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非営利組織の事業デザインについての覚書〜経営合宿してきました〜

17年度から、Collable事務局の再定義をしまして、事務局を中心とした運営基盤の構築を図ってきました。で、もうすぐ17年度も終わるということで、昨日今日と、滋賀県長浜市で事務局合宿をしてきました。来年度以降、たくさんの「変えること」をどう変えるのか、ガッツリ話し込んできました。しかも今回は、なんとHEISEI KAIGO LEADERSのチームも同じタイミングで長浜で合宿!ということで、結果合同合宿になりました。代表の秋本可愛ちゃんとは仕事の相談から、プライベートでもとてもお世話になっていて仲良くしてもらっていますが、チーム間で関わることはなかなかないので、チーム同士の交流機会をもてたことがとてもよかったです。また、今回合宿先に選んだのは、防災ガールが現在拠点にしているお家、通称NAGAHAMA BASE。気を使わず過ごせて本当に活動しやすかったです。田中美咲ちゃん、ありがとう!

今日はその中身を一部紹介すると同時に、改めて、ソーシャルスタートアップ(ソーシャルビジネス)領域にいる今を見つめてみることにしました。

右手に富士山が見えるよってアナウンス、初めて聞きました。めっちゃきれいな富士山!

スケジュールは以下の通り。

■24日(土)
12時ごろ:長浜駅下車、お昼ごはんにありつく。が、人気店は長蛇の列により、店探しに苦戦する。
14時半:本当は13時半に現地につきたかったが、昼飯計画が甘すぎて予定の電車に乗れず、1時間遅れる
15時〜18時半:ビジョン・ミッション等のことばの再定義を議論。最後の方で事業デザインの方針の下地を固める。
18時半〜20時半:びわこ食堂でとりやさいみそをみんなで食らう
20時半〜21時半:さくっとあねがわ温泉で疲れをとる
21時半〜夜中:お互いのチーム(HKLとCollable)の今日のディスカッション内容のシェア、飲んだり食べたり仕事したり

■25日
10時〜12時半:事業デザインと予算、年間スケジュールを概ねFIXさせる
12時半〜14時:福田屋でオリンピックみながらおでんとかうどんを食べる。
14時〜15時:最後議論のまとめとお片付け。そのあと帰宅。

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この数年は、社会課題をチャンスとして捉えながら、その課題解決を図りながら、インパクトを生み出す、ということを目指して、あれやこれや今後の方針を考えていました。基本的には9割は失敗してきた5年間だったなぁと個人的には思っていて、ネガティブなこともいろいろあったけど、それでもなんとか踏ん張ってこれたのは、役員のみなさんや現事務局、長く付き合ってくれているパートナーのみなさん、変わらず声援をかけてくださる方々のおかげだなと思っています。

一方で、そのお気持ちに答えられていないと思っていたと同時に、この数年は初めて、「自分で納得感がある進め方ができているか」という問いに対して自問自答を続けいた側面もあり、ジタバタしている自分に嫌気が差す。というあまりよくないスパイラルになりがちだったように思っています。

5年もしぶとく(しつこく)やり続けていくと、それなりに答えは見えてくるもので、私たちの場合は、課題定義不足(説明することば探しに苦戦)、それによる収益モデル不全、時代における社会的認知の影響(変化)と、3つのポイントがあったかなと思っています。

これらのポイントについてはまたの機会に書きますが、これら3つを背景に、今回の合宿では、①Collableをシンプルに伝えるためのことばづくり、②『私たちにあう方法』による事業(収益)モデルの検討」、③コミュニティを育む年間計画方針、そして最後に④5周年感謝祭の企画概要について、ガッツリ話し合いました。

長浜はまだ雪が残っていて寒いので、こたつ会議させてもらいました。

===🚗===

とうわけで、先に紹介した①〜④のうち、2つのことで大事だなと思ったことを備忘録的に書いてみます。

①Collableをシンプルに伝えるためのことばづくり

つまり団体によくあるビジョンやミッションに関して、改めて言葉を定義しなおしました。そもそもなぜこれを行ったかというと、代表以外がCollableを説明できず、手がかりになる言葉の統一ができていなかったことにありました。(超反省)

これの背景は、結局社会課題定義の甘さにあるのですが、そもそも、「障害の有無を越えた人の関係性をポジティブにすること」ができていないよね、という説明が全然できていなかったんです。障害者問題=障害のある人たちの何かの困り事を解決する、という構図が強くあり、「そうではないこと」を説明するのに言葉が見つからなかった。言葉が見つかる以前に、「関係性に着目する=障害のある人と障害のない人の間を見つめること」ということの価値がなかなか伝えられずにいました。「交流イベント」とかでは解決できてない本質的な課題を裏付けるデータも示せず(今は必要に応じて語れます)、共生社会イベントの延長?的イメージから逃れられずにいました。しかもそうした課題感は、創業当時よく語られていたのは教育現場だったので、それを手がかりにしていたのですが、それも見当違いだったことに後から気づき、軌道修正してきたかたちです。

幸い、近年では私たちが大切にしているインクルーシブデザインの手法や事例が増え、注目度も上がり、また、ダイバーシティへの問題関心の高まり、東京オリンピック・パラリンピックにむけたニーズ、障害者雇用などによって多様な人達と接点が増えた一般人の問題意識の顕在化などが後押ししてくださり、私たちにもご相談があるという状況にあり、本当にありがたく思っています。これが、時代における社会的認知の影響(変化)という部分です。あとは、ワークショップの実践の中で見えてきた純粋な気づきをさまざまなことばで残してきた蓄積が、ようやく花開いてきたという側面もあり、失敗もたくさんしてきたなりに、実践を細く長く続けてきてよかったなと思っています。

ことばが生まれると、語る人が増えます。そして、その語りに共感して、またチームが大きくなる。価値を届けたい人、一緒に活動したいと思う人、そうした届いて欲しい人に適切に届けるために、NPOは特に、そうしたメッセージの発信姿勢を大事にすべきなんだなと実感しています。

そして2018年から使う、いくつかのことばをつくりました。きっとまた、私たちと時代の変化によって変わってくると思いますが、近々お披露目したいと思います。

②『私たちにあう方法』による事業(収益)モデルの検討」

上記に関連して、「何屋なのか説明しづらい」チームには、なんとなくのおしごとが流れ込んできます。もちろん、どれも私にとって良い経験だったことは間違いなく、様々な機会を提供してくださった、お声がけくださったみなさまには感謝してもしきれません。

一方で、あくまで私たちはNPO法人なので、社会課題解決できてる?という問いかけを常にしていかねばなりません。それをつまり主催事業として推し進めていくべきなのですが、この辺にことごとく失敗してきています。

でも、こうした失敗は次の道を開拓してくれる道標なんだなと、ここ1,2年で実感してきており、ようやくそれらしい形が見えてきたかな、と思っています。これも以外にスベるのかも、ということもありますが、どうしてスベるのかを見て考えて気づくことができるくらいの経験は経てきたかなと思うので、また日々状況を見ながら、活動を直したり変えたりしていくかなと思います。

この辺の考え方としては、「チーム、食べれるほどの収益担保できそう?」という収益性と、非営利チームという前提の計画性のバランスを見極めることが難しいなと思っています。現在私たちは、フルタイムメンバーは代表の私だけで、あとの大人のメンバーはプロボノメンバーになります(他に本務があるので)。なので平日日中は基本的に動けないし、時には週末仕事が入る場合、事務局で顔を合わせる事がそもそも難しい。リアルタイムコミュニケーションすら難しいので、基本的には私がほとんどの業務を担当することになります。そこに、他のボランタリーなメンバーや、パートナーとの業務なども、どうやって、みんなに無理なく関わってもらうのか(仕組み化)を考える必要があります。その辺の作戦も、ようやく立てられるようになりました。

と言いつつ、何より大事なのは「私が納得できる活動体になっているか」なんだなと心から思います。「その活動で信じられるか?」という問いかけを過去の自分にしてみると、おそらく「なんかもやもやする・・」って常に言っていたような気がします。「今はこれでいける!」と自信をもてたら、失敗しても軌道修正の方角が見えてくるなという手応えがあります。「あなたは何の活動を信じられるか」は、すごく大事な問いかけなきがするな。

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その他議論したこととして、今まであまり注目されていなかった手法を打ち出す時のことばについて、その新しい言葉を使うのか、別の言葉で使うのか、という議論もしました。でも、その新しい言葉=価値観を届けるなら、その言葉をあえて使って発信する、という立場にたってみることにしました。一方で、その言葉では伝わらない人がいるのは事実なので、代わりのことばもつくらないとな、と思います。

また、活動のターゲットになる人たちは、どこの企業や団体も考えるかと思いますが、ターゲットの認知プロセスの仮説をもつことも、改めて大事だなと実感しました。特に、社会課題解決を行う団体は、認知プロセスの仮説をたてるのが難しいです。本当は簡単なプロトタイプをさくっとやってみて、微変化させながら回数を増やしていくのがいいのですが、特に、活動内容によっては、仮説検証をするスピードを持てない現場だとそれが難しい。その場合、1回の活動からたくさんのことを考える必要があるように思っています。実際に私たちも、子どもたちの活動への仮説検証は、この1年でスタイルを変えました。数回の中で何が見えるのか、兆しがあるのか、期限を決めて動くということに取り組み始めています。

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そんなわけで、具体的なことは書きませんが、あれこれ考えたことを、HEISEI KAIGO LEADERSのみなさんともシェアして&されて、お互いが今どんな課題感をもっていて、どこまで届けていきたいのか、ということを聞かせてもらえるのは、またチームの立ち位置を俯瞰する意味でもすごくよかったです。お互いわりと近い領域の活動なので、情報交換もしやすく、和気あいあいですごしました。

HEISEI KAIGO LEADERSのみなさん、そして場を提供してくれた防災ガールの田中美咲ちゃん、どうもありがとうございました!

最後に、Collableは基本的にフラットなチームすぎて、逆に、代表の私が「ないがしろにされているのでは??」と思うぐらいのどフラットチームなのですが苦笑、すごい楽しかったよ!

そして、合宿では「個人がちゃんと発信しよう」という具体的なアクションが決められたので、それ用のマガジンを作りました!事務局4人を中心に、Collableの活動にかかるあれこれに関して、このマガジンに入れていくので、ぜひ読んでね!

メンバーの紹介は、またどこかでします。(多分)

ということで、これからもよろしくお願いします!しーゆー!


いただいたサポートは、多様な人たちとの関係性が当たり前にある社会の実現に向けて、Collableに寄付します!