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吾唯足知

久しぶりに大学の友人4人とご飯を食べた。
就活の悩みを聞いてもらった。

 私は今1つ、内定を持っている。とっても行きたかった会社だから、もらった時はすごく嬉しかった。
 でも、いざその会社の土地で働くことを現実的に考えると、即決できない自分がいる。その会社は、日本の中でも田舎の中の田舎で、魅力度ランキングでも最下位争いをしている県だ。
 そこは私が生まれ育った場所で、私は大学進学を期に引っ越して隣の県に住んでいるんだけど、そこにUターン就職するってなると、躊躇する自分がいる。

私は、幼いころからバリバリ働く都会の女性に憧れていた。だから、きれいなオフィスで、東京で、ジャケットを着こなしながら仕事に専念する生き方が理想だった。
 ただ、就職活動を始めて、そんな理想のキャリアウーマンは、大手企業の倍率の高さに阻まれることを知った。そして、不幸にも、私の大学はいわゆる「旧帝」で、周りの友人は大手企業で都会で…という、理想のキャリアを描いていく人が多い。
 仕事はとっても魅力的な業種だけど、都会でもなく、新しいオフィスでもない会社で働く、それなりに学歴のある自分は、本当に言葉を選ばず言えば、都落ちしてしまような気がしていた。

でも友人からは、東京に出ることよりも、地元で働くことを勧められた。
「だって、地元には友達もいるし、彼氏もいるし、実家も近いんでしょ?最高じゃん。」と。

 そこで、私はハッとした。自分の欲の無限さに気がついた。
 地元には、地元でしか得られない豊かさがある。それを今まで当たり前に享受していて、東京に出ても、その豊かさが当たり前にあると思っていた。

 吾、唯足るを知る。満足だと思う気持ちを忘れてしまっては、いつまでも周りと比べてしまう。どこまで満たしても、自分より満たされていそうな人は絶対に見つかる。隣の芝は青いんだから。
 
 上京と地元。もう一度冷静になって考えてみようと思う。


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