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優しくて強くて我慢強ければうまくいくわけではない

高校時代の友人がアメリカから帰国しており、会えない?と突然連絡が来て会ってきた。彼女に会うのは6年ぶりのこと。

ずっと親交が続いている彼女は、私の周りの友人達の中ではピカイチの天真爛漫な人。その明るさに惹かれて、彼女の周りにはいつも必ず誰かがいてひっぱりだこだったし、笑いの絶えない場でもあった。まるで太陽みたいな人だと言っても褒め過ぎにならない。そのくらい素敵な子だった。


いつかモンゴルに住んでみたいのだとか、獣医になりたいとか、彼女の描く夢は壮大で面白かった。その上本当に優秀な人だったので、夢は叶わなかったけれど、描いてた夢と同じくらいスケールの大きな仕事を選んで、しまいには渡米しちゃうし。実に彼女らしいなぁなんて誇らしく思ったものだ。


そんな彼女と久しぶりの再会だったのだが、見たことない暗い瞳と酷い目のクマに私は驚いた。纏うオーラも悲しげにも見えるが、いきなり事情を聞くわけにもいかない。時差ボケかな?と推測したものの、そうではない。とはいえ何も気付かないふりをして和やかに会話は始まり、お互い子供を連れていることもあって最初は当たり障りのない近況報告を続けた。

お昼時になって、じっくり座れるところへ移動。ランチビール飲んじゃおうよという提案から、なんとなく“久しぶり‘’という名の鎧からお互い一気に解放されていく。

結論としては、向こうで結婚した彼女の夫はモラハラだったのだ。あまりにもささいなことで理不尽に怒られ過ぎていて、彼女は疲弊していた。持ち前の明るさを失ったのはそのせいなのだろう。私と状況も酷似していて、解る解ると頷き過ぎて同意し過ぎて、私は首の骨が折れるごとくあった。

子供が大きくなるまで今の状態を耐え忍ぶのか、それともまだ再就職が見込める年齢の内に、子供を連れて帰国しようか。でもシングルマザーでやっていく自信がない。彼女は悩んでいた。解る。解り過ぎるよ。書いてて思い出し泣きしそうだ。不安だよね。


彼女はとても優しくて強い人。昔からずっとそう。優しくて強い人は我慢することができるから、パートナーからモラハラに遭いやすいのだろうか。私も自分で言うのはアレなんだけど、比較的優しくて、比較的強い自負があるもんで、自分の姿にとても重なった。そして彼女の旦那さんへ強い憤りとやるせなさを覚えた。天真爛漫だった彼女をここまで萎れさせるなんて、まじでムカつくわぁ。。でもきっと、私の周りの友人達も私に対して同じような思いを持っているのだろうな。


私も自分の近況とか悩みを話して痛みを分かち合った。でもお互いにしてあげられることも、かけられる言葉もないことを私達は判っている。自分の人生だから、自分で考えて腹括って選び取るしかない。どんな慰めの言葉も明日を生きる希望にはならないのだ。そのくらいモラハラって辛い。基本的には離婚するしか出口がないから。

やるせないね、つらいね、なんとか生き延びようね、、と口にはせず、無言で強くハグして別れた。


優しくて強いのは、もしかしていいことではないのかもしれない。弱くてワガママな方が生きやすいのかもしれない。何が正解かは、わからない。そのようなことを考えながら帰路に着いた。

私は自分の子供には、優しくあれ強くあれ我慢強くあれとは沢山は言わないでいようと思う。

あなたの気持ちはあなただけのもの。それは大切にしていいんだよと、子供には伝えたいな。

文章を書くことをどうにかして夢に繋げられたらなと思っているのです。 頑張ります!