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#231 芽生えた決意

この日はたまたまオール早稲田対オール慶應というラグビーの試合があり、それを観戦する為に秩父宮ラグビー場へと向かっていた。僕は時間が経つにつれ、ようやく呼吸も整い通常に戻っていった。
真冬の2月にも関わらず、汗だくだった。
受験会場の最寄り駅から秩父宮ラグビー場最寄り駅までは20分位だった。
地下鉄の改札を出て、地上に出るとパラパラとラグビー観戦に来たと思われる方々を目にした。秩父宮ラグビー場は銀座線外苑前駅から徒歩3分位だった。ラグビー場への道はとても細い1本道なので、混み合っている場合はもっと時間を要する事が伺えた。
正門前に到着し、門を潜り敷地内に入ると早稲田ラグビー部と、慶應ラグビー部両校のテントがあり、観客や関係者で賑わっていた。
僕はこうしては初めて日本ラグビーの聖地の一つ秩父宮ラグビー場へ足を踏み入れた。

入場券を切ってもらい、ラグビー場内に入ると、テレビで観て思っていたよりは狭いというかこじんまりした空間なんだなと感じた。
この日の試合はシーズン終了後に行われる各校のOBと現役を混ぜたチームで行う親善試合の様な位置付けのせいか観客席は空席だらけだった。
その為、余裕を持って席に座る事ができたので、秩父宮ラグビー場デビューとしては良かった。
席に座りながら初の秩父宮ラグビー場での雰囲気を感じていた。
間もなくして、両校フィフティーンが入場。
初めて生で観る早稲田の赤黒ジャージに慶應のタイガージャージ。
現役に混じって出場するOB達は大学時代から活躍し、当時も社会人チームで活躍していた著名な選手達ばかりだった。
僕はテレビで観ていた選手達のプレーを実際に観ることができ、とても嬉しかった。
親善試合的なものとは言え、両校真剣に勝利を目指している事に変わりはなかった。
良いプレーが出た時は観衆は沸いた。
シーズン中の早慶戦や早明戦の様なぎっしり埋まった観衆の中、緊張感溢れる状況とは少し違うが、両校のプライドを賭けた戦いに僕は引き込まれていった。その中で強いチームに入って、大きな舞台で試合がしたいと言う感情が芽生えた。
続く…

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