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両親からの"容姿の呪い"から解毒

こんにちは。今日は私自身の体験を少しお話したいと思います。今回の記事は、読む方によってはつらい記憶をフラッシュバックするきっかけにもなってしまうと思うので、閲覧にはどうぞお気をつけください。
内容は題名のとおりです。


発端になったツイートはこちら。

以前、イメージコンサルタントの資格を取ってこういうお仕事をしようと思う、とコロナ禍に入って間もなく事前報告という形で親に伝えたことがありました。
新たな仕事やるよ~という感覚で話しただけで、特に賛成や反対の意見も欲しい訳でも無く、これから先は土日祝は主に仕事してるかもしれないという意味で報告したつもりでした。

結論、父に大反対を受けました。理由は「お前を見た時に、その教えを乞う人はいないはずだ」ということです。
言われた瞬間、衝撃を受けました。父の言った意味がわからない訳ではありません。それは実は私自身もうっすらそうかもしれないと思っていたことで、図星をつかれたようになった私は会話を即切り上げ自宅へ逃げ帰りました。

噛み砕いていうと、お前はファッションをアドバイスする資格があるほど容姿が優れている訳では無いだろう、ということでした。

これはかなりダメージを受けました。一瞬にして血の気が引いて、熱意を奪われて気力をなくし、資格取得のための予定を開けていたのにも関わらず申し込みをしませんでした。事情を聞いた夫は、そんなことはない、お義父さんはちょっと酷すぎる。資格を取って始めなきゃわからないじゃないか、と励ましてくれましたが、実親の言葉は鋭く心に突き刺さってしまいどうしても怖くなってしまったのです。

これは私が受けた"容姿への呪い"のひとつだと思えるようになったのはだいぶ後になります。

それから約2年経ち、夢を見ていたイメージコンサルタントのひとつである"顔タイプ診断士"の資格を取り開業してから、予想以上のお客様に恵まれて本当に楽しくこの仕事をしていた今年の夏。久しぶりに夫と私の両親一緒に、祖母宅へ帰る機会(お盆)がありました。
(資格取得まで紆余曲折ありましたが、また別の機会にお話します)

そして一緒に食事をしているときに、両親や祖母に悪意なく容姿について揶揄られるのがとても辛く、辞めて欲しい、あなたたちの言葉は私にとって呪いになる、同じように悩んでいるお客様たちの辛さを理論で払拭するために今の仕事をしていると伝えました。

私が具体的に呪いだと感じたエピソードを下記に記します。

近い血縁者は弟を除くと目はパッチリ二重。アイプチをしている私を止めることはなかったのですが、高校卒業したら、成人したら、大人になったらきっと二重になるよ、でもどうしてあなたは二重に生まれてこなかったんだろうねと言った母。残念ながらアラサーになってもなりませんでしたので、諦めて二重埋没をしました。
お前は器量が良くないから、結婚したいなら早めに婚活した方がいいと結婚相談所のパンフレットを22歳の私に渡してきた父。娘としてなら可愛いけれど結婚相手としては選ばないとも言ってきました。

受験生の時に受けた模試の結果が悪く、髪の毛を洗うのに時間をかける暇があるなら勉強しろと、むりやり私のロングヘアを素人の母が普通のハサミで切っておかっぱにし、みっともないから美容院に行かせてくれと頼んでも、母も父も一切取り合ってくれなかったこともありました。受験が終わったその日に美容院に行くことはできましたが、多感な思春期に頑張って伸ばしていた髪の毛を切られたのがトラウマになり、今でも私は髪をばっさり短くすることに抵抗があってできません。まあ……今考えると、はっきり言ってこの時は父も母も受験ノイローゼだったように思えます。

私の両親は、たぶん完全な毒親ではないと思います。
きちんと望む教育を受けさせてくれて、美味しいご飯も出してくれました。天然パーマで困っていた小学生の私に、縮毛矯正を受けさせに美容室に連れて行ってくれたのは母ですし、そのお金を快く出してくれたのは父です。アフロのようなぐるぐるヘアーだった私がストレートヘアに生まれ変わった姿のインパクトはものすごく、誇張ではなく他のクラス・学年の子たちが私の髪の毛を見にきたくらいでした。

メイクは小5くらいから始めたのですが、ファッションも含めて特に制限を受けたこともありません。
楽しい思い出もたくさんあります。どこにでもいる、ただの普通な家庭のひとつです。

けれど、上記のように容姿についての言葉は私にとって長年凄まじい呪いになっていました。どんな家庭にも、何かしら"外の視点"や"身内の経験談"を紐解くと、普通とは言えない部分はあるものだ、と理解しています。

美意識が高く、今でも美しい容姿を持つ祖母が、息子である父の容姿をからかっていたのを見た時、ようやく父も同じような呪いをかけられていたことに気づきました。なので、あえて祖母と両親が揃ってる場でやめて欲しいと伝えました。30歳過ぎてようやく言うことができたのです。

感情的にならず務めて理性的に言いましたが、とりあえず真意は伝わったような反応でした。事前に夫には何も言わなかったのですが、発言を後押ししてくれたのも嬉しかったです。

父母は私の夫が大好きで、実の息子のように可愛がってくれているので、夫が「○○(私の名前)が傷つくのはもう見たくないです」の言ったのがだいぶ応えたようですし、私の「このまま似たようなことを言い続けるなら会いたくなくなる」というのにもハッとしていました。

これは仕事を続ける上で絶対に避けては通れなかった道です。近しい関係の人や好意を持つ相手からの容姿への評価は呪いになりかねません。そして呪われていること自体にも気づかないことも多いです。
お客様の中でも、他人だけではなく身内から悪意無かったとしても容姿やファッションについて言及されてつらい思いをした方もいらっしゃったので、すごく許せない気持ちになりましたし、それならまず近い関係である親や祖母からその考えを変えてやろうと考えました。
幸い私が感情的にならず真摯に訴えれば、話をちゃんと聞いて理解してくれるだろうという話し相手への"信頼"がありました。それがなかったら、諦めて最初から没交渉にするルートを選んだと思います。

これをきっかけに父自身も呪いを払拭できたらなと願ってます。直ぐに変わるかはわからないですが、嫌だなと感じたら根気強く言い返していきます!
そして私が私のコンプレックスを受け入れる姿を見せることで、私と顔と骨格もそっくりな父を癒すこともできたらいいなと思ったできごとでした。

ここまでお読みいただいた方の中でも、お盆休みやお彼岸、連休などで実家に帰省されたりして、地元のご友人に久しぶりに会った方もいらっしゃると思います。そんな中、例え相手に悪意がなかったとしても、冷水を浴びるような容姿への評価をされて傷ついた方もいらっしゃるのかもしれない……と思い、あえてあのアカウントでツイートしました。

このよしながふみさんのインタビューは、私が両親から受けた容姿への言葉が、呪いだったと気づいたひとつのきっかけとなった記事です。

色黒だとか足が太いとかニキビがひどいとか、親にしてみれば、何てことのない〈感想〉だったりするんですよね。自分と似ているから、つい言ってしまったことだったり。でも、価値観の違いだったら言い返せるかもしれないけれど、そういう感想って反論のしようがないんですよ。
私の母は祖母に容姿のことをすごく言われて育ってきて、それが嫌だったので自分の子には絶対言わないと決めていたそうで、実際私は親にはそういうことを言われなかったんです。
でも周りを見たときに、そんなに足が太くないのに、親御さんにそう言われたのを気にして足を出さないようにしている子だったり、同じように色黒だと気にしている子だったり、十分可愛いのに親に妹と比べられて自信が持てない子だとかがいたりして、外見に対する親から言われた言葉の刷り込みのすごさは感じていました。

漫画家よしながふみが語った、「母と娘」そして「恋愛」と「容姿」にまつわること

――「顔で見初められないのだから手に職をつけなさい」と親に言われたと話していた友人がいました。

かように、今時なら言わないようなことを昔の親御さんは結構平気で言ってきたわけです。謙遜だったり、将来を心配してだったり、何の気なしの言葉だったりするのですが、子供は言い返せずに飲み込むじゃないですか。とりわけ容姿にまつわる親の言葉というのは、ある意味、呪いなんですよね。

漫画家よしながふみが語った、「母と娘」そして「恋愛」と「容姿」にまつわること

記事の中で述べられている、どうして外見の呪いの言葉を子どもへ投げかけてしまうのかという謎を、ある三世代の親子を例にあげてオムニバス形式で紐解いていく作品です。そこにはそれぞれしっかりとした経緯が描かれていました。祖母・母・娘が育った時代における"好まれる女性"の在り方の違い、容姿が優れていた同級生とのちょっとしたきっかけ、母から教わった女性性を反面教師にして子へ伝えるトラウマ、心理描写が巧みなのでするすると心に落ちてきます。
他にも結婚という道を選ばなかった女性や、大人になって友人との関係性が変わってしまった女性についても描かれています。発行は2003年ですが、今の私たちが読んでも刺さるものが多いです。

少しまとまりのない文章になりましたが、「関係性が深い浅いに関わらず、他人の容姿への言及をするならばポジティブな言葉で伝えられるように意識していきたい」「ふと投げかけられた容姿への評価を、過剰に受け取らなくても大丈夫」ということが、この記事の主旨であります。

ここまで読んでくださった方が、何か考えるきっかけになれれば幸せです。お読みいただきありがとうございました。

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