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大事な話


近所の、自転車で10分もかからない距離のショッピングモールにあるカフェで読書兼うたた寝をした。ソファの座り心地がいいのだ。

途中コーヒーをおかわりして、それでも短編小説を二編読んだ。

夕方近くなってきたのでそろそろ帰ろうと、カフェを出てメイン通路を早足で歩いていたら、左手からチラシを手渡されそうになった。無視して通り過ぎようとしたのだけど、ふと振り返ったらそこに立ててある鮮やかなブルーの看板に、UNICEFと書いてあった。

なんとなく気持ちが傾き、踵を返し、そちらの方に歩み寄ると、看板と同じ鮮やかなブルーのおそらくユニフォームを着た若い女性スタッフがぼくに声をかけてくれた。もう一人のやはりブルーのユニフォーム姿の男性スタッフは長机に座り、別の一般男性となにやら話をしているようだった。

女性スタッフに何かのイベントかと尋ねると、マンスリーサポーターの募集をしている、と答えてくれた。毎月定額を銀行口座から引き落とす募金スタイルだ。

先月だったかに同じことを別の団体から聞いたことを覚えている。

倉敷駅で国境なき医師団が同じ活動をしていたのだった。その事を彼女に話すと、やはり知っていたようで、そこから色々とUNICEFの活動について教えてくれた。聞いていて国境なき医師団とUNICEFは活動が近い部分もあると思ったが、UNICEFは国連の補助機関であり、国境なき医師団はNGOである。当然UNICEFの方が活動範囲が広い。国境なき医師団はどの国の政府からも支援を受けておらず、その活動のほとんどを募金で賄っている。その点について彼女は、尊敬している、と言っていた。おそらく補完関係にあるのだろう。

UNICEFは児童基金であるから援助活動、食糧や医療、教育の拡充などの対象は子供たちになる。パンフレットにはアフリカ系の幼い子供の写真が使われていた。

多分15分くらいは立ち話をした。募金については今の個人的経済状況では難しいかなと言い訳をしたが、コーヒーのおかわりをしなかったら、それを意識したら毎月定額は無理としても、一回限りの募金くらいには回せるかもしれない。

ふと振り返ったのは、どこかの誰かに、大事な話だから聞いておけ、と言われたのかもしれない、という気分だった。

今日はそのショッピングモールで献血もしていたが、服用している薬の関係で今はできない。何にも役に立ててないなと思う。

自分を責めてもしょうがないけれど、せめてもの、何がせめても、なのかわからないが、何かの印としておかわりをしてしまったコーヒーの写真を載せておく。

しかもクッキー付きだ。

Think globally , act locally.
地球規模で考えて、足元から行動する、という意味だ。この言葉が好きだ。ぼく個人は役に立たない人間だけれど、いつか何かの役に立つかも知れないと、いつも心の中にしまってある。

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