脱線事故/芸人さん/街路樹にて

 6月1日から7月5日まで、ずっと仕事でばたばたしていた。いちばんヤバかったのは6月19日に起こった小田急の脱線事故に巻き込まれたことで、あれのせいでその後の予定がめっちゃくちゃ狂った。交通費も無駄になったし、お詫びの菓子折りを方々に持っていってまあまあの出費になった。

 とにかく時間がなくて、ひたすら〆切が続いて、ずっと溺れているような状態だった。失踪してしまう人の気持ちがちょっとわかった。それくらいつらかった。みなさまご迷惑をお掛けして申し訳ございませんでした。。。。

 話は変わって、5月にとある場所で生の芸人さんのトークを間近で観る機会があった。それがきっかけで、10年ぶりのお笑いブームが到来した。そこにSALTY'sのインタビューが重なって、やっぱりここでも芸人さんのトーク力に感服。笑いっぱなしだった。

 SALTY'sは音楽もすごく良くて、メジャーデビューアルバム『塩』は普段もよく聴いている。ドラムの手数が多くて音もオルタナ的だし、ピアノやサックスとの絡みもスリリング。でもちゃんとポップソングに着地している。ジェニーハイのライバルになって然るべき存在では?

 リード曲の「塩顔ジェネレーション」はCzecho No Republic・武井優心さんプロデュースの極上ポップソング。わたしのおすすめは「またここに」。あ、でも「メンズラシク」もいいなあ。「白いサンタさん」もいいし、「# モテたい」も……。というわけでレッツリッスンな感じで何卒ひとつ。

 そんななかでわたしの愛しの南海キャンディーズの山ちゃんがご結婚し、スピードワゴン小沢さんのTwitterのトップを見てみたら小沢さんのYouTubeチャンネルができていて、そこにカジサックがゲスト出演している回を見たらめちゃくちゃトークが面白くて、それからカジサックのYouTubeにドハマリしている。なんなら毎週キングコングも観ている。さらにいまはほんのちょっと、西野さんのオンラインサロンに興味が出てきている。のめりこみすぎている。

 言葉を扱う仕事をしているので、自分とは違う方法で言葉を扱う芸人さんのトークには、ものすごく感銘を受ける。悔しいっ!!と思ったりする。わたしはいつも他業種の人から影響を受けるなあ……。だから同業者の友達がいないねん……。

 Skream!さんで、indigo la Endのレポートを書いた。ライブが終わったあと、「このライブ、どうやってレポート書いたらいいんだ……?」とめちゃくちゃ悩んだ。会場から下北沢までの3kmの道のりも、ずっとそれを考えていて、考えながら月を眺めたりなどしていた。

 その結果、川谷さんが「幸せな街路樹」で歌っていることが解決しないというならば、わたしも解決しないレポートを書くしかないなと思った。そして締めくくりは、あの日の夜の美しい月に託した。

 もしかしたらライター/評論家ならば、「このライブはindigo la Endにとって今後こういう位置づけのライブになるだろう」みたいなことを書くべきだったのかもしれない。だけどその場のムードを極力文章で表現するのが、このライブはベストだと思った。そのぶん文章には、沖さやこという人間の五感を反映させたつもりだ。もちろんそれは毎度のことなのだけれど。

 わたしがindigo la Endのメンバーの調和=バンドとしての力に強く胸を打たれたことも、文章からなんとなく伝わっていたらうれしい。ふだんから行間を読んで伝わるものをたくさん散りばめているので、じっくりと味わっていただけたら、これほどありがたいことはない。

 原稿書きマシーンにもなりたくない。いくら「文章が淡白すぎる」と言われても、わたしは炎のスタンプを連打するような原稿は書いていないという自負がある。熱量がバッと飛び込んでくるような派手な文章ではないかもしれない。でも気付かないうちに火傷するような、跡が残るようなものが書けたら、いいなあ……。なんてことを思いながら、おやすみなさい。

最後までお読みいただきありがとうございます。