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紙おむつのコピーを見て思ったこと

コピーライティングというのは
商品そのものについてではなく
商品と人との関係について書くのだ。

紙おむつのパッケージをボーッと眺めていて、
コピーライターさんのインタビューに同席して
耳学問で学んだことを思い出した。

紙おむつや粉ミルクのパッケージには、
細かく使い方が書いてあって、
雑誌や平日の育児教室で情報をとっていない自分には
結構、参考になっている。

おむつのパッケージにはサイズ表以外にも
何層構造でどうのこうのとか、
なんとかサインでどうのこうのとか、
かわいいキャラクターがどうのこうのとか、
おむつの機能や仕様について書かれている。
今時は紙おむつが優秀すぎて、
おむつが外れるのが遅くなりがちだそうで、
素晴らしい技術的進化だなと思う。

そして、その横に書かれていたのが
「愛されてるしるし」。
(メーカー名がバレてしまうけども)

なるほど、まったく商品の特徴を紹介したものではない。
オムツの説明ですらない。
でも、この10文字足らずのなかに
これだけ色々考えられたオムツを買うなんて、
この赤ちゃんはママに愛されている証拠だね。
あなたは赤ちゃんを愛する素敵なママだね。
というメッセージが入っている。

これがコピーか、と思った。

赤ちゃん、ママと明示しなくても、
「されてる」という受け身にするだけで、
これだけの情報が詰め込める。

正直、おしっこを吸い込む量や使われている紙の材質まで
細かく比較する暇なんてないから、
「総合的に言って、よく考えられたこのオムツを買うあなたは
ママとして正解なのだ」と言ってくれると、とても楽だ。

だって、いいママでいたいもの。
そして、楽したいもの。

そう言われたら、ごちゃごちゃ考えずに買いますとも。

本当のことを言うと、安くてたくさん入ってるから、
このオムツをネットで買っているというのは
babyには内緒の話。

でも、もちろん愛してないわけじゃない。
こまめに取り替えてあげたいからボリュームパックを買うんだ、
それが我が家の家計を鑑みた愛情だ、とも言える。

愛してるからこのオムツを選んでるわけじゃないけど、
赤ちゃんが大事で大好きなのは間違いない。

オムツを替えるのも、考えてみれば、
トイレトレーニングまでのつかの間の間なんだよね。

さて、もうそろそろお迎えの時間。
今晩も愛してるしるしをどんどんつけよう。






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