#232 受験終了

赤黒ジャージを纏った早稲田ラグビーとタイガージャージを纏った慶應ラグビーの対決に感銘を受けた。この試合で僕の志望校がはっきりと定まった。どうせ浪人するなら、ラグビーだけではなく大学としても入学が難しい大学を目指そうと思った。それなら早稲田を目指そう。あの赤黒ジャージを着て、秩父宮や国立競技場の様な大舞台でプレーをしようという思いが湧き上がってきたのであった。
僕は高揚感を感じながら秩父宮ラグビー場を後にした。
自分が目指す大学が定まったとは言え、願書を出して受ける事になっていた日大は1週間後に改めて上京し、受験した。
日大ラグビー部が一般で受けてラグビー部に来て欲しいと言ってくれた事と、受験科目に実技があってその実技がラグビーだったので淡い期待を抱いてはいた。
筆記試験の国語と英語を受けた後、実技試験の為、ラグビー部グランドに足を運んだ。
その場には昨年ラグビー推薦を受けに日大ラグビー部の夏合宿に参加した際に出会った現役ラグビー部の方が試験官の様だった。何人か僕を覚えてくれていて、声を掛けてくれた。
しかもその夏合宿で一緒になった仙台南高校の前田君も受験しに来ていた。
久々の再会ができ、とても嬉しかった。
彼も同じく、僕と同様ラグビー推薦不合格を言い渡されて一般受験をして来て欲しいと言われた様だった。
実技として受けたラグビーは簡単な基礎プレーを行なうもので、個人的に何かをアピールする機会は全くなかったので正直どう判断して実技の得点を付けるのだろうか疑問に思ってしまうものだった。
試験が終わり、帰りは前田君と最寄り駅まで一緒に帰った。彼は浪人覚悟で大学でもラグビーを続けたいどのことだった。
お互い頑張ってどこかのグランドで再会しようと約束し別れた。
僕は日大は試験の手応えから、難しいだろうなと思った。仮に最初に受けた大学に受かっても、行かないで浪人するつもりだった。
二つの試験も終わり、少しホッとしつつ帰北した。

続く…

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