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バリ日記6日目(3/3)

ティルタエンプル寺院を離れるには、どうやら土産物屋でいっぱいの参道を通らなくてはいけないらしい。すっかり沐浴で清らかになったので、あんまり物を買う気分ではなかったのだけれど、夫は一番手前の土産物屋でバリの聖獣バロンのお面を見つけてしまった。しかも2つも。「買う」と言い張る。

かさばるなあ。折れちゃわないかな。まあ、いいか。一目惚れしたんだろうし、沐浴後にここで買うのはいい記念になりそうだ。でも値段を聞いてびっくり。一万円以上する(バリでは高給取りの医師の月給が五万円だと聞いた。)。そうかー。でも夫が頑張って6000円くらいに負けてもらって決着。買うことになった。

東南アジアで買い物をすると、どういう買い方をしたらお互いが気持ちいいのかよくわからなくて困ってしまう。お面は、気持ち的には一万円出す価値があったかもしれないけれど、値切られることを想定しての値付けだとしたら、言い値で買うことが良いことなのかわからない。単純に喜ばれるなら良いんだけれど、「観光客ってバカだねー」って思われてしまうのは辛い。お金って不自由なシステムだなと感じる。

それはさておき、一番手前の土産物屋で買ったものだから、店を出た途端に周りの土産物屋の売り子達がわらわらと集まってきた。他の観光客はスルーなのに、「あっちで買ったんだからここでも買うのが礼儀でしょ」と言わんばかりに迫ってくる。囲まれる。怖い。ゾンビみたいだ。

こういうのって誰にとってもメリットがない気がする。ひねくれ者の私は、たぶん売りつけられるよりも放置された方が物を買う。(寄付とか、クラウドファンディングとかも、頼まれると必要以上に「本当に価値があるのか」と疑っちゃうタイプだ。)でも、私と同じような人って多いと思う。

だって、怖いよね。まずは商品なんか見ないで拒否るよね。ゾンビ映画の見すぎかしら? 沐浴で清められた気分になったのに、ここで俗世の波に洗われた気分になった。心を無にして、ノーサンキューと言いまくって通り抜け、バイクに乗る。修行か!

帰り道はちょっと寄り道して、ウブドの方を回ってみることにした。市街地からちょっと離れたところを通ったら、たくさんの工房が見えて感激。ガラスアートや木工、絵画、同種のお店が一箇所に固まっていて、ぶらぶら歩いて通ってみたいと思った。

棚田がきれいに見える場所にも行ってみた。新潟の越後妻有で畑の中の民宿に泊まった時に、夫が「ここはウブドみたいだ」と感激していたのだけれど、ちょっと気持ちがわかった。でも、周りの木々は南国。懐かしいのに、エキゾチック。

暗くなってきたので帰ることにする。バイクを乗ると、夫が「ちゃんと腰に手を回してつかまれ」と言う。今までずっと「暑いからくっつくな」と言っていたのになぜだろう。聞いてみると、「実は寒い」と言い出した。沐浴して体が冷えたところに、前から風を受けるから寒くなったのだろう。現地バイカー達が南国にも関わらずダウンジャケットのようなものを着ている理由がわかった。Tシャツとサングラスしか身につけなかったオシャレっこ夫よ、それはダメだったね。

私は寒くなかったので、ストールを貸したりバスタオルをかけたりしてしのいでもらった。なのにホテルに着いて熱いシャワーを浴びた途端に暑いと言い出して上半身裸になり、ビールもジュースもたくさん飲んでお腹を冷やしていた。それが祟って夫は翌日から風邪をひいた。バカです。

7日目に続く。

▼翌日はガルンガン。街は準備に大忙し。

▼ウブドの棚田。エキゾチックで懐かしい


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