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禁薰食(きんくんしょく)のすすめ

まずはこちらの1曲をどうぞ。↓

"The Onion Song" - Marvin Gaye & Tammi Terrell

https://youtu.be/6ElC4UwYVuA

世代的には、この曲を初めて知ったのは椎名林檎&純平兄妹のデュエットによるカバーでした。かっこいい!

当時も今もこの曲は好きですが、印象がだいぶ変わりました。その理由のひとつに、2〜3年前から玉ねぎ、ネギ、にんにく(以下、ねぎ類)を食べないよう習慣化していることがあります。私はそれら3つに共通して含まれる硫化アリルという成分にアレルギー反応を示すようで、食後に腹痛やのどの痛み、動悸などを頻繁に経験するうちに、なるべく摂取しない食生活を選ぶようになりました。例えば大量のにんにく載ったステーキとか食べると翌日臭いを感じたりすると思うのですが、私の場合ごく普通のカレーを食べても食後からにんにく臭さが丸一日消えない+お腹痛いetc.みたいな感じです。食後はとにかくシュークリームかアイスクリームかナッツが食べたくなります(謎)。

食べることが大好きなので、生まれて初めてのアレルギーを自力で発見した時は世界が違って見えるようでした。しかも、ねぎ類は加工食品等で表示が義務付けられている7品目にも20品目にも含まれていないため、避けるためには自助努力が相当必要と感じています。20数年間気づかずに食べ続けて謎の体調不良に悩まされていた私のような人が、少しでも気づいて検査するとか摂取を抑制することができるようになるといいなと思っています。

とはいえ和食をはじめあらゆる料理に欠かせないねぎ類を避けるのは不可能ですし、可能だったとして文字通り味気ない食生活になることが必至です。食いしん坊の私はどうしても誘惑に抗えないので、たまには食べます。痛みのない明日や苦しみのない午後の打ち合わせと引き換えに。カレー、餃子、ハンバーグ、チャーハン、しゅうまい、鴨南ばん。(好きな食べ物ばっかりだ)食後にはこっそり胃腸薬を飲みます。本当は食べたい、参鶏湯にキムパ、春野菜のペペロンチーノ、麻婆豆腐、サルサたっぷりのタコライス。「もし明日地球が滅亡するとしたら」、一度でいいからヤムウンセンを一人前食べてみたい。

最近は外食の際にねぎ抜きを自然にリクエストしたり、デフォルトねぎ抜きメニューのある中華料理屋、比較的問題ない方のカレー店等の情報が蓄積され、料理を選ぶテクニックもだいぶ磨かれてきました。そしてこれら脱・ねぎ類メニューは精進料理に倣って通称: 禁薰食(きんくんしょく)と呼んで自分に対して推奨しています。一方で、友人、家族とは普通に一緒に食事を楽しむようにしています。自分から食べない分、誰かとたまには食べたいってだけですが。

味気ない食生活は、他のスパイス、つまりコショウや七味、トリュフ塩等を活用すると改善できます。特に京都・原了郭は有名な黒七味などを豆袋という使い切りできる小分けパックでも出していて、一人暮らしでも外食時でも、例えおそばがねぎ抜きであっても(あぁなんと間抜けな響き)美味しくいただけて重宝しています。

信じられないようなこともいろいろあるけれども、この世界と自分を受け止めて前に進めよとねぎ類たちに言われているのかも。願わくばいつか笑ってカレー屋めぐりとか餃子屋のハシゴとかできる日が来ますように。そのためなら検査でも治験でも医学の進歩に微力でも協力したいので、関係筋の方は是非ご一報ください。

最後に冒頭の曲の歌詞抜粋を。

The world is just a great big onion
And I don't care, is the face people like to wear
Yes it is now, oh, baby
And the only way to get rid of this great big onion
Every one single soul's got to do their share

[抄訳]

この世界はばかデカい玉ねぎみたいなもの

人がどうしようと関係ない

そう、この巨大な玉ねぎから逃れる方法はただ一つ

一人ひとりの魂が何かを分かち合うこと


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