1.世界で唯一「安倍元総理と統一教会はズブズブの関係」を説明できるのは鈴木エイト氏だけ
自民党と統一教会・勝共連合の関係は政治史に興味のある人なら当然誰しも知っていたことです。だから安倍元総理が暗殺された直後、政治ジャーナリストや政治記者は誰も山上徹也被告が安倍元総理を狙った動機を説明することができませんでした。
そこに突如、紀藤正樹弁護士のテレビ朝日スタッフへの口利きでメディアに現れたのが鈴木エイト氏です。
そして、″エイト氏だけが語れる″ 「安倍元総理と統一教会はズブズブの関係」という自説を展開していきます。
2.山上被告が信じた鈴木エイト氏の陰謀論とは
自民党や岸信介元総理と統一教会や勝共連合の関係は、日韓戦後史に於いて虚実入り混じった様々な話が語られてきました。その中には明らかな陰謀論もあり、特に安倍政権以降はネット上で荒唐無稽な陰謀論が盛んに飛び交い、世情のアベガーとも重なりかなり悪質な投稿もあったようです。その陰謀論の渦中にあり陰謀論を発信していた中心人物の一人が鈴木エイト氏です。
統一教会に強い恨みを持つ山上徹也被告は、反統一教会活動をしているエイト氏にシンパシーを感じていたのか、エイト氏の陰謀論を盲信し殺害の対象を安倍元総理に向けるという最悪の結果になってしまいました。
では、山上被告が信じた「安倍は統一教会シンパ」「安倍と統一教会はズブズブの関係」「安倍は第2次政権以降、統一教会に近づいた」とするエイト氏の陰謀論とは一体どのようなものなのか?果たしてそのストーリーは合っているのか?エイト氏の主張する内容を時系列で見ていきましょう。
2-1.安倍は第2次安倍政権以前は統一教会と親密な関係ではなかった
2006年に安倍元総理がUPFに官房長官名で祝電を送ったのは事実ですが、エイト氏が主張するような ″見返り″ ではありません。
保守議員なら過激な性教育(包括的性教育)や、行き過ぎたジェンダーフリー教育に反対するのは当然のことで、何も統一教会の思想に共鳴して行ったものではありません。
詳しくはこちら↓をご覧ください。
統一教会が日本で伝道を始め政治に近づいた頃、勝共連合が創設された頃から統一教会は一貫して自民党支持です。安倍元総理が2012年12月になって今更、統一教会に接近しなくても統一教会票は自民党に入ります。
では何故、鈴木エイト氏が安倍元総理が統一教会に接近したのを2012年12月発足の第2次安倍政権以降としたのか!?何故、第2次安倍政権以降に設定しなければいけなかったのか!?
ふふっ笑
詳しくはこちら↓の考察をご覧ください。
『自民党の統一教会汚染』の疑問点・矛盾点②(鈴木エイト氏が安倍元総理と統一教会の蜜月関係を2013年からと設定した訳)
山口の地元事務所が独断で送ったものとはいえ安倍元総理は2006年にUPFに祝電を送っていました。しかし、エイト氏は2005年・2006年の祝電については余り取り上げず、トランプ元大統領との兼ね合いで送った2021年9月の動画メッセージを「安倍と統一教会との関係の集大成」「安倍は統一教会との蜜月関係を隠さなくなった」などと、殊更に強調し結果、山上徹也被告を誤認させるに至りました。
2005年・2006年の祝電と2021年の動画メッセージにどのような違いがあるのでしょうか。
2021年の動画メッセージをエイト氏が殊更に強調するのはエイト氏が統一教会を約25年近く追ってきたという自身の成果、ジャーナリスト()としての評価を得るためのアピールだと感じます。
また、安倍元総理は2021年の動画メッセージも当初はUPFからの依頼に難色を示していました。しかし、トランプ元大統領が動画メッセージを送るとUPFに口説き落とされ承諾したものです。
安倍元総理もトランプ元大統領の存在がなければUPFからの依頼を断っていたかも知れませんね。
2-2.安倍は第2次安倍政権以降、憲法改正の長期政権を目論み統一教会に接近した
鈴木エイト氏の言う ″危険な取引″ とは何なのか?
エイト氏の陰謀論「安倍元総理は第2次安倍政権以降、統一教会に接近し、両者は裏取引を結びズブズブの関係になった」のストーリーはこうです。
先述の通り、統一教会は日本で伝道を始め政治に近づいた頃、勝共連合が創設された時から一貫して自民党支持です。安倍元総理が第2次安倍政権以降に統一教会に接近し ″危険な取引″ を結ばなくても自ずから統一教会票は自民党に入ります。
鈴木エイト氏が「安倍元総理が統一教会に接近したのは2012年12月発足の第2次安倍政権以降だ」とした理由については、こちら↓の考察をご覧ください。
『自民党の統一教会汚染』の疑問点・矛盾点②(鈴木エイト氏が安倍元総理と統一教会の蜜月関係を2013年からと設定した訳)
気付かれましたか?エイト氏は「統ー教会と安倍晋三元首相のズブズブの関係を明確な論拠で語ることができるのは私以外にいません」と断言するわりに、その論拠を全て「疑惑」としています。
取材も裏取りもせず、確証も得ずに妄想で適当に『やや日刊カルト新聞』というブログサイト・Xに投稿していたのでしょうね…。そして山上徹也被告はそんな妄想を真に受けてしまった…。何とも愚かしい限りです。
2-3.安倍・下村の圧力によって変更された教団名
事実無根です。
安倍元総理や下村博文大臣(当時)が文科省に圧力をかけ教団名が変更された事実はありません。
詳しくはこちら↓をご覧ください。
2-4.安倍・官邸の意向で結成・活動した勝共ユナイト
事実無根です。
安倍元総理や官邸の意向で、勝共ユナイトが結成・活動した事実はありません。
詳しくはこちら↓をご覧ください。
2-5.安倍は官邸に統一教会トップ夫婦を招き翌月の選挙対策を練った
事実無根です。
安倍元総理が官邸に統一教会会長ご夫妻を招待した事実はありません。
詳しくはこちら↓をご覧ください。
同時期の記事なのにエイト氏が統一教会会長の奥さんの名前を、『やや日刊カルト新聞』(=『自民党の統一教会汚染』)では李海玉氏とし、Xでは宗龍天氏と記載していることが気になるところです(笑)役職付きの奥さんの名前すら正確に掴めていないことが分かります。
2-6.2017年以降、加速する安倍と統一教会の癒着構造
2-7.第4次安倍第1次改造内閣(2018年)は統一教会内閣
2-8.第4次安倍第2次改造内閣(2019年)は ″異常″ な統一教会内閣
2017年以降の鈴木エイト氏は、安倍元総理や自民党と統一教会の ″癒着構造″ が「いくつも露見した」「一層可視化された」としていますが、個別具体的な事例は一切提示していません。
◯◯議員が統一教会や統一教会の政治・ボランティア団体のイベントに出席した・祝電を送った、その議員が安倍内閣で登用された、というただその事実のみをもって「安倍と統一教会のズブズブな関係は一層加速した」と言っているのです。
一言で言うと、アホかっ!!!って感じです。
政治家は、地元の支援団体・支援者・支持者からイベント等への出席・祝電の依頼があれば、その団体が指定暴力団・反社会的組織でない限りどこにでも行くものです。政治家とはそういうものです。
エイト氏は自民党議員の統一教会、統一教会の政治団体・ボランティア団体の出席が、安倍元総理や菅義偉元総理の指示で ″派遣″ されていたと思っているのです。
公明党や共産党の議員は確かに党本部の指示 ″派遣″ でイベントや講演会に参加します。しかし自民党はそうではありません。
自民党はいわば個人事業主のようなものです。選挙区の支援団体・支援者・支持者から要請があれば、議員各個人の判断で出席をしているのです。エイト氏は先ずここが分かっていないのです。
まして統一教会は2009年にコンプライアンス宣言を出し高額献金・霊感商法などの問題も過去のものとなっていました。その団体のイベントに政治家が出席して何が問題なのでしょうか。
アベガーメディアも本当はエイト氏の妄説を馬鹿げたことだと分かっているくせに、アベガーをしたいがためにエイト氏の与太話に乗っているのだから、オールドメディア離れが起こるのも致し方ないと思います。
2-9.安倍退陣
2-10.安倍のUPFへの動画メッセージは統一教会とのズブズブな関係の集大成
「UPFを褒め称えた安倍晋三元首相」
「韓鶴子総裁を絶賛」
「恥ずべき日米の元首相が揃い踏み」
「韓鶴子に敬意表す」
「安倍晋三前首相の″統一教会詣で″」
「安倍晋三、統一教会との蜜月を笑顔がカミングアウト」
「韓鶴子総裁を称賛」
山上徹也被告は安倍元総理がUPFに送った動画メッセージを見て殺害の対象を安倍元総理に定めたと供述しています。
鈴木エイト氏の記事やブログ、Xなどを追いネットの陰謀論にハマっていた山上被告にはエイト氏の上記にピックアップした文言がどのように映ったでしょう…。そして、どのように感じとったでしょう…。
当初はUPFからの依頼に難色を示していた安倍元総理ですが、親友であるトランプ元大統領も動画メッセージを送るとUPFに口説き落とされ動画メッセージを送ることに承諾しました。
安倍元総理の動画メッセージではエイト氏が言うような統一教会やUPF、韓鶴子氏を絶賛・称賛するような発言はしていません。
そもそも、UPFは宗教行事などは一切行っていない国連のNGO団体です。その国連NGOに元総理が動画メッセージを送ったからといって何が問題なのでしょう。
統一教会とは距離を置いていた安倍元総理。安倍元総理もトランプ元大統領の存在がなければUPFからの依頼を断っていたかも知れませんね。つくづく残念に思えます。
3.鈴木エイト氏の陰謀論が破綻している理由
山上徹也被告が信じた鈴木エイト氏の陰謀論「安倍元総理は第2次安倍政権以降、統一教会に接近し、両者は裏取引を結びズブズブの関係になった」
しかし、このエイト氏のストーリーって
●教団名変更に安倍元総理や下村大臣(当時)が圧力をかけた事実はない
●2016年の勝共ユナイトの結成・活動は安倍元総理や官邸の意向ではない
●教団会長と総会長夫人が官邸に招待された事実はない
●自民党は公明党や共産党と違い、党本部の命令・指示で議員をイベント等に ″派遣″ することはない
●2021年9月のUPFへの動画メッセージは親友であるトランプ元大統領との付き合いから送ったもの
これだけ事実無根の虚偽・エイト氏の誤認で構成されているのです。構成される土台が事実無根・誤認である以上、エイト氏の主張するストーリーは成り立たない、破綻しているということになります。
そして、そのエイト氏の陰謀論ストーリーを信じ、安倍元総理を殺害の対象にした山上被告は間違っていたという結論になります。
4.山上被告を信じ込ませたのは鈴木エイト氏!?
まぁ山上徹也被告もどこまでネットの陰謀論、鈴木エイト氏の陰謀論を信じていたかは分かりませんけどね。
エイト氏が自身と山上被告を強引に結び付けることで飯のタネ、ジャーナリスト()としての自身の成果・名声に繋げようとしているきらいもあります。
山上被告がそんなにもエイト氏のファンでエイト氏の妄説を盲信していたのなら、拘置所へのエイト氏の面会希望にも、何通もエイト氏が送っている手紙にも少しは反応しても良さそうなものだと思うのですが。
山上被告が安倍元総理を狙った理由は今後の裁判で明らかになっていく、いやなって欲しいです。
5.山上被告の″思い込み″″勘違い″ではなく鈴木エイト氏の″思い込み″″勘違い″だった
鈴木エイト氏の主張する陰謀論が成立しない以上、山上徹也被告が殺害の対象を安倍元総理に向けたのは自ずと間違っていた、という結論に至ります。
″思い込み″ や ″勘違い″ は山上被告の ″思い込み″ や ″勘違い″ ではなく、エイト氏の ″思い込み″ や ″勘違い″ なのです。
エイト氏の妄言を信じて凶行に及んだ山上被告は本当にバカだと思います。
そらそうでしょうね。貴方の妄想ストーリーですから。そら貴方しか語れる人はいませんよ。
そらそうでしょうね。貴方の発信する情報を真に受けて山上被告は殺害の対象を安倍元総理にしたのですから。悉く合致するのは当然でしょ。
襲撃事件から1年8ヶ月経っても、いまだに「安倍元総理と統一教会のズブズブな関係」を明確な根拠も以て示さない鈴木エイト氏ですが、エイト氏は虚偽の陰謀論を繰り広げ、統一教会に恨みを持つ山上徹也被告の増悪感情を煽り、勘違いさせ凶行に走らせた責任、関係のない安倍元総理の命が奪われた責任についてどう落とし前をつけるつもりなのでしょう。