マガジンのカバー画像

読書ノート* 読んで感じたことを まずは書いてみる

13
とりあえず1ヶ月間、読書の感想を書いてみます。
運営しているクリエイター

記事一覧

時短の先にゆとりはない−『モモ』

時短の先にゆとりはない−『モモ』

働きながら幼い子どもを育てていると、とにかく時間が足りない。
今は、そんなワーママを支えるサービスが山ほどある。
ミールキット、レトルトパックの離乳食、家事代行でのつくりおき、食洗機やロボット掃除機、、、

フィルターバブルというんだろうか、
一度検索すると延々と、子育て関係の情報や広告が追いかけてくる。

いかに効率的に家事を行うか、
自分で、または夫婦だけで頑張りすぎずに人を頼り、
サービスを

もっとみる
悔しみノートに対する悔しみ

悔しみノートに対する悔しみ

あー。「何で、自分じゃないんだ!」
ってこっちのセリフだよー。

1リスナーが出版って、何なの〜〜〜
しかも、「相談は踊る」だよ。
大好きなスーさんの番組から、
こんな展開があり得るなんて、
誰が想像するかなぁ。
本当にうらやましすぎる。

番組に相談を送るじゃん、
アドバイスをもらって、はーってなるよね。
何かもうそれだけで満足しちゃう人だって多いと思うのに、
言われたことを実行する、
そして、

もっとみる

顧客視点って、つまり?『カスタマーセントリック思考-真の課題発見が市場をつくる-』

広報が専門の人というポジションで仕事をすることになった。
専門扱いされると急に、自分の経験だけでは心もとない気がして、理論武装がしたくなった。そこで、手にとってみた本のひとつ。

参考になるところが多く、さっそく、PRのプランニングでも活用してみた。ここ重要と思ったところに、あちこち付箋をはったけれど、結局、この本でいちばん線を引きたくなったのは、テクニックに関する記述ではなかった。

このスタン

もっとみる

答えはびっくりするほどシンプルだった―『小さな会社 逆襲の広報PR術』[読書ノート10]

何のために、がんばってるのか。
何をがんばればいいのか。

悩んでいたのは、シンプルに考えていなかったからだ。

PR広報の目標はメディア露出を獲得することである。
対価はPR活動に対して支払われる。
腕のいいPRは効率よく効果的に露出させられる。

この本の特典のコンサルティングで相談して、分かったことだ。

こうして文字にすると、あっけないほど簡単だし、
当たり前のようにも思える。

だけど、

もっとみる

人を振り回すオバさん―『永すぎた春』[読書ノート09]

昔の文学作品って、よく分からなくて苦手だと思っていた。

お正月、あまりの手持ち無沙汰に本棚の本のタイトルを端から読んでいたら、引っ掛かったのが「永すぎた春」。

本をひっくり返して裏にある筋書きを読んでみると、卒業を待って結婚しようという2人の、婚約期間が長過ぎて危機が云々とある。

密かな恋愛の幸福感に比べると、何かしらもの足りなく思われ始めた……。

ちょっと気になる。

2人はどうなるんだ

もっとみる

言葉のうまれるところ―『目でみることば2』[読書ノート08]

言葉を覚えるって、こうだったなと思い出す。
大人が話している状況と、初めて聞いた言葉をつきあわせて「こういうのを○○って言うのか!」と頭のなかにメモを残す。

「意識」という言葉を知ったときのことは今でも覚えている。
ピアノの先生が「3の指を意識して」「2の指を意識して」と教えてくれるのだけれど、私は何を言われているのか分からない。
「イシキって何だろう?この前も言ってたな」と思いながら、同じフレ

もっとみる

答えのない問題―『考える人とおめでたい人はどちらが幸せか』[読書ノート07]

「世の中をより良く生きるための哲学入門」という副題に気付かずに読み始めた。

タイトルの問いかけがおもしろくて。

自分には「考え過ぎる」側面も「おめでたい」側面もあり、答えが気になった。

結論としては「考える人」も「おめでたい人」も幸せにはなれる。
でも、「考える人」の方がより深く幸せを味わえるのだという。

考え過ぎる方の私はもちろんのこと、「そんな面倒くさいこと考るのやめなよ」という、おめ

もっとみる

料理とことば―『調理場という戦場 斉須政雄「コート・ドール」斉須政雄の仕事論』[読書ノート06]

恥ずかしながら「コート・ドール」というレストランも「斉須政雄」というシェフも知らなかった。

でも、この本を読んで、この人のつくる料理を食べに行きたいと思った。(財布と相談だけれども...)

職人であり、クリエイターであり、経営者であり。さまざまな感覚をバランスよく持っている人で、そして根っからの料理人なのだと思う。

どんな道のりを辿って、何を大切にして、レストランや料理をつくってきたのか。た

もっとみる

一都会人の思い―『学者は語れない儲かる里山資本テクニック』[読書ノート05]

結局、“儲かる”でもないし、“テクニック”でもない。

だから、共感できた。

筆者がやりたかったことは地域のお年寄りや女性に「出番」や「役割」をつくること。決して、儲けようということではない。

初めのうちは理解されなくて心折れるような言葉をぶつけられても諦めずに地域の人と話をした。そこにはテクニックなんかない。

もちろん、そうした経験を一つひとつ乗り越えてきた結果、得られたノウハウは書かれて

もっとみる

まだ私は知らない幸せのかたち―『幸せになる勇気』[読書ノート 04]

私はわりと幸せだと思っていたけれど、もっと幸せになれるのだろうか。

もう一度、感想を書くために読み直して、そう思い始めた。

アドラー心理学ブームの火付け役にもなった、前作の『嫌われる勇気』。
セラピストの先生にすすめられて読み、「課題を分離する」という考えかたを学んだ。とても画期的な視点だった。

さっそく悩んだ時には、どこまでが自分の課題なのかを考えるようになった。そんな経験を少しずつ重ねて

もっとみる

考えても考えなくてもお迎えはくる―『「長生き時代」を生きる 老・病・死の不安をどう乗り越えるか』[読書ノート 03]

人は誰でもやがて老いる。そして必ず死ぬ。

当たり前の事実で知ってはいることだけど、その「誰でも」に自分や大切な人が入ることは考えたくない。そんな感情に気付かされた。

人の生死を医療のコントロールのもとにおいていいのか。
すでに高齢でかつ医師でもある人から淡々と発せられた問いかけに改めて、考えさせられた。

どう老いるか、どう死にたいか。

自分の思うようにタイミングも方法も選べないけれど、どう

もっとみる

何のために人を育てるのか―『5つ星のおもてなしを1泊5120円で実現するスーパーホテルの「仕組み経営」』[読書ノート 02]

結局、最強なのは人を育てられる人なのだと感じる。

以前に一度だけ宿泊したことがあり、意外に感じがよかったスーパーホテル。その経営者の言葉に加えて、1章ごとに専門家の解説が入るスタイルも興味深く、手にとってみた。

この本の要点をざっくりまとめると、「自律型感動人間」を育て、それが低コストでホスピタリティも提供できるスーパーホテルの品質を支えているということになると思う。
ただ、その“5つ星のおも

もっとみる

江戸時代の人たちが見ていたもの―『和算で数に強くなる!』[読書ノート 01]

江戸時代の人たちと今の私たちって、こんなに違うんだという驚きがあった。

和服を着ていて、身分制度があって、苗字がなくて…

それだけでもだいぶ違うと思うけれど、それだけじゃなかった。

「0という量」「速度」「角度」

この概念がみんな、江戸時代にはなかったらしい。

どれも小学生で習った気がするけれど、そんなに最近まで大人も知らないことだったとは!!!

しかも、なぜ、その発想がなかったのか、

もっとみる