻叫喚の地獄絵図であるが、この時私は割と冷静で「けがをさせたら自分が不利になるから」とアルミトレイの面の部分でボコっていた。何でその部分で冷静なんだよ。

何せ、中学卒業まで逃れることができない人間関係確定ガチャの世界である。今までにもいじめが問題になったことはあった。それでも結局、どこにも逃げ道がなく、親同士も全員知り合いの世界の中で、1つのクラスで表面上仲良くやっていく以外になかった。

だから誰も予測しなかったのだ。

ボコった相手がボコり返してくるという事態を。

私は元々ハブられ気味だったので、別にやり返したことでクラス内での人間関係に支障が出ても、ぶっちゃけクソほどどうでもよかった。

きっと、私のシャープペンを隠した男子たちは、からかわれた私が泣いてしまうことを期待したのだろう。実際、私は小学4年生くらいまではかなりの泣き虫で、ずっと一緒のクラスであった彼らには私にまだ泣き虫のイメージを持っていたのかもしれない。

ところがどっこい、その頃には私は立派なヤクザメンタルになっていた。

だから迷うことなく即行動でボコり返してしまったのである。

かつて泣き虫であったがゆえに、泣いてもわめいても無駄だということを実体験をもって知っていたので、対話もせずにフルボッコである。

だって泣いたところで、誰かが私の心を理解してくれたことなんてありませんし。

ところで、その後であるが、明らかに相手側が悪かったのと、私がケガをさせてなかったのとがあって、特に内申点に影響もなく、男子から謝罪を受けて私は無罪放免となった。

当時は体罰は今ほど問題ではなかったし、何せ1クラスがずっとエスカレーターするので、教師も変に友達感覚の人が多かった。私は顔にあるほくろの位置を担任教師にからかわれたことがある。まぁ、そういう風に、生徒と一緒になって、無自覚に友達感覚でいじめに加担する教師もいたということだ。

そんな世界から公然とやり返す女が出てきたのだから、この時の担任教師の気持ちたるや、いかがなものであったか。

教師はいじめ問題において役に立たないことが多く、いじめっ子側に形だけ謝らせて被害者に黙らせる、ということがまかり通っている。これは今現在でもよく聴く話ではあるが、この手の教師はいじめに対して真正面からやり返す生徒には弱いのである。

一応言っておくが、暴力でやり返して解決しろという話ではない。私も暴力ではなくてもっと他のやり方をすれば良かったな、とは思っている。まぁ、当時の世界観的に(あと限界集落の田舎なので)正攻法で戦ってもどうしようもなかった部分もあるにはあるが……。

とにかく、私は給食のアルミトレイ1枚で、いじめっ子たちの成功体験を叩き潰して、失敗体験に塗り替えてしまったのだった。

それから中学卒業まで、私がいじめのターゲットになることはなかった。

いじめっ子は、ヒエラルキー上位をいじめによる成功体験によって維持している。いじめに成功する限り、彼らはヒエラルキーの上位である。いじめの対象から外れるには、彼らのいじめに加担するしかない。……というように思わせる。

いじめを成功することで、権力が維持されるのである。

だからこそ、彼等はいじめは「成功するもの」と思っている。

いじめを気分の良い成功体験にしてはならない。いじめを失敗させなければならない。いじめに失敗すると、とても恥ずかしくて格好悪いことになる事実を眼前につきつけなければならない。いじめることで、かえって自分の立場が危うくなるなら、いじめなんてやらないのだ。

だって、彼等が興味あるのは「いじめの善悪」ではなくて「自分の地位が優位であるか」だから。

言葉や力の暴力で相手を征服して気分が良くなりたいだけなので、秒でボコり返してくる相手をターゲットにしたくないのである。

とはいえ、私のように暴力で解決してしまうと、ヘタをすると過剰防衛でいかんことになるので(お礼参りとかクソダサ逆ギレする奴もいるし)、基本的には親と相談の上、証拠となるいじめの内容などを日記などにまとめた上、教育委員会なりいっそ弁護士に持っていくなりしような!

心の中に荒ぶるゴリラを飼おう。必要な時に必要なカードを切って、荒ぶるゴリラのドラミングをしよう。ウホウホホホウホホホ。

まぁ、親が頼れないこともあると思うけど、頼れる大人を探してしつこいくらいに粘着質にいじめを失敗させることを糧に生きていくのはアリだと思います。お前を絶対に失敗させてやる。

世のいじめっ子は、もう少しやり返されるリスクも憶えた方がいいぜ。

おとなしそうでも、やり返す時はしっかりやり返す奴はいるからな。

私はチンピラに襲われた時に「昔WJのバトル漫画で人間の弱点はアキレス腱だって言ってたな」ととっさに思い出して足払いをかけようとするような女ですし、怖くなかったのかと言われて「実家の暴れ牛と比べたら何となる気がした」と答えたような奴ですので、本当に対処法に関しては参考にしないでください。暴力なしで解決できるのが一番だぜ!!

前職場でパワハラ上司に遭遇した時には(直接私がやられたことは少なかったのですが)、上司の発言を時系列で全部記録して、必要があれば証拠として提出できる状態にして、パワハラの直接被害にあった同僚にいつでもデータを渡せるようにした上で、退職日の直前に「ばっかじゃねーーーーの!!」とやって辞めて来ました。

やっぱりいじめをやることが面白いイジリとか、格好いいチョイ悪な自分とか思っているやつには、失敗という恥を直接叩きこむのが一番だと思います。


余談ですが、ゴミ漁り事件の前だったか後だったか忘れたけれども、いつだったかイギリスかどっかで未成年が子供を殺した事件があって。

凶悪犯がサイコパスであったかどうか、その犯人に家庭環境における事情などがあったかはわからないのですけど、クラス中がその犯人に対して死ね死ね言ってたんですね。死ね死ね言ってるのが、主に例のヒエラルキー上位ガキ大将男子でね。

もちろん、許されることではないし、未成年とはいえ死刑になっても妥当だと思うような事件でした。

けど、もしかしたらこの犯人も何かのきっかけで犯罪を起こさない可能性だってあったわけで、遠い海の向こうの見知らぬクソガキにまで死ね死ね言われているのが何だか可哀想になっちゃったんですね。

だから「犯人も可哀想だね」と言ったら、そのガキ大将男子に「お前も犯罪者だ!将来犯罪者になる!」って言われたんですね。

いや、別に犯人に殺された子が可哀想じゃないとはいってないし、別に犯人の犯罪も擁護してないし。

でもクラス全員から「お前が犯罪者だ!」みたいな感じに言われて。

はぁ~?ほぉ~~?

みたいな反応しちゃったんですけど……。


十年後くらいにそのガキ大将男子が、家族に借金ひっかぶせて逃げて、色々あってなんやかんやの話を聞いてね。



……で、誰が将来犯罪者になるって?


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