反ワクチン運動を離れるまでの私の旅路

ある小児科看護師の物語

                    ダニエル・ストリンガーCPNP

アメリカのワクチン支持の親たちのサイト、Voices for Vaccines  http://www.voicesforvaccines.org  に掲載された若い医療専門家の手記 

元記事はこちら。

http://www.voicesforvaccines.org/i-used-to-be-an-anti-vaccine-nurse/

私は小児科NP(NP、ナース・プラクティショナーは修士の学歴を持つ特定看護師。米国では医師に準じる資格で、一人で開業して診察行為が出来る)で、子どもたちに何千回も予防接種をしてきました。 でもほとんどの人は私についての重要なことを知りません。ずっと公にしてきませんでしたが、私はワクチンについてある経歴があるのです。

 私は反ワクチン派の中で育ちました

.私は4人兄弟の頭としてすばらしい両親のもとに生まれました。母と父は私たち兄弟のどの子のためであっても月まで行って帰ってくるだろうというような人たちで、今に至るまで、彼らの無私の行いには驚かせられ続けています。母は教育者で、とても優秀な良い先生です。何であれ研究調査の課題を見つけて調べ上げてしまいます。私の結婚式の準備中、母が結婚式の招待状の一字一句に至るまでの言葉づかいと形式についてきっちりと調べてくれたのを覚えています。 手引きとして使えるように、様々な時代の歴史的な結婚式の招待状まで調べてありました。

そのような人でしたので、1992年に私が生まれると、母は当然ながらワクチンを打つ前に事前調査をしました。調べ上げた後で、母は自分が調べたこととかかりつけの小児科医の奨めに基づいて私にワクチンを打つと決めました。それから私の妹にもワクチンを打ちました。なにしろ私の両親の腕には子どもの頃にうけた種痘のちいさな跡があるのです。人類を何世紀にも渡って脅かしてきた病との戦いの記念とも言えます。両親が生まれた1960年代は(その歴史からみれば)ごく最近と言えますが、まだ天然痘で年に200万人近くが死亡していたのです。

ですが、こうした致死的な病気がゆっくりと消えてゆくにつれ、ワクチンに対する非難や告発がメディアやインターネットからあふれ出しはじめました。予防接種で自閉症が起こる。予防接種は効果がない。 子どもの脳に害を与えるかもしれない水銀を含んでいる。子どもたちはアレルギーになるかもしれない。免疫システムに過剰な負担となるだろう。どちらにしろワクチンによる人工的な免疫より自然免疫の方が良くはないか?ワクチンスケジュールは医者と製薬会社の金儲け戦略だ。私にはすべておなじみのものばかりです。

反ワクチンの声が大きくなってくるにつれ、教育修士号を持っていた母も耳を傾けるようになりました。どんな親でも警戒するようにさせる何かがワクチンに対する告発にはあるのです。その結果、三女である妹の受けたワクチンはとても少なくなり、末っ子の弟が生まれたころとなると、弟は一つのワクチンも受けませんでした。類は友を呼ぶので、私の家族のまわりはワクチンを打たないことを選んだ友人や家族ばかりになりました。こうした親たちは、うちの両親と同じように自分たちの子どもたちをすごく愛していて、子どものために命を投げ出すような人々でした。ワクチンに対する恐怖が高まっていくなかで、彼らは自分の子どもたちのために最も安全な方法を選んだと信じて疑っていませんでした。

話は、私がNPになろうと、それも小児科NPになろうと決めた大学時代に飛びます。私は母とこの専門職の悪いところは子どもたちにワクチンを打とうとすることだけかしらと話し合ったことを覚えています。母はそれはあとで方法を考えられるでしょう、親に打ちたいワクチンを選ばせれば良いだけよと言いました。

やがて論文を書くときには、私はワクチンの有害事象とそれに苦しむ子どもたちを研究テーマにしたかった。予防接種と自閉症の繋がりを研究し、混合ワクチンで壊れてしまった免疫システムを調べたかった。自分のコミュニティーでずっと聞いてきたことについて、さらに学び、彼らの声を代表して科学的なコミュニティーに届けるということをしたかったのです。

CDCのこのグラフは予防接種の極度の有効性を示している

そしてそれが私は考えを変えはじめた時でした

論文の基礎にできるようなものがありませんでした。とにかく医学的な証拠が何もなかった。ワクチンが自閉症を起こしたという証拠も、免疫システムに過剰な負荷を与えたという証拠もなかった。実際はワクチンは信じられないほど安全で効果があり、子どもたちが一番傷つきやすい時期に彼らを守っていたのです。

もしかするとワクチンはそれほど悪くなかったのかも知れない。

大学の教育課程で、私は百日咳と命がけの戦いをしている生後1ヶ月の子の看護に行きました。この女の子はワクチンを打つ月齢に達していませんでした。この子の恐ろしい咳と、どうすることもできないでいる両親の姿は永遠に私の中に残るでしょう。

ある症例研究で、私の地元で産まれた子が、お母さんが出産の数日前に水疱瘡になったために死亡したのを知りました。そういえば、実家の近くで風疹が見つかったときには保健局から警報が来ました。私の大叔父は子どもの時に小児麻痺にかかったために今も車椅子での生活です。髄膜炎で命を失いそうになったあとに、手足を切断しなくてはならなくなった男の子の症例について勉強しました。ロタウイルスに感染して脱水症状から死にそうになった幼児を見守りました。日々集団免疫が力を失っていく中でたくさんの癌の子どもたちや免疫不全の子どもたちのことを考えて心配するようになりました。

でも私は、何よりも、こうした苦しみは防げることを学んだのです。

そして私は卒業し、今は予防接種をしています。最初は兄弟からはじめ、家族、友人たちにも。今までにたくさんのたくさんの予防接種を打ってきて、これが私がこの仕事で達成した最重要な成果の一つだと考えています。子どもの時に聞いたワクチンに対する告発には科学的に反論することが出来ますし、毎日のようにやっています。実際、自分のブログでワクチンを支える科学についての情報を提供し、みんなともっと深い意見交換をするのを待ちきれずにいます。

けれども最後に言っておきたいのは、反ワクチン派やワクチンをためらう親は、私がお金が欲しいから、公衆衛生ナチだから、子どもに予防接種するように説得すると非難していますが、そういう理由ではありません。むしろ、私は彼らを本当に心配しているから、説得したいのです。かって彼らと同じ場所にいて、同じものを読み、同じ考え方を信じていた時期があったからなのです。

私は自分が育った反ワクチンコミュニティーの人々を心配しています。麻疹のような感染力のとても強い病気は予防接種を受けていない子どもや大人が患者と接触した場合、その8割から9割に感染します。流行は明日にも起こりうるのです。事実カリフォルニアは6月に百日咳の流行を宣言していて、今年だけで5393人の症例が報告されています。病気はすぐそこまで侵入してきています。私は声を上げてみんなに話さなくてはなりません。ジェフリー・クルーガーがタイム誌に書いた「ワクチンは命を救うものなのに、恐怖がワクチンを危機にさらしている」と言う言葉がとても気に入ってます。私は反ワクチンコミュニティーの友人たちに恐れを捨てて欲しい。そして私は彼らを親しく良く知っている一人の人間として、彼らに語り続けたいのです。私はこのような体験をして、経験を重ね、科学がワクチンへの恐怖を消してくれ、みんなの子どもたちを守る手助けをしてくれると。


 ダニエル・ストリンガーCPNPはアリゾナ州チャンドラーのナース・プラクティショナー(NP)です。彼女は18歳で看護学修士課程を修了して、アメリカで最年少のNPになりました。現在22歳の彼女は、子どもたちを診察していないときには、子どもの健康についての一般的な意識を高めたいとwww.kidnurse.org でブログを書き綴っています。

この記事はダニエルのブログから転載したものです。

元記事 http://www.kidnurse.org/my-journey-leaving-the-anti-vaccination-movement/

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