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バリ日記2日目(1/2)

朝。7時に目が覚める。あまりに深く眠っていたため、一瞬どこにいるかわからない。が、天蓋付きのベッドを見て、「ああ、バリにいるんだ」とうれしくなる。

朝食は7時半に頼んでいた。ホテルの女性が部屋のダイニング・キッチンまで運んでくれる。朝食は、ヘルシー、コンチネンタル、バリ風の3種類から選ぶことになっている。夫は朝食にパンと紅茶しかとらないからコンチネンタルを選択し、私はバリ風の朝ごはんを選択。

前夜、ちゃんとおなかいっぱい食べたのに、もうすっかりぺこぺこだ。夫の朝食についてくるベーコンと卵は横取りしようと決めていた。

しかし、なんということでしょう。スタッフが持ってきてくれた朝食を見て、量の多さにびっくり。大皿のナシゴレン、バリのぜんざいみたいなものが2種類に、フルーツもてんこ盛り。バリのスイーツもある。夫の卵も超大量。これじゃアメリカンサイズだ……と思いながらも、しっかり完食。

バリに行く前は毎日胃痛でめっきり少食になっていた。だから完食できたのには自分でもびっくり。大食い清香カムバック。ちゃんと食べて英気を養わなければ。なぜなら、この日は仕事があるからだ!

ところが8時15分くらいにホテルに来るはずのレンタルバイクの人が、待てど暮らせどやってこない。9時になってもこないので仕方なくタクシーを頼む。仕事に遅刻してしまうではないかー! 

レンタルバイクは「風を受けて走ろうぜ」とのたまう夫の提案で借りることにしたものだったけれど、1日目に見た限り、バリの道ではそんな爽やかな感じになりそうにもない。むしろ試練、修行っぽくなりそう。

なので、正直言えば、私はこのままバイク屋さんがすっとぼけて来なきゃいいのにと思っていた。でも、タクシーに乗り込む間際に来てしまった。残念。時間がないのでバイク屋さんには午後にまた来てもらうことにし、タクシーに乗り込む。

仕事は、ヌサドゥアにある病院の取材だ。ヌサドゥアは完全に観光向けとして開発されたエリアで、外部とは堀と海とゲートによって区切られている。ゲートを抜けると、中にあるのは世界展開の高級リゾートホテルや免税店などばかり。完全にバリの生活とは異なる、こざっぱりとしたリゾート地になっている。

取材した病院は、BIMC(バリ インターナショナル メディカル センター)というところ。バリの病院というのはどんなところかと少し不安に思っていたけれど、ホテルのようなエントランスで非常に清潔。病院施設も新しい。病院自体は1998年にクタでスタートしたが、ヌサドゥアに分院ができたのは2012年とのこと。

医療はオーストラリア水準だけれど、医療費はオーストラリアよりもはるかに安いそう。最近、医療ツーリズムというものが世界的に流行っているらしいけれど、BIMCもそのための施設のようだ。

アンチエイジングや豊胸、脱毛、痩身、美容整形をサポートする「コスメディックセンター」、矯正施術やホワイトニングが可能なデンタルクリニックもある。CTやMRIも取れるし、旅行者向けの透析施設もある。

バリ滞在中にボトックス注射などを受けたら、帰国後に
「ちょっと顔の感じが変わったね」って言われても、
「バリでリフレッシュしたからね~うふふふふ」って言えそうだ。

ここには日本人スタッフがいる。私も何度か海外で病院にかかったことがあるけれど、海外で病院にかかるのってとても不安なものだ。でも、日本語で説明してくれたら、不安感はなくなりそう。日本を出国する前に旅行保険に入っていれば、急な怪我や病気もキャッシュレスで対応してくれる。

しかも入院施設がめちゃ豪華。患者や患者の家族用の宿泊施設も2部屋ある。この宿泊施設もすごい。プール付きで、とてもリラックスできる環境だ。

実はこの病院、完全に観光客向け。現地の人の医療環境とはずいぶん違うようだ。
日本でも「医療ツーリズムで外国人を受け入れ、経済を活性化させよう」などと言っているけれど、どうなのだろう……。今まで様々な国の病院を見てきたし、日本の病院の取材の仕事もしているのだけれど、医療ツーリズムをやっていきたい病院の本気度はものすごい。本気でお金が儲かる方法を考えている気がする。日本の病院はあんまり勝てるような気がしない……。

日本の医療はお金儲けじゃないところが良いのだし、そうであり続けてほしい。医療ツーリズムを頑張ることによって、日本人が普通に受けたい医療まで変わっちゃうのではないかな。なーんて思いながら取材する。真面目!

(書いてみて思ったけれど、日記中に取材した内容を入れ込むと2記事書く感じになっちゃう。なので、今後の取材内容は「ジャンバル!」って叫んでスルーしようっと。)

取材を終えてホテルへ戻る。ものすごく暑い。昼間の日差しがすごく強い。今年の夏は雨が多かったのか、仕事に追われていたのか、はたまた体力や気力がなくて単に自分だけ楽しめていなかったのかわからないけれど、ようやく夏が来たような気がする。

再びプールにドブーンと入る。
決めた。バリにいる間じゅう、1日1回は泳ぐ。体力をつける。 日本が誇る大女優、吉永小百合さんも、水着をいつも持ち歩いていて、プールがあればどこでも泳ぐらしいし。目指せ、吉永小百合さん!

それにしても、ここのプールの水はとても気持ちがいい。塩素のプールは水がガサガサして毎日は入りにくいけれど、ここの水はなんだかとろりとしている。透き通っている。塩素の匂いもしない。

以前に夫のいとこの建築家が、今はヴィラやホテルのプールの水質管理に3つの種類があると教えてくれた。
塩素を使う方法と、塩を電気分解する方法と、プール用にビオトープを作るむちゃくちゃ贅沢な方法の3種類があるのだそうなのだ。

いとこのオススメは(と言われても、プール持ちになる予定はさっぱりないのだけれど)塩を電気分解する方法。この方法は塩素法に比べてコストがかかるけど、目も痛くないし、水の透明度が高くて水着も肌も痛まないとのことだった。

ホテルのプールの水をちょっと舐めてみる。しょっぱい。塩を電気分解する方法だ。最高じゃないか。

プールの脇には3種類のプルメリアの木が植えられていて、花が咲いている。それぞれ色も香りも違う。花はプールに落ちてきて、水面に浮かぶ。水面からふわっと香りが漂ってくる。ブルーグリーンのプールの底に映えて、とてもきれいだ。

出かけるまでの半時間ほど、プールで黙々と泳いで暑さで、茹だりそうだった体を冷ました。

(つづく)

▼入院用の個室(特別室)。豪華。


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