週刊少年ジャンプの話である。

なんかおもしれー漫画ない？と聞かれれば、これをお勧めするのが無難だと思っている。だいたいデスノートをお勧めするのと同じくらいの無難度。
ドクターストーン。ざっくりいうと、人類が地球全体に降り注ぐ謎の光線で石化し、３７００年くらいが経過。偶然復活した科学マニア男子高校生千空が原始時代みたいになってしまった地球で科学を復活させる、という話。小難しい理屈はスルーして楽しめるので、割と万人にお勧めできる。

さて、表題に入る。
現在千空は石化を逃れた人類の子孫達と行動を共にしている。
子孫たちには科学の知識がなく、まあ中世ＲＰＧの村人みたいな生活水準だと思ってくれればいい。そこに千空が科学を持ち込んでスゲー、みたいなのが基本。主人公達の現状の目標としては対立勢力（石化している大人は復活させないで、子ども達だけの帝国を作ろうとするイカレ連中）を排除して、人類７０億人を石化から復活させよう、といったところ。子孫たちは現代科学に感動、千空のことを慕っている。対抗勢力を排除できれば、いずれは人類を皆復活させる流れになりそう。

ただ、一つだけ難点がある。
想像してみる。
自分が２０００年後にタイムスリップした場合
自分だけがローテクで育った人間。周囲は魔法みたいな技術を普通に使って生活している。そんな中で自分は劣等感なしで生きていくことができるのか？
未来人に「原始人」と馬鹿にされないだろうか？
正直怖い。
ドクターストーンの場合、根はもう少し深い。
仮に人類７０億人が復活した場合、現代人７０憶人＋非文明人１００人足らず、になる。これって凄く生きにくくないか？自分たちが自由に暮らしていた地球が突然定員一杯になる。そいつらに弾圧・侮蔑される可能性もある。

件の村人たちは皆純粋であり、そういったことは全然考えていない様子。
でも、悪知恵がある奴にこの話をされたら
「別に人類全部は復活させなくてよくね？」
と思うんじゃないか？資源も有限だしね。

いずれは直面する問題だけど、どう処理するのか？
ちょっと少年漫画の範囲は超えているので、案外スルーかもしれない
先を読む楽しみがちょっと増えました。

余談だが、「石化を逃れた人類の子孫がいる」「何故か千空のことをちょっと知っている子孫がいる」理由は非常にスマートであり、気に入っている。初読の方はそれを推理しながら読み進めて欲しい。