3/9(土) 西野亮廣講演会 in 東京で思ったこと/感じたこと/考えたこと

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 彼は、「あと、8分か」と言った。休憩は少しの水を飲んだ程度で、1時間10分喋り倒した後の言葉だった。彼は、ただ壇上の椅子に座って喋るだけではない。時には舞台の左に向かって歩き、しばらくそこで立ったまま喋る。やがて、喋りながら右に歩き出す。そして斜め後ろに下がり、左に向かって、やはり立ったまま喋る。社会(業界、世間)の評価と信用の座標軸の、どの位置に自分は居て、何を目指したのか、これからどこを目指すのか。評価と信用はどう変わったのか。聞き手と向き合い、場の雰囲気を緻密に読み取りながら、自分の活動と、対極にいる人の活動、似た人の活動、社会の動向を巧みに織り混ぜて、よく喋った。「僕はよく動きますねぇ」と、自分に突っ込みながら、気が付けば元の椅子に戻り、また淀みなく喋り続けた。

 最後の8分。彼は、ある人との悪ふざけの話を始めた。「ある人」は世間の評価と違い、「あいつの方がアホだ」という様な事を彼は言った。クソ真面目で、真っ直ぐで、お人好しで、アホが過ぎて、悪ふざけが不発に終わり、カオスな状態になった、という話だった。様々な人の思惑が絡んだ末のカオスは、奇妙な連帯感と緊張感を生む。カオスの傍観者である彼と聞き手は、そのいちいちが笑えて、会場は笑いに包まれた。
 
 彼はなぜ、そんな話を最後にしたのか?答えは「10年先の未来は変えられないかもしれないけれど、過去は変えられるから」だった。過去にどんなに辛く苦しい夜があろうとも、泣き明かした夜があろうとも、大変な失敗を犯そうとも。自らがそこから這い上がり、こうして笑い話として話せる様になれば、それは失敗ではない。失敗をロジカルに解釈し、学び、肯定できる力を身に付ければ、失敗は、もはや失敗ではない。考え抜いて行動し続ければ、失敗は、必ず自分の未来を助ける力になる。
 
 最後の8分は、彼が積み重ねてきた事実の1つとして、それまでと同じく、淡々と喋っていた。急に暑苦しくなるでもなく、情に訴えかけるお涙頂戴ものでもなく、ロジカルに。
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 もしかしたら話し手の彼が受け取ってほしいものと、全く違うものを私は受け取ったかもしれない。1%も合っていないのかもしれない。ただ私はこんな風に思った。

 自分を救えるのは、いつだって自分だけだ。自らを諦めずに、少しずつ、変化し続ける者だけが、手に入れられるものがある。変化した先の未来では、失敗はやがて失敗ではなくなる。それは、確かな希望である。

▼思い浮かんだ本
グッド・コマーシャル (幻冬舎よしもと文庫) https://www.amazon.co.jp/dp/4344420195/ref=cm_sw_r_cp_apa_i_bsWLCbX1CM82B

▼思い浮かんだ映画
・運命じゃない人
https://youtu.be/a8Gbg3GDogE

▼思い浮かんだ漫画
・ダルちゃん: 1 (1) (コミックス単行本) https://www.amazon.co.jp/dp/4091792685/ref=cm_sw_r_cp_apa_i_wZdHCbXKMB76Z

・宝石の国(1) (アフタヌーンKC) https://www.amazon.co.jp/dp/4063879062/ref=cm_sw_r_cp_apa_i_K.cHCbWJ2ADY3
・「宝石の国」のアニメ―ション予告
https://youtu.be/pwFpAyEuph8

▼講演会で話題に出た本

・新世界
https://www.amazon.co.jp/dp/4048964372/ref=cm_sw_r_cp_apa_i_n7cHCbM2Y2Y3D

・革命のファンファーレ 現代のお金と広告 https://www.amazon.co.jp/dp/4344031555/ref=cm_sw_r_cp_apa_i_-7cHCb64Y6DE8

・えんとつ町のプペル
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https://r25.jp/article/581356883170827173

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