134.再現ドラマ

 多くの番組で、数奇な運命に翻弄された素人とか過去の偉人をとりあげる。そこで威力を発揮するのが再現ドラマだ。
 かつては、再現といえばモノクロ。役者の顔が映らないアングルで撮り、セリフもたいていナレーションでつぶされていた。
 あれはまだ無名の役者さんとか劇団員がやっているのだろうが、
「あたしの顔が、下半分しか映してもらえない」
 とか、
「病に倒れるシーンを熱演した(再現ドラマでは病気と貧乏のシーンは定番である)のに、セリフを全部消されるなんて!」
 と唇をかんでいた女優さんも多いのではないか?

 しかし、番組における再現ドラマの比重はどんどん増している。それに呼応して色はモノクロからセピアになり、最近ではフィルム質感のカラーも多い。顔だって堂々と出すようになってきたし、けっこうセリフも喋る。
 それに、なんといっても時間が長い。番組によっては、スタジオの有名タレントより再現ドラマの主役の方が多くテレビに映っていることだってある。これじゃどっちの番組だかわかりゃしない。

 これほどに再現ドラマはメジャーになってきたのだ。そろそろ「再現ドラマの女王」という存在が現れてもいいのではないか、と思うのだ。
 CMの女王。学園祭の女王。2時間ドラマの女王。……と、いろいろな分野に女王がいる。「再現ドラマの女王」というポジションは、まだ誰も気付いてない売り込み方だと思うのだが、どうだろう?

【モンダイ点】
◎有名になった「再現ドラマの女王」の人生をたどる番組で、再現ドラマに出るのは誰なのか?

(ステラ/2000/11/22)

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