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もっと TVのモンダイ点

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前からの続き。21世紀に入ったところです。けっこう今でも同じコトがあるようで…
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2015年7月の記事一覧

136.コメンテーター

「セントピーターズバーグ」
 たぶん、アメリカのどこかにある田舎町なんだろう。この付近で唯一の大学があって、それは青い空と緑の芝生の中に時計塔が建っているようなキャンパス。ここで学ぶ若者の中に「ニューヨークに出てチャンスをつかみたいんだ」という青年がいる。彼は同級生の恋人と別れてグレイハウンドバスで旅立っていく……なんていう、懐かしのニューシネマの舞台みたいな町を想像してしまう。
 が、これ実は、

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135.選挙監視団

「なんだ、なんだ。選挙ってのは公正なはずだろ。ちゃんとやれよ!」
 と、今回の米大統領選フロリダ州の騒動について、さぞや怒っているだろう。アメリカ国民が? ブッシュが? ゴアが? いや、それもそうだろうが、ぼくが心配しているのはそうじゃない。カンボジア国民が怒っているのではないか?
 だって、当確を間違える、数え直すと有効票数は増える、投票用紙の不備は指摘される……と、けっこう選挙がいいかげんじゃ

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134.再現ドラマ

 多くの番組で、数奇な運命に翻弄された素人とか過去の偉人をとりあげる。そこで威力を発揮するのが再現ドラマだ。
 かつては、再現といえばモノクロ。役者の顔が映らないアングルで撮り、セリフもたいていナレーションでつぶされていた。
 あれはまだ無名の役者さんとか劇団員がやっているのだろうが、
「あたしの顔が、下半分しか映してもらえない」
 とか、
「病に倒れるシーンを熱演した(再現ドラマでは病気と貧乏の

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133.喫茶店時代

 本当に久しぶりに、この原稿を喫茶店で書いている。かつて放送作家の仕事場と言えば喫茶店だった。そりゃ、自宅に机はあるし、放送局で会議室をとってくれることもある。だけど、いつでもどこでも、ほんの30分の空き時間でも、原稿用紙とペンさえ持ち歩いていればすぐに仕事ができるのが、喫茶店のよさだった。
 だから放送作家はみんな、放送局の近くに、原稿を書きやすい好みの喫茶店を何軒かリストアップしていたものだ。

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132.歳時記番組

 アニメ「サザエさん」のテーマ曲や「笑点」のテーマ曲を聞くと寂しくなってしまうという人たちがいる。
 あんなご陽気な曲でなぜに寂しくなるかというと、それが日曜の夕方に放送されるから。つまり「あぁ休みも今日で終わりか。明日からまた一週間が始まる」というブルーな気分を思い出してしまうからだ。

 テレビ・ラジオの番組というのは。人の視聴習慣と関連づけて記憶される。その番組のよしあしとは別に、金曜・土曜

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