出張フォトグラファーがオンラインで新しいお客様を獲得するための3つのステップ
どんなビジネスでもそうですが、一番難しいのは0から1を生み出す部分です。出張フォトグラファーにとっては、最初のお客様からの依頼をどのように獲得するのかがこの0から1を生み出す部分となります。
今回の記事では、特にオンライン経由でどのように新しいお客様を獲得するのかについてその手順とステップを紹介したいと思います。
結論から言うと、以下の3つのステップになります。
1 ステップその1:ポートフォリオを充実させる
写真を撮影してお客様に届けることが仕事のフォトグラファーにとって、自分のサービスを選んでいただく上で最も大切なことが、自分の過去の作品=ポートフォリオを見て頂くことです。
お客様が撮影したいイメージに近い写真がポートフォリオの中にあれば、仕事を依頼していただける可能性はグッと向上します。そのため、ポートフォリオをどのように充実させていくかが、最初のステップになります。
結論から言うと、駆け出しの出張フォトグラファーがポートフォリオを充実させる最も簡単な方法はモニターを募って、写真を撮影させて頂くことです。
1-1 モニター募集のポイント
モニター募集のポイントは以下の通りです。
1.仕事として受けたいフォトセッションの方向性を決める(撮影対象、場所、季節、どんな雰囲気)
2.ウェブサイトやソーシャルメディアでの写真の公開を条件に、モニターを無料・割引で募集する
このモニター募集は、ポートフォリオがある程度揃うまでは、定期的に実施する必要があるかもしれません。特に日本は四季の移り変わりが早いので、それぞれの季節ごとのポートフォリオを揃えたいと思ったら、1年を通してモニターを募集する必要があります。さらに桜の季節のような旬が短いものもあるので注意が必要です。
募集は私の場合はFacebookでモニターを募集していることを告知して集めていました。その際は
●月●日までに先着●●名まで無料(または割引)でモニターを募集します
といった表記で、限定感を出すことで、お得感を出すようにしていました。
2 ステップその2:魅力的なウェブサイトを立ち上げて運用する
ソーシャルメディアがどれだけ広がっても、ウェブサイトの重要性は低くなることはありません。それは、ほぼ全てのソーシャルメディアがフローのメディアであるのに対し、ウェブサイトはストックのメディアだからです。
ソーシャルメディアには以下のような特徴があります。
・投稿した情報が常に他人の新着情報に埋もれていく=フロー
・投稿する情報の形がソーシャルメディア側で定義されている=整理された情報を提供しにくい
・情報の拡散が非常に簡単
一方ウェブサイトには以下のような特徴があります。
・投稿した情報が他人の新着情報に埋もれることなく蓄積できる=ストック
・投稿する情報を自分のやり方で定義できる
・ウェブ単体では情報の拡散が難しい
2-1 ウェブサイトを作る方法
ウェブサイトを立ち上げる方法はいろいろな選択肢がありますが、フォトグラファー向けのサイトを作ろうとすると、ある程度のデザイン性と機能性は確保したいと思われるのではないでしょうか。
私の知り合いのフォトグラファーたちは主に以下の2つの方法を使ってウェブサイトを立ち上げ運用しています。
2-1-1 方法その1:Wix.comを使う
Wix.comはホームページを簡単に作成することができるサービスです。
無料で利用できるのですが、無料プランの場合は独自ドメイン名が使えず、邪魔な広告が表示されてしまうため、最初から有料のプレミアムプラン前提で申し込むと良いでしょう。
プレミアムプランには4つの種類がありますが、一番安い独自ドメインが使えるプランは広告が表示されてしまうのでNGです。
ベーシック、アドバンス、VIPの3つのプランの中から選ぶことになりますが、フォトグラファーとして注目したいのはデータ容量です。フォトグラファーは写真をサイトにアップするため、3GBのベーシックから始め、データ容量が足りなくなったらアドバンスへのアップグレードを検討しましょう。
2-1-2 方法その2:レンタルサーバーを契約し、WordPressでサイトを作る
もう一つの方法がレンタルサーバーを契約し、WordPressでサイトを作るやり方です。手順としては以下の流れになります。
1.レンタルサーバーを契約する(有料)
2.独自ドメインを取得する(有料)
3.WordPressをインストールする(無料)
4.テーマを導入しカスタマイズする(無料・有料)
2-1-2-1 レンタルサーバーを契約する
レンタルサーバーはインターネット上の土地を借りることですが、いろいろな会社がいろいろなサービスを提供しています。私が長年使っているサービスは契約数200万という国内シェアNo.1のエックスサーバーという会社のサービスです。
このエックスサーバーですが、以下のような特徴があります。
・一番安い月額990円プランのデータ容量でも300GB
・WordPress簡単インストール機能付き
・複数サイトの立ち上げに必要なマルチドメイン機能も対応
データ容量が300GBにもなると、もはやデータ容量の制限を忘れていいレベルです。WordPressのインストールとマルチドメインについては後述したいと思います。
2-1-2-2 ドメイン取得
レンタルサーバーがインターネット上の土地ならば、ドメインはその土地につける住所ということになります。
ドメインはエックスサーバーでも取得できますが、上位レジストラと呼ばれる業者から仕入れているだけなので、割高になります。そのため、上位レジストラであるお名前.comから直接購入するのがお勧めです。
お名前.comは登録実績2,700万件を誇る国内シェアNo.1のドメイン登録サービスです。
ドメイン取得ですが、目先の取得費用に惑わされずに、年額の安いものを選ぶようにしましょう。取得費用はキャンペーン等で安くなっていますが、毎年の更新料が別途かかってきます。この更新料はドメインの種類ごとに変わります。
取得したドメインは、お名前.comとエックスサーバーの管理画面から紐付け作業を行うことで、利用が可能になります。
お名前.com側は取得ドメインのネームサーバー設定画面から、ns*.xserver.jpというおまじないを入れます。
エックスサーバー側は管理画面から購入したドメインを追加します。
これで完了です。
サイトのWordPressをインストールする
WordPressはエックスサーバーの管理画面から簡単にインストールすることができます。
必要情報を入力して先に進むと完了です。
2-1-2-4 テーマを導入し、カスタマイズする
テーマは無料から有料のものまで様々なものがありますが、初心者がデザイン性の高いサイトを簡単に作る、という視点からは有料テーマのDiviが断トツでお勧めです。
買い切りプランはちょっと高いですが、難しい知識がなくても、デザイン性の高いサイトを直感的にカスタマイすることができます。お洒落な注文住宅を自分で建てられるといったら分かりやすいでしょうか。笑
Diviについては別記事で詳しく紹介しているので参考にしてみてください。
サイトのメニュー構成は色々なフォトグラファーのサイトを参考にされたら良いと思いますが、以下が標準的な構成になります。
トップページ
┝ 自己紹介 (あなたは誰? どんな人?)
┝ ポートフォリオ(どんな写真が撮れるの?)
┝ プランと価格(いくらで撮ってもらえるの?)
┝ ブログ (どんな撮影を今までしてきたの?)
┗ 予約フォーム (どこから申し込むの?)
もちろんステップ1で撮影したポートフォリオがこのカスタマイズの段階で大活躍します。
ホームページの目的は、あなたが撮影する写真の世界観を十分に理解してもらって、訪問者に撮影の予約をしてもらうことです。是非、素敵な家を建ててください。
2-2 WixとWordpressはどちらがお得なのか?
結論から言うと、サイトを一つだけ運営するならばWixで十分ですが、2つ目のサイトを運営する可能性があるならWordpressが安くなります。
まず、Wixの費用ですが、初期費用がなく、月額900円を払うのみです。年額は約1万円になります。
一方WordPressですが、Diviを導入する前提だと、初期費用が約3万円で運用費用も年額13000円程度かかります。
ところが、2つ目のサイトを作ると、支払う費用が逆転します。Wixはサイトごとに同じ費用がかかりますので、2つ目のサイトを立ち上げると年間の支払い総額は倍の2万円超になります。
しかしエックスサーバーの場合は前述の通りマルチドメインという機能がついているため、サーバー代はそのままで、ドメインの追加費用1400円だけが追加されます。
運用費用はWixよりも6000円程安いので、5年ほどで初期費用分も回収できる計算になります。
私は以下の2つのドメインでサイトを運用しているので、もちろんWordPressの方が安くなります。
sayakaokubophotography.life
lifestylephotography.jp
sayakaokubophotography.lifeは私のメインサイト。lifestylephotography.jpはフォトグラファー仲間とのコラボとかで使っています。
3 ステップその3:Instagramで集客する
やっとステップ3まで来ました。こだわりのホームページが完成して、やっとこれで仕事ができると思ったあなた、甘いです!笑
立ち上げたばかりのホームページはいわば離れ小島に建った自宅のようなもの。宣伝しないと誰も訪問してくれません。
検索エンジンから誰か見つけてくれるはず!と思う方もいるかもしれませんが、これも考えが甘いです。写真撮影は企業から個人まで競争相手がひしめく激戦区です。余程ニッチな検索キーワードでもない限り、検索エンジン経由での集客は見込めません。
そこで活躍するのがInstagramです。
Instagramについては今更解説する必要はないと思いますが、フォトグラファーにとってInstagram以上に親和性の高いソーシャルメディアはないと思います。
3-1 Instagramの準備をする
以下は私のInstagramのアカウントページです。
Instagramは投稿を始める前に、プロフィール欄をどのように使うのかが鍵になります。私は以下のようにプロフィール欄を活用しています。
・出張可能エリアを記載
・どんなフォトグラファーなのかを簡潔に伝える
・LINEの連絡先を記載
・.LINKというサービス経由で自分のサイトに誘導
Lit.LINKは複数のSNS、ブログ、ホームページのリンクをひとつのページにまとめることができるサービスで、いきなりホームページに飛んで迷子にならないように使っています。このサービスの利用は任意かと思います。
3-2 Instagramのフォロワーを増やす方法
Instagramのフォロワーは私もやっと1000人が見えてきたところですが、以下の3つの要因に依存します。
・フォローの数
・投稿数
・投稿写真のクオリティ
フォローの数はフォローすればするほどフォロー返しによってフォロワーが増えるということです。
投稿数は理想は毎日投稿することですが、1年毎日投稿すると365枚の写真のストックが必要になります。私は流石に無理なので、できる限り投稿するようにしています。モニターの写真で撮影した写真ストックもここで活躍します。
投稿写真のクオリティについては当然ですよね。笑
3-3 Instagramの投稿する際のポイント
投稿する際は、単に写真を投稿するのではなく、コメント欄を最大限に活用するようにしましょう。以下は私の投稿のテンプレートです。
そしてコメント欄の最後に追加するのは、投稿内容を拡散させるのに役立つハッシュタグです。思いつく限り色々なハッシュタグを追加しています。笑
4 そしてお客様の予約を獲得する
上記の3つのサイクルを回していくと、どこかのタイミングで、Instagramを見たユーザーの中から、予約してくださる方が出てくるはずです。
そして、予約が入って撮影ができたら、その撮影させて頂いた写真をポートフォリオとして公開させていただけるよう、お願いしてみましょう。少なくない確率で、公開許可をいただけるはずです。
すると、ポートフォリオが充実し、サイトの魅力度が増し、Instagramで集客するサイクルを回すことができます。
大切なことは、トライ&エラーを繰り返しながら、諦めずに継続することです。是非頑張ってください!
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?